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今も忘れない、看護師の一言
僕は少し前に買ったカメラを持ち、病室にいた。
そのカメラは、もう直ぐ生まれてくる3男 真翔との姿を残すために購入したカメラ。
長男・次男も含め、本当に家族みんなが楽しみにしていた3男の誕生。
しかし・・・
過去の記事は⬇︎
全く聞いたこともない病名。入院中買い集めた色々な病気の本などにも載っていない珍しい病気。
大変な病気だということだけは理解していた・・・。
入院しながら薬を投与し、数値を見続ける毎日。
何か景色から鮮やかさが抜けて、白黒の世界を生きている様な毎日が続く。
長い入院生活。
ふと存在を思い出し、病室でカメラを手に持って立っていた。
「撮っていいのかな?」
「病院で写真なんて面白がっている様にも見えるし不謹慎?」
そんな事を考えながらカメラを持って病室にいると、
「manaチンの頑張っている姿、しっかり撮って残しておいたりや!」
大阪弁が効いた看護師の一言だった。
僕がカメラを持って悩んでいるのに気付いたのだろう。でもその一言が本当にありがたかった。
そして、その一言が大きく僕の心を動かし、僕の人生において物事の捉え方を大きく変える一言となった。
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(腕や手の注射の跡。週に何回も採血をされる毎日。泣きそうな顔。この日は少し泣いちゃったかな?この写真は慰めて欲しいから撮ったのじゃなくて、病気と向き合い、毎日必死に頑張っている我が子が誇らしく思い撮った一枚。)
真翔の子育てを通して色々な事を考えるようになり、多くのことに気付かされた。
病気を持って生まれ、病気と付き合っていく大変さ。
どうにかしたくてもどうにもならない現実・・・
だけどそれは決して不幸ではないということ!
真翔が生まれ世界が変わった。
我が子が余命宣告されたあの日
今まで考えていなかった「死」というものと向き合った。でもそれは、頑張って病気と闘う我が子の「生きる!」という姿と向き合った瞬間でもあった。
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今まで当たり前のように過ごしてきた生活。
そこに大きな喜びを感じ、大きな幸せを感じるようになった。
当たり前のように感じていた、こども達との時間・こども達の成長。
しかし真翔は違った・・・
たっちをするにしても、あんよをするにしても、ジャンプをするにしても、人一倍時間はかかるし苦労もかかる。
だけど、それだからこそできた時の喜びは大きく、幸せを感じる!
真翔は今まで僕が見過ごしていた、感じることができなかった喜びや幸せを教えてくれた!
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今 我が子が元気でいるからそう感じられるかもしれない
でも・・・
今を大切にし、 その笑顔 その涙をめいいっぱいの愛で受け止め、「命と向きあう」こと「生きる」ということの大切さを教わった気がする。
日々落ち込む毎日でしたが、僕の心の中では、看護師の言葉と撮り続けた写真が支えになっていた。
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【続く・・・⬇︎】