映画『きみの色』 感想&ほんのり考察 ネタバレ少なめ
はじめましてアラカルトと申します。
映画好きとの交流と自らの知見を深めるために
noteを書き綴ってみようかなと思い始めた次第にございます。いきなり本題に入るのもなんですので、軽い自己紹介を。
プロフィール
大阪府の学校に通っている学生です。青春を絶賛映画と文学に費やしており、学業もそこそこです。ピアノを少しばかり嗜んでおり、いつかストリートピアノで弾いてみたいなと考えています。不束者ですが、みなさんどうぞよろしくお願いします。では、自己紹介はこんなところにして早速感想と考察へ。
山田尚子さんと吉田玲子さん
アニメ『けいおん!』などでタッグを組んだ山田尚子監督と脚本家吉田玲子のタッグ。さらには青春バンドものということで一体どう魅せてくれるんだろうかという若干ハードルの高い期待を抱いて鑑賞に望んだが、私の設定したハードルなど軽く飛び越えていくような、はっきり言って今年1番の映画だった。まずはあの色彩、恐れ入った山田尚子。『きみの色』という作品なだけあって、その色彩の美しさは言葉で容易に形容できるものではなかった。私は原作の小説を読んだことがないので完全初見で挑んだ訳だが、全く初見さんお断りみたいな感じもなく、ここら辺は脚本がいい仕事してるなぁという感じだった。
感想(ネタバレ少なめ)
さて、映画の制作の感想はこれぐらいにして、早速本編の感想に入っていきたいと思う。見出しにもあるが、ネタバレは少なめにするよう配慮する。
ライブシーンめっちゃかっこよかった(脳死)
まず、最初にバンドの演奏シーン。これはもう最高。綺麗。まず歌がいい。歌が作られていく過程を見ているからさらにいい。映画館で見る付加価値高い。興が乗っていくにつれて、お祭り騒ぎになるのは見ていてとても愉快だった。あと、キミの祖母がめっちゃ綺麗。実際いくつくらいなんやろか。
この映画のテーマ
この映画は青春バンドもので、主なテーマはコンプレックスや思春期特有の悩みや葛藤だと筆者は考えている。
主人公日暮トツ子(以後凸子)には人を色で見てしまう癖があり、それがコンプレックスとなっている。
ヒロイン(?)の作永キミ(以後キミ)は自分に対する期待や評価への不安、そして祖母に退学したという秘密を打ち明けられずにいること。
そして、残る影平ルイ(以後ルイ)は、親の医者という家業を継ぐことへの不安やプレッシャー、そして自分が音楽が大好きだということをなかなか親に打ち明けられないこと。
などなど三者三様、様々なコンプレックスや葛藤を抱いてるという訳である。本作は全体を通して、多感な時期である3人の高校生たちがいかにして己自身と向き合い、自己を律していくか。そこに焦点が当てられている気がする。つまるところ、若人に向けた『君たちはどう生きるか』である(笑)
絶賛若人の筆者としても、いかにも図星で、今自分がテスト勉強を放り投げてこうしてnoteを執筆していることや、将来アニメ会社に勤めたいこと…など自分としてもどのようにしてそれらと向き合っていくか。考えさせられる作品であった。また、凸子が自分の色が視えないということは、暗に若者の心や自己の不安定さ。自分自身への自信のなさなど、若者が抱える悩みを示しているのではないかとも思う。などなど、登場人物(大人含め)が、過去の自分や今抱えていく問題を、もがき苦しみながらも決着をつけていく、その様には見ている側をどこか勇気付けてくれるような、背中を一押ししてくれるような、そんな気がした。
考察(ネタバレを含むのでまだ見てない人はここでブラウザバックしようね)
ここまで、感想をつらつらと書き連ねた訳だが、ここからは皆さんお楽しみ(?)考察パートに入っていこうと思う。とはいえ某O氏のような考察はしないのでご了承
キミはルイにどんな感情を抱いていたの?
作中で、キミがルイのプレゼントを選ぶシーンで頬をほんのり赤るシーンや、ラストで船で故郷を去っていくルイへ全力(というより死力)を尽くしてエールを送るシーンなど、キミはルイに恋愛感情を抱いてるの?ということである。作中で百合百合するかと思えば、これと来た。青春映画のくせお前ら性欲とかないん?みたいな映画なのでそこまで重要な話題かはわからないが、私としてはこれすごく気になる。私としてはこれどちらとも取れるとも思っており、自分の作った音楽(自分の一部)をルイの音楽が包み込みハーモニーを奏で、それに感動しルイに好感を抱いたとも取れるし、ただ単に恋愛とは別の親近感を抱いただけとも取れる。女子校に通っていたことも考えると、どちらも同じくらいの可能性なので、本当にお好み解釈で全然オッケーである。
なぜいきなりバンド結成?
ほんと唐突にバンドが結成されてびっくりした。本屋で凸子とキミが邂逅して、そこに居合わせたルイがひょんなこと(凸子の嘘)でバンド結成、なんども繰り返すがほんとに唐突である。ルイは興味があったのはわかるが、そのたびに全く不明である。もし全員がバンド結成を夢見ていたとしても、そんな唐突にバンド結成となるのか、もしかしたら様々な要因がありそれを見落としているだけかもしれないのでここら辺は考察の余地あり。
まとめ
この映画、あまり世間でブームになるタイプではないけども、名作であることには間違いないです。はっきりと断言できます。あんまし話題聞かないから観に行くの迷ってる方は、今すぐチケットを予約するのをお勧めします。是非IMAXで圧巻のライブシーンを観てください。初めての記事なのでまだまだ拙い文章ですが、これからもよろしくお願いいたします。では、アラカルトでした。