2019年12月 アラカンParis1人旅⑤タリンからフランス史上最長ストライキのパリを歩く。【パリの旅程】
2016年から2019年までのパリ滞在をご紹介してまいりましたが、これが最後の「過去の記事」となりました。
10月からは「パリの生活」をお伝えして参ります。
【旅行期間】11泊13日
【予約方法】個人予約(航空会社公式サイト、エクスペディア・アパート)
【航空会社】エールフランス航空、ルフトハンザ航空
【宿泊エリア】16区(パリ)
【服装】アウター:ロングダウンコート、ウールコート/トップス:カシミヤセーター、ウールセーター、カーディガン/ボトムス:極暖パンツ、ヒートテックデニム、レザーパンツ/極暖ヒートテック上下、手袋、帽子、ストール
羽田からパリ、パリからフランクフルトへ
羽田22:55発CDG4:35着 エールフランス航空
エールフランス航空が到着するTerminal2からルフトハンザ航空が出発するTerminal1へ
乗り継ぎではなく乗り換えなので入国審査、預入荷物を持って移動します。
CDG空港ターミナル移動▼
日本からタリンへは、直行便がありません。
タリンが最終目的地でしたらフィンランド経由が一般的ですが、その後はパリ滞在、パリから帰国なのでCDGからドイツのフランクフルト経由タリンの移動方法を選択しました。
パリからタリンの直行便は「エア・バルティック航空」か「エールフランス航空」が運行しています。
「エア・バルティック航空」は利用経験がなく、エールフランス航空は若干、お高いので乗継でもルフトハンザ航空を選択しました。
シェンゲン協定
既に日本からパリ到着時に入国審査を通過しています。
パリからドイツ(タリンも)は、シェンゲン協定で審査なしで搭乗ゲートまで進みます。
(そのため、スターアライアンスのラウンジが利用できませんでした)
フランクフルト空港で
以前は無料だったフランクフルト空港のコーヒーマシンは2€になり、使い方を失敗して暖かいお湯を飲んだと言う・・・寂しい思い出が残りました。
◆フランクフルト空港 ルフトハンザ・ビジネスラウンジ
フランクフルトからタリン
ヨーロッパの短距離フライトのビジネスクラスはエコノミークラスの中央席を空けただけですが、一番前特権でコックピットを見せて頂きました。
ボタンを押したなる衝動を抑える
ヨーロッパ最高のクリスマスマーケットへ【タリン】
12月になるとヨーロッパ各国で開催されるクリスマスマーケット。
タリンの旧市街「ラエコヤ広場」で開催されるクリスマーケットは「2019年ヨーロッパ最高のクリスマスマーケット」1位に選ばれました。
本来の目的エリアとは離れていますがせっかくなのでクリスマスマーケットを見てみたい。
タリン到着が17時を過ぎる。マーケットが終わる20時頃に間に合うように旧市街のホテルを予約しました。
(実際はもう少し遅い時間までマーケットは開いていました)
タリン空港から旧市街はタクシーで20分程、
ホテルから徒歩5分で童話のような可愛らしさと優しさがあふれるクリスマスマーケットへ
-2℃の服装
マーケットで購入したエストニアのニット帽、ロングダウンコートの下はニットと極暖ヒートテック。
防寒より道路で滑らないように足元はスノーブーツです。
22時過ぎまで屋外で過ごしましたが、ニット帽で寒さを感じませんでした。
旧市街散策の服装、暑いくらいでした。
タリン工科大学とMEKTORYを見学
今回のタリン滞在の目的「エストニアにおけるITエンジニアの現状を視察」
◆エストニアにおけるITエンジニアの現状
◆奪われないモノ
エストニアの首都タリン旧市街を歩く
旧市街は、2時間も歩けば一周できるほど狭いエリアの中に中世と侵略と統治の歴史が残る街です。
飲食などの物価は、西欧、北欧と比べるとお安く、真冬に-20℃にならなければ移住したいと思うくらい素敵な街ですが、若い女性は恐ろしく美しい。
同じ人類として凹みそうなので観光客レベルで止めておきます。
中世と現代の境「Viru Väravad(ヴィル門)」
この門から現代の街へ徒歩10分ほどのショッピングモール
ロシア発の本格オーガニックコスメ「NATURA SIBERICA(ナチュラ シベリカ)」のコスメをまとめ買い。
オンラインショップでは購入できない化粧品が低価格で販売されています。
シベリアの極寒に負けないならパリの乾燥にもきっと勝てる!!
タリン旧市街はとても治安が良いです。
海外1人旅では夜間の街を歩きませんが、22時過ぎまで旧市街を歩きました。
物静かで穏やかな人柄な国民性だと思いました。
帰りの空港まで乗車したタクシーの運転手を除いて・・・
12月5日、タリン空港からミュンヘン空港へ
穏やかなタリン滞在中も12月5日から始まるパリのストライキ情報は深刻な様相。
メトロは前日の夜からストップ、そのために交通渋滞、空港にタクシーが待っていない事もあり得ると。
既に日本語で予約できるCDGからの送迎サービスは全て予約不可。
CDG空港到着が22時頃なので渋滞もタクシーも大丈夫でしょう・・・とは思いながら一抹の不安ともしもの時に遅い時間の入室を快く待っていてくれるアパートの管理人さんに申し訳ない。
お喋りなドライバーに送られてタリン空港に到着
「やはりCDG空港からお迎えサービスを予約しよう」
タリン空港入り口でロコタビサイトにアクセス。
相手とのやり取りが思いのほかスムーズに運び、30分でお迎えサービスの予約完了!
チェックインを終え、空港のショップで黒パンも購入、いざミュンヘンへ
さよなら、タリン!きっとまた来ます!!
◆シンプルでわかりやすい タリン空港、ラウンジ
日本人ビジネスマンが多いミュンヘン空港
ストライキのパリまであと少し、最後の休息ミュンヘン空港のラウンジでゆったりしましょう。
がっ、できない!座る場所もままならない、芋洗いの様なラウンジでした。
CDG空港Terminal1に到着
CDG空港に到着し、お迎えの車に乗って、いざ、怒涛のパリへ
想像通りにタクシーも十分待機しており、16区のアパートまで渋滞もありませんでした。
この拍子抜けした経験が、帰国の日に地獄を見ることになる。
パリの大ストライキをどう乗り切ったのか
事前情報でも実際も「メトロ1号線と14号線」はストライキなし、
バスは本数を減らして運行。
最も利用者が多い路線、パリの観光に最も便利と言われている1号線。
メトロ1号線に乗ればどうにかなる!
16区のアパートから最も近いメトロ1号線の駅はArgentine駅。
●Argentine駅まで徒歩移動(徒歩25分)
●バスPC(バス停まで徒歩5分)でPorte Maillot駅
PCバスの運行状況は、公共交通機関アプリ「city mapper」で確認。
ただし、運行していても乗車できるか(混雑あるいは急な運休)時の運と言うスリリングな交通状況です。
いつもならGoogle Mapsを使ってルートを探しますが、刻々と運行状況が変わったパリのストライキには悲しいほど役に立たず。
「city mapper」の情報が確実で正確でした。
メトロ1号線Porte Maillot駅は、普段なら利用する事がなく、大抵の目的地の逆方向です。
バスPCもパリの外周を走る路線で普段はあまり利用する機会のないルートです。
普段は利用しない「遠回り」の移動方法が今回は最大の功労者でした。
ルーヴル美術館『レオナルド・ダ・ヴィンチ展』
メトロ1号線Palais Royal Musée du Louvre駅下車
『レオナルド・ダ・ヴィンチ』没後500年を記念する大規模回顧展
日本からオンライン予約サイトにアクセスするも、分単位で埋まってゆく人気、なんとか滞在中の予約が取れました。
数時間後、12月の予約は完売。
2019年10月から2020年2月までの開催でしたが、2月に入ると「ウィトルウィウス的人体図」が展示中止になりました。
生きている間に見られるとは思わなかった
「ウィトルウィウス的人体図」
大ストライキを避けた渡仏計画を立てた方もいらっしゃったでしょう。
実際、ストライキの影響で団体旅行客に出会う機会はほとんどありませんでした。
完全予約制とストライキの影響で空前絶後とまで言われた『レオナルド・ダ・ヴィンチ展』は、想像以上にゆったりと鑑賞する事ができました。
逆境でも諦めなければ必ずご褒美はある①
観察力の鋭さが窺えるデッサン、ルネサンスの価値観を存分に目の前に広がる「万能の天才」▼
『レオナルド・ダ・ヴィンチ展』で購入したエコバックが果てしなく便利!
1.9€と言う安さ!!
滞在中も帰国後もずっと使っています。
da rosaでユーロスターから運休のお知らせメールを受ける
ルーヴル美術館からda rosaまでは徒歩15分
何が起きるかわからない今回のパリ、da rosaのレーズンチョコレートを早々に購入。
テレビ番組で木村拓哉さんが紹介した後で私の前に日本人女性がお買い求めしておりました。
da rosaのRaisins au Sauternes(レザンドレ・オ・ソーテルヌ)は本当に美味しいのです。
有名になってちょっと嬉しい(知ったのは3年前ですが)そして、売り切れなくて良かった。
最初は2つ、やっぱり3つ購入。
「前の日本人も最初は2つ、やっぱり3つ買っていったよ」とムッシューに笑われる。
やれやれの後にあらあら・・・
da rosaを出た途端、ユーロスターからの運休お知らせメールを受る。
キラキラを通り越してギラギラしているチュイルリー公園の入り口で英文のメールを必死に訳し、予約変更の手続きを完了!翻訳アプリは神です。
チュイルリー公園のクリスマスマーケット
飲食スタンドの他に移動遊園地のアトラクションがあり、昼は親子の姿が多いです。
どの国もはしゃぐ子供を見つめる親の目は暖かい。
◆LA MAGIE DE NOËL AUX TUILERIES チュイルリー公園(2019)
◆LA MAGIE DE NOËL AUX TUILERIES チュイルリー公園(2018)
市民の帰宅時間になればきっとメトロもバスも混み合う。
気楽な観光客は早めにアパートへ戻ります。
クリスマス仕様のマルシェ
早朝、いつものようにMarché Président Wilson(イエナのマルシェ)に買い出しへ
祈る思いでマルシェ行のバスを待つ。
バス停でバスを待つ市民のみなさんと「ちゃんとバスが来るといいですね」
境遇が同じ者同士のふれあいの中、いつもより長い待ち時間でしたが無事に乗車、無事に下車。
何もなくても路線の途中で「今日はここまで」なparisのバス。
ましてストライキの中、目的地で下車できた幸せ。
クリスマス仕様で日本では見ることのない食材が並びます。
かなりそのままな状態で・・・
カメラマンと撮影
午後からは、女性カメラマンと「女性が撮りたくなるパリの写真」サンプル撮影。
待ち合わせ場所は、Petit Palais(プティ・パレ美術館)
16区からバスPC、メトロ1号線Porte Maillot駅からChamps-Élysées - Clemenceau駅下車、徒歩3分
テーマは「いつもと違う顔でパリを歩く」
ストライキがなければもう少し移動したいのですが、絵になる場所を選んで撮影しました。
撮影場所:Petit Palais(プティ・パレ美術館)
撮影場所:Pont Alexandre III
撮影場所:セーヌ川
シャンゼリゼ通りのイルミネーション
セーヌ川にかかる最も美しい橋「アレクサンドル3世橋」から徒歩5分、
イルミネーションが赤く輝くシャンゼリゼ通りへ
灯りが灯るまでシャンゼリゼ通りのcaféで待つ。
移動が困難、多くを望めない超観光地のお食事は、カフェご飯のオニオンスープが適量で最適!
2018年と同じ真っ赤に輝く「フランボワヤンス(Flamboyance)」
メトロ1号線のスリに遭わないように慎重に、慎重に!
エトワール凱旋門からフォッシュ通りを歩いてアパートへ(徒歩35分)
バスで右岸から左岸へ 日本人は信頼されている。
6月、7月と滞在したパリ5区にあるコスメが安い薬局へ娘に頼まれた買い物
交通案内アプリ「city mapper」が「63番のバスが動いてますよ」と教えてくれた。
いつもとは違うルートで見つけたバス停近くの彫像。
歩くことが最も確実な今回の滞在は、パリの街には素敵な彫像があるのだと教えてもらえた機会でした。
アンリ・マルタン通り
バス停Victor Hugo - Henri Martin近くで
63番のバスには乗ることができました。
乗車から10分「これ以上バスは進みません」とバスを降ろされる。
目的地までは3倍以上乗車が必要。
笑うしかないが、笑っている場合ではないので「city mapper」様にお伺いを立てる。
メトロが動いていたら40分の道のりを2時間かけて左岸に到着。
先ずはMarché Monge近くのcaféでひと息。
隣に座っていらしたムッシューとひと言、ふた事会話を交わす。
すると「トイレに行きたいから荷物をみててくれる?」
スリ、ひったくり、盗難に驚かないパリで荷物を置いてトイレに行くなど考えられない。
私がムッシューに信頼されたのでしょうか
それとも「日本人なら大丈夫」と思って頂けたのでしょうか
ムッシュー安心してください。お戻りになるまでしっかりお荷物は守りましょう!
モンジュ広場からシテ島近くまで47番バスで10分乗車、そこから徒歩5分のメトロ1号線Châtelet駅からPorte Maillot駅、バスPCで帰宅
メトロ1号線に乗れると心からホッとする日々。
今回滞在のアパートがある16区は、パリの西部でアパートはブローニュの森が近い16区でも外側にあります。
いつもならメトロやバスでどこでも行けますが、今回は特別。
徒歩で1時間以内の場所で過ごすスケジュールが安心。
シャンゼリゼ劇場でオペラ
モンテーニュ通りのシャンゼリゼ劇場なら徒歩30分。
オペラ「Les noces de Figaro(フィガロの結婚)」公演中
パリでオペラ鑑賞は、オペラ・ガルニエ(Opéra Palais Garnier)が人気ですが、シャンゼリゼ劇場もなかなかです。
この界隈は治安が良く、スリのロマもおりません。
スリはおりませんが「チケット売りの青年」に出会う。
オンラインで購入したものの予定が変わったらしい。
しかも、良い席(150€)
「手持ちがない」
「近くにATMがあるから降ろしてくれば?」
切羽詰まった売り込みですが、ここはさらっと「désolé」
彼はその後、どうしたのだろうか?私に声をかけた時は既に開演30分前。
今回の「Les noces de Figaro(フィガロの結婚)」は、米国映画監督ジェームズ・グレイ演出。
オペラはイタリア語で歌われ、フランス語と英語で字幕が付いています。
舞台に近い地上席はシャンゼリゼ劇場の常連さんが多く、私を頭上を「Bonsoir」がシャワーのように降り注ぎます。
普遍的な「Les noces de Figaro」に時間もストライキも忘れました。
シャンゼリゼ劇場があるモンテーニュ通りのクリスマスイルミネーション
2020年3月から休業中だったHôtel Plaza Athénéeは、9月から再開しました。
バスで右岸から左岸へ
パリに到着してから今世紀最高に歩いております。
エッフェル塔が見えるバルコニーで朝食を
それだけでも十分な休暇
右岸のアパートから左岸への移動は既に懲りてはいるものの・・・
それでも行きたい、いつものcaféでいつものchocolat chaud
今日は目的地までバスが動いてくれた。
サン=シュルピス教会は、突然の雨からもストライキからも守ってくれる。
パリで最も美しいステンドグラス Sainte chapelle(サント・シャペル)
サン=シュルピス教会からSainte chapelle(サント・シャペル)までは徒歩(15分)
シテ島のパレ通りを通ると屈指の観光スポット、コンシェルジュリーやサント・シャペル見学の団体、グループ客でいつも行列です。
12月5日の大ストライキから既に数日、いっこうに終わりの見えないストライキ(結局、2020年2月頃まで続いた)の影響でツアー客がいないパレ通り。
今がチャンス!!!
逆境でも諦めなければ必ずご褒美はある②
それでも礼拝堂には多くの見学者がいらっしゃいます。
普段はどれほどの観光客が訪れたのでしょう。
メトロ7号線が動いた日、ギャラリー・ラファイエットのクリスマスツリー
ストライキ情報から「今日は、メトロ7号線が朝と夕方だけ運行します」
通勤時間帯だけでもメトロ7号線とメトロ1号線が動けばそこそこ移動範囲が広がる。
と思うのは誰も同じ。
車内は大混雑、端から端まで押され、宙に浮きながらバッグを必死で守る。
「やっぱり、ギャラリー・ラファイエットのクリスマスツリーは見たい」
ギャラリー・ラファイエットの最寄駅はChaussée d'Antin - La Fayette駅です。
この時のメトロ7号線は、時間制限だけでなく、乗降駅の制限もありました。
乗降客が多いChaussée d'Antin - La Fayette駅はサックリと通過。
あらあら・・・
次のLe Peletier駅は停車した。
乗車率推定300%、パリ市民を端から端まで押し返して必死に車内から脱出。
自分でも呆れるほど順応力と対応力とアラカン女子の底力が強い。
これまでの母娘パリ旅で9区のホテルに滞在していてよかった。
何度か歩いたラ・ファイエット通り、Le Peletier駅からギャラリー・ラファイエットまでは徒歩10分。
Uberで驚く①中国人女性と相席
翌日は、ユーロスターでロンドンへ向かう。
ストライキがなければアパートからメトロを乗り継いで30分のパリ北駅。
確実な移動手段が見当たらない、例えタクシーを予約しても渋滞すれば出発に間に合わない危険性があるのでパリ北駅近くにホテルを予約。
パリ東駅からパリ北駅は徒歩5分。
どんな状況でも「楽しい」に全力のバブル世代
せっかくだからパリ東駅のクリスマスマーケットを見てからホテルへ行こう!
ギャラリー・ラファイエット前は人も車も混み合っているので再びLe Peletier駅まで歩いてUberを配車。
待ち時間20分で車が到着。
急いで近寄ると車には既に女性が乗車している。
車両を間違えたのかと思い一旦、車から離れるとドライバーが「この車だよ」と
なんと「乗り合い」
未だかつて初めての経験でしたが、この状況でとやかく言っている場合ではない。
見知らぬ中国人女性と相席で恐ろしいほど渋滞している道をパリ東駅へ
◆アルザスの食材が並ぶ パリ東駅のクリスマスマーケット
映画『アメリ』にも登場する「パリ東駅脇にある階段」を登ってパリ北駅近くのホテルへ
迷いました。実に迷いました。パリ北駅周辺を彷徨いました。
畏れ多くも別のホテルで「私が泊まるホテルはどこでしょう」と何度も聞きながらなんとか到着。
パリ北駅からユーロスターでロンドンへ
早朝のパリ北駅前、冬のヨーロッパは朝8時でも夜が明けない。
まだ薄暗い駅への道で同世代女性(欧米人)から道を尋ねられる。
「私もパリ北駅に向かうのでご一緒しましょう」
私は見事なアジア人観光客ですが、夕べ彷徨ったおかげでこの辺りの道は分かっておりますのでお任せを!
経験に無駄な事は何もないのです。
ストライキがなければ出逢わなかったマダム、きっと彼女も「Bon voyage.」
TGVもRERも運休中の駅構内
何度かこの駅を利用していますが、これほど人がいない構内は初めて観ました。
シェンゲン協定に加盟していないイギリスに向かうユーロスター乗車は、出国審査、荷物のX線検査があります。
「乗車時間の1時間前にはパリ北駅に到着していた方が安心」と情報がありましたが、ストライキの影響で乗客が少ないのでしょうか?
全ての手続きが30分もかかりませんでした。
ユーロスターに乗ってパリからロンドンへ
ユーロスターの車内アナウンスが英語って素敵!
トラファルガー広場で待ち合わせてEU離脱前のロンドンを巡る。
地下鉄は動くし、言葉は理解できる。
私の中でロンドンの印象は赤丸急上昇!!
「なぜロンドンがリスケになるのですか?」
リスケをメールで連絡するも直ぐには理解できなかったようですが「ストライキの影響で職員の出勤が困難のためユーロスターは絶賛!間引き運転中」
状況を理解されてからは非常にありがたい対応を頂き、最後は「次回は私の家族と食事をしましょう」と別れる。
いつかきっと実現させましょう。
さて、ロンドンからパリに戻り、パリ北駅からアパートまでどのルートで戻ったのか記憶がありません。
パリ16区を歩く。
パリのストライキは終わりが見えない。
無理に遠くに出かけるより、16区界隈を歩いてみる。
治安の良い高級住宅地と言われるパリ16区
観光スポットは少ないエリアですがその分、パリの生活の中に溶け込める。
左岸とは違い、観光客がいないのボン・マルシェの食品館「La Grande Epicerie de Paris」
La Grande Epicerie de Parisの近くでストライキを気にしない市民で賑わうビストロでランチを頂く。
Plat du jour(本日の日替わり)ブフ・ブルギニョン
雑な見た目ですが、驚くほど牛肉が柔らかくて美味しい。
アパートへ戻る道で日本語が聞こえる。
いつもは見かけない日本人親子を何組か見かけました。
この界隈は日本人駐在員が多く暮らしていらっしゃいます。
子育てにとてもいい環境で、整備された公園も多い。
その一角で見つけた彫像「フォンテーヌの「Hommage à Jean de La Fontaine(ジャン・ド・ラ・フォンテーヌに捧ぐ)」
途中、バスPCに乗車できた。
同じように乗車する皆さんが「ムッシューありがとう」と運転手さんにお礼をおっしゃる。
真似して私も「Merci, monsieur.」
東京はパリより清潔で、真面目で、郵便物が必ず届く。
予期せぬ鉄道事故で職員に詰め寄る日本人のビジネスマンを見かけますが「だってしょうがないじゃない」といつも思う。
1分1秒の遅延で苛立つ働き方、2020年から変わるといいと思う。
パリ最大級 ラ・デファンスのクリスマスビレッジ
パリ滞在記をお読み頂くとお気づきになると思いますが、わたくし、クリスマスマーケットが好きです。
なにがどう好きなのか、まったくもって説明できませんが、とてつもなく感動するのです。
「VILLAGE DE NOËL SUR LE PARVIS DE LA DÉFENSE」
◆ラ・デファンスのクリスマスマーケット(2019)
メトロ1号線La Défense駅を降りれば目の前にクリスマスビレッジが広がります。
メトロ1号線は本当に「使える路線」です。
ショッピングモール「Les Quatre Temps」
ショッピングモール「Les Quatre Temps」トイレとスマホの充電にちゃっかり利用させて頂きました。
ヴァンドーム広場のクリスマスデコレーション
大ストライキでも、すし詰めのメトロでもこの美しい光景を見ずには帰れません。
シャンゼリゼ通りの情熱的な赤い灯と違い、アッパーブランドが並ぶサントノーレ通りの延長にあるヴァンドーム広場らしい「オトナ」のクリスマスデコレーション
Ritz Parisの前のシャレー(山小屋)
カカオが香る濃厚なchocolat chaud(ホットチョコレート)を頂きました。
エコバッグに忍ばせたEvianと交互に
Église de Saint Germain des Prés(サン=ジェルマン=デ=プレ教会)
メトロ1号線が走らない左岸、63番バスは私の帰国日をアシストしてくれたのでしょうか
途中で運転を止めずにサン=ジェルマン=デ=プレまで運んでくれました。
あふれるほどバス停で乗客が待ち、立ち上がらなければミラーが観られないすし詰めの車内、バスの運転手さんには本当に感謝です。
ミサ直後に遭遇
異教徒は遠くからお見守り申し上げます
サンジェルマン・デ・プレ教会前からサンジェルマン大通り沿いにクリスマススタンドが並びます。
◆サンジェルマン・デ・プレのクリスマスマーケット
買い物客がいないCitypharma
一度パリを訪れた女性でしたらこの写真から大ストライキのパリにどれほど観光客がいなかったのか理解できるのではないでしょうか。
いつも世界中の買い物客であふれ、買い終わる頃には疲れ果てるコスメが安い「Citypharma」
えっ?と驚きの声を上げ、足が止まるほど買い物客がいない。
殊の外買い物はしやすい、すると買いすぎる罠。
エルメス リヴゴーシュのサロン・ド・テで最後のまったり
小雨が降り出したので改装が始まる前のエルメスのサロン・ド・テ「Le Plongeoir chez Hermès」でひと休み。
ショッピングをしなくてもサロン・ド・テだけでも優雅な気持ちになれる。
明日からの現実の前に、最後のひととき。
茶葉のメニューには日本の緑茶、ほうじ茶があります。
鹿児島県のみなさま、「Le Plongeoir chez Hermès」の緑茶は鹿児島県産でした。
茶所、静岡県出身者としては、桶狭間的な敗北感!
スモークティーに似合うエルメスの美しい器たち
30分も歩けば巡れる距離感にサンジェルマン・デ・プレ教会、Citypharma、 Hermèsがあります。
サンジェルマン・デ・プレ界隈は、どんな状況でも散策が楽しい街です。
CDG空港までのドキュメンタリー
CDG空港23:35発のAF274で帰国
搭乗時間の5時間前、18時過ぎにアパートは退室すればいくらなんでも間に合う・・・はず。
14時、優秀な63番バスに乗ってアパートに戻りましょう。
優秀な「city mapper」から発車時間を確認。
10分待ち
5分待ち
20分待ち
いきなり待ち時間が増える。
バス停のベンチで隣に座ったマダムも困り顔。
「city mapper」の画面を見せて
「待ち時間が伸び増した」
「あら?そうなの?」
30分待ってバスが到着。
お互いに「良かったわね」ニコっ
見知らぬマダムと同じ境遇の中で励まし合った時間はとても嬉しい。
その後、途中でバスを降ろされ、アパートまで1時間歩いたとしても・・・
Uberで驚く②ぼったくりにもほどがある!
部屋をお掃除して、冷蔵庫の中のお土産を詰めて荷造り完了!
管理人さんに退室時間とタクシー予約の依頼をメッセージを
「今はタクシーの予約は無理ですね。Uberが確実ですよ」
時は正に夕方のラッシュ時間、
23:35発の帰国便なら多少のトラブル発生も回避できるだろう。
完全に読み間違えました。
18時、Uberの配車画面を見続ける。
「この時とばかり価格」
それでもCDG空港までの配車は次々に埋まってゆく。
決定した車がいきなりキャンセルになった。なぜだぁ~~
18時45分、「135€」で配車。
相場は55~70€、2倍の金額でも今回は仕方がない。
車の到着まで45分、長かった。
19時30分、空港に向かってやっと出発。
パリ外側で環状道路に近いアパートは、中心部より早くCDG空港に到着する場所です。
すさまじいい渋滞、すさまじい運転(よく接触事故が起こらないものだと感心する)、すさまじいクラクション音、やっとスムーズに走り始めた時はすでに21時を回っていた。
途中、ドライバーから「ガソリンスタンドに寄っていい?」と聞かれる。
なんですと!「急いで」と言いたいが、嫌とは言えない。
搭乗手続き開始は22時30分。
22時15分、CDG空港Terminal2 E入り口にやっと到着。
支払金額を確認せず、いい人村山、評価を普通に付け、ドライバーに見送られて空港の中へ
チェックインは既に前日にオンラインで済ませている。
自動荷物預けカウンターで預入荷物はスムーズ
人の手が必要な出国審査カウンターは長蛇の列だったが、優先搭乗でどうにか搭乗ゲートに着いた。
ほっとひと息、ソファーに座ってUberからのメッセージを見る。
ご利用金額「285€」
2度見する。285€
Uberでぼったくられました。135€で配車したからむしろ詐欺
帰国後、ストライキのパリでUberの便乗値上げが問題になっていましたが、価格の上乗せ事例はきっとそうはなかったでしょう。
Uberの配車前とは違う法外な料金の対策方法
①配車画面をキャプションする(金額の証拠を残す)
②どれほど急いでいても必ず料金を確認する
③ドライバー評価は後から冷静に
面倒ですが①は非常に大事です。
海外で言葉が分からなくても交渉できます。
最後に
エストニア共和国タリンの視察からパリで休暇の予定を入れた時点でパリの大規模ストライキのニュースは入手していました。
休暇先をドイツかスイスに変更あるいはパリ以外のフランスに変更も考えましたが「きっと、なんとかなる」と予定通り決行。
ストライキにデモ、停電に郵便事情と不便なパリもまたパリ。
結果、なんとかしました。
不便を共有する中でのご縁や新しい発見もあった貴重な滞在でした。
「自動運転のメトロ1号線、14号線は運休しない」
それを信じて滞在計画を立て、最後は「歩けばいい」
入出国も危ぶまれた今年に比べれば、ストライキは可愛いモノでした。
生活者と観光客では不便の度合いが違いますが、ほんの少しですが「パリで暮らす」不便さを経験できたいい機会だったと思っています。
7月から始めた2016年から2019年までの渡航記事「180」
やっとnoteを始めた本来の目的「アラカンでパリ」が始められます。