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白いTシャツ

洗濯するのが好きだ。

好きと言うより、洗濯機を回さずには暮らせないからなんだけど。
なんだかんだで気がついたらいつも洗濯をしている気がする。

5月も半ば、真夏のように気温が上がった日があった。
もう夏だなあなんて思いながら、押し入れから夏服を引っ張り出して、しばらく着ないであろう厚手の長袖を代わりに押し込んだ。

少し厚めのしっかりした綿の生地。たしか去年買った白いTシャツを着た日。
脱いだときにファンデーションが首回りにべったりついてしまった。
そのまま洗濯し、洗濯機から取り出しても、首回りの汚れが落ちていなかった。
洗剤の力の無さにがっくりする。

濡れたままのTシャツを眺めながら、
ハイターをぶっかけたら一瞬で白くなるんじゃないか…?という考えがふと頭をよぎって、泡で出るキッチンハイターをぶっかけた。


白いTシャツがピンクに染まった。


鮮やかなピンク。
予想外のカラフルさに驚いて、水で洗い流すもずっとピンク。やってしまった。。何かの化学反応か。
混ぜるな危険なのは知ってるけど、まさかピンクになるなんて知らなかった。
あーもうこれは落ちないかもしれない。パジャマとして着るか…お気に入りだったのになぁ…もはや捨てるか…?
パニック気味に考えがめぐる。

とりあえずいったん手を止め、Google先生にきいてみる。
検索する時点で、これはあるある案件なのかそうじゃないのかは大体分かる。
よかった、これはあるある案件なんだ。
解決方法は、洗濯洗剤をピンクになったところに塗り込んで5〜10分程つけ置きして手で揉み洗いすることだった。ピンクが消えるまで繰り返すとのこと。
ファンデーションの汚れも、最初からこの方法で落とせたのでは…?
自分の浅はかさに呆れると共に、ひとつ勉強になった。


衣類についた日焼け止めの成分と、ハイターの成分が反応して、鮮やかなピンクになること。
ハイターには塩素系と酸素系があること。(それすら知らなかったんです)
長いこと一人暮らしをしてきたのに、家の中には私が知らないことがまだたくさんある。

2回ほどつけ置きをして、ピンク色は消えていった。

脱水して、ハンガーにかける。


この夏も、ピンクに染まりかけたこの白いTシャツを、何度も洗濯するんだろうなあ、と、しみじみ思った。


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