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ケサランパサラン

お友達と公園に遊びに行った長男が、半べそをかきながら夕方5時前に帰ってきた

お友達とケンカでもしたのかな?

「どしたん?」
と聞くと、

震える声で

「…ック、…ケサランパサラン、、しんだ…ヒック…」


「…え、」


ケサランパサラン?


そう、それは今朝のこと。
じぃじ、ばぁばが庭のお手入れをしている横で遊んでいた長男。

かと思えば、数分後に
「ケサランパサラン捕まえたー!」と嬉しそうに意気揚々と虫かごを見せてきた。

虫かごのなかには
この前、海で拾ったシーグラスと一緒に、小さな白いフワフワしたものが入っていた。

綿毛みたいな、鳥の産毛みたいな『何か』。
彼が言うには、それが『未確認生物』の本に載っていた『ケサランパサラン』らしいのだ。

なんでも、捕まえて持っていると幸福が訪れるそうな。

↑こんなに毛は多くなかった


(捕まえたケサランパサランを写真に撮っておかなかったことが悔やまれる)


その、ケサランパサランが、お友達が触った時に『ビリっ』と破れて『死んで』しまったらしい。

彼が捕まえたのはおそらく、生き物ではないのでその表現のしかたが合っているのかは謎だが、
とにかく、そのケサランパサランらしきものがダメになってしまったらしい。

それで悲しくなって、怒って半泣きで帰ってきた、とのこと。

ふだん偉そうなことばっかり言ってるけど、たまには可愛いこと言うやん。←親バカ

「でもさ、今日じぃじにゲームのソフト買ってもらったやん?
もう良いことあったやん」

「幸福が訪れて役目おわったからケサランパサランどっかいったんちゃう?また見つけたらいーやん」

と、なだめたけれど、かなりショックだったようで、珍しくしばらく落ち込んでいた。

夜、お友達のママからLINEがきた。

『なんか、宝物が壊れちゃったみたいで怒って帰ったって子どもから聞いたけど大丈夫?』
と。

子どものことで、これほど親身になってくれるお友達のママには本当に感謝だ。

これからもぜひ仲良くしてほしい。

『大丈夫、大丈夫、ありがとう』と返して、ふと長男を見ると、じぃじに買ってもらった新しいゲームソフトに夢中で、すでにケサランパサランのことはすっかり忘れているようだった。

なんて単純なヤツ。
ほとほと呆れてしまう。

でも、またそのうちにケサランパサランを捕まえてくるかもしれない。

鳥の羽毛(?)をケサランパサランだと言って大事にする、そういう今の長男の純粋さとか、子どもらしさをいつまでも覚えていたい。

いつのまにか、段々とそういった物が目に入らなくなってしまうんだろうな。

道端のダンゴムシ、
浜辺に落ちていたシーグラス、
キャラメルみたいな石ころ、
公園の隅の四葉のクローバー、

フワフワしたケサランパサランとか。

そんな物を見つけられなくなってしまうのだろう。

いつか、
そんな日が来るまでは、たくさんの宝物を見せにきてほしい。

小学生になってもまだまだ小さな手のひらを、そぉっと開いて、
目をキラキラさせて話してほしい。


そんなことを、いなくなった『ケサランパサラン』に願いを込めた。


来週の日曜日は、わたしもケサランパサランを探してみようか。

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