あてなしジャパニーズがイタリアで100年ものヴァイオリンを買った話
チャオです
今日はひときわ心に残っている
おもい出を書きます
フィレンツェで画家のスタジオに寝泊まりしていた頃
つまり20年ほど前
日本でヴァイオリン教室に通うアマチュア演奏家の友人2名が
イタリア旅行を計画した
ミラノ・ヴェネツィア・フィレンツェ・ローマを巡るらしい
主目的は観光だったが うち一人は
イタリアに行くのなら欲しいものがあると言う
製作から100年ぐらい経っているヴァイオリンを
買えたらいいなあ・・・
だいぶイタリア語が出来るようになっていた私は
旅行に同行することにした
フィレンツェにも何軒かリュタイオ(バイオリン製作者・所)がある
しかしそこはあくまで新品を作っているのであって
古い楽器を扱っているかどうかは謎である
当時イタリアに音楽関係の知り合いなし あてはゼロ
知り合いのうち唯一のプロ音楽家 S氏に助言を求めた
帰国時に時々顔を出す池袋のとあるバーの常連S氏は
ミュンヘン・オケのヴァイオリン弾きだった
ヴェネツィアで探してごらん と言う
旅程で滞在日数が一番長いし ヴィヴァルディの街だし・・・
クレモナはヴァイオリン製造では新興都市だよ
なんて話もされた記憶がある
いよいよアマチュア音楽家2人のイタリア旅行が始まった
上陸地ミラノで落ち合い
次の滞在地ヴェネツィアへ
ヴェネツィアでのホテル・チェックインの際
楽器屋さん数軒の場所を地図に印してもらう
ホテルから一番近い楽器屋は休暇中だった(9月中旬)
次の楽器屋さんは開いていた
いかにも古そうな作りの薄暗い店内
さまざまな楽器が所狭しと置かれ
新しいのか中古なのかわからないヴァイオリンが
天井から吊るされているのが見える
100年前くらいのヴァイオリンを所望する私たちへの
おじいちゃん店主の一言目は
「こういう店先で売ってるようなものではないねえ」
うん・・・そりゃそうだよね・・・
うっすら落胆するジャパニーズ3名
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