9月28日 ワーケーションは人が必要
9月28日ですね。
今回の北海道で得た事はたくさんあります。今までもここで書いてきましたがまだまだ書き足りません。
今回のCLS道東では、キーノートセッションが2つありました。共に素晴らしいものでした。
出会って名刺をいただいた皆さんに御礼メールを送るにあたり、当日のYouTubeのアーカイブを合間に見直しました。
一つ印象に残っているのは、八子さんがお話していたことです。
ワーケーションに関して、いくつかのやり取りの中で、このようなお言葉がありました。要約すると、
「箱だけだったらどこでも同じ。
ワーケーションのアウトプットのパフォーマンはよくないが、インプットは高い。
ただし、前提はそこに人がいること」
かつての私は自分の行きたい場所を訪れることに必死でした。人と会うことは二の次におき、そこまで重視していなかったように思います。
ですがここ数年、ワーケーションやテレワークで各地を訪れるようになったことでその考えに少しずつ変化が生じました。
今回の旅の最終日、私はあえて観光をせず人と会うことを選びました。頂いたご縁をもとに前日訪れたばかりの知床のウトロ港へ。
そこでウトロで活動している方や漁師の方と会話し、釧路で出会った方と旅をともにしました。
かつての私であれば、せっかく道東に来たからには、まだ行ったことのない裏摩周や、28年前に日没で見られず絶対にもう一度来ると誓った野付半島のトドワラに行ったことでしょう。
ですが、今回、あえてそれをせずに人とのご縁を選びました。
すると今回のように新たなご縁が生まれました。それは私や弊社のご縁にとどまりません。うちの娘にとってもよりよい影響を与えるかもしれないものでした。
おそらくこのご縁をきっかけにまた知床を訪れることになりそうです。今回、新たな場所の観光を諦めました。が、その見返りが次回の訪問につながったわけです。
八子さんの言葉の中にはもう一つ重要なキーワードが含まれています。
それは、仕事の能率だけで考えると、ワーケーションによるアウトプットは、都会のオフィスワークのそれに劣ることです。
オンラインのコミュニケーションがどうしてもリアルにはかなわないように、ワーケーションのアウトプット効率は落ちる。
それを率直に認めた八子さんのお言葉は私の中でワーケーションへのモヤモヤを消してくれました。
なぜワーケーションをするのか。それは豊富なインプットが望めるからです。毎日同じ暮らしをし、同じ場所に通っているだけでは新たな発想は湧きません。
これは東京都内や神奈川県内を移動しているだけでは得られないものです。
私もコーディングに詰まった時は外に出て散歩していました。するとコーディングのヒントがふっとひらめき、難局を打開できる。かつての私は何度もこれに救われました。全く違うことに頭を使うと、それがフィードバックされて悩みが解決する。人の心の動きとは不思議なものです。
コーディングだけならよいのです。これが事業計画や新たな人事制度となると、おいそれと革新的なアイデアは出てきません。普通の暮らしの延長からはなおさら。
その時に必要となる想像力は都会の暮らしからは生まれにくいと思っています。そして本来、こうした想像力はコーディングのロジックのような些細な問題ではなく、もっと大きな問題を考えねばならない場面にこそ必要です。
そういう時、場所を変えてワーケーションをすると効果的です。その時はアウトプット効率は下がるでしょう。が、必ず将来のアウトプットに繋がるインプットが得られます。
また、その際のインプットは、人が媒介することでより相乗効果が得られます。ともに体験を共感できる相手がインプットの効果を高める。そこで得た経験を話し合うことで自分の中でさらなる気付きが生まれ、それが未来へのアウトプットに繋がる。
私がkintoneに関わるようになったころから、さまざまな活動をされていた八子さんのことはわずかながらに意識していました。
八子さんとは今回初めてお会いしましたが、その知見の深さと広がりに、おのれの不明を顧みました。
まだまだ学んだことは多いので、ここで引き続き書いていこうと思います。