3月2日 システムが標準化される効果
3月2日ですね。
ウクライナに侵攻したロシアに対する制裁手段の一つとして、SWIFTの名前が取り沙汰されています。
SWIFTとは国際銀行間通信協会の略らしく、私も今回の件まであまりよく知りませんでした。
銀行の間で行われる送金手続きの手順を管轄しているそうです。
SWIFTが接続を拒否すればロシアの銀行は手続きが円滑な諸外国との送金ができなくなり、経済にダメージを与える。それが今回の制裁のねらいでしょう。
SWIFTのような手続きを標準化し、一括で扱う仕組みがあるから、各銀行や金融機関は送金システム構築に手間と費用をかけずに実装できます。
これが各銀行や金融機関ごとにばらばらだった場合、その都度システムの実装が必要となり、莫大な予算がかかります。
こうした標準化の取り組みは欠かせません。そもそもインターネットもこうした標準化の仕組みの上で動いているものです。
私も同じような標準化の仕組みにはいろいろと触れています。特に業界内のEDIを扱う際は欠かせません。
私も今までにさまざまな業界のEDIに関わってきました。こうした標準化がなされなければ企業ごとに異なった手順や項目やプログラムが乱立し、より手間がかかっていたことでしょう。
金融では他にもCIPSといったシステムがあります。これは中国が主導して作ったものなので、ロシアも今後はそちらに流れていくのでしょう。
こうして考えると、かつて共産主義国だったロシアや中国も、こうした国際金融の網の中にがっちり組み込まれています。
こうした制度に入っておかないと国の経済は回せないし、運用もできないのでしょう。
今回、SWIFTのことを調べてみて、あらためて今の経済体制は資本主義一色なのだということを教えられました。
それと同時に、今や国際的な同意の中でなければ生きられず、一国が力を振りかざせる時代でもなくなったことも理解できます。
かつての共産主義は形骸化し、今や資本主義にとってかわられています。
では、何がロシアと中国を諸外国から警戒させているのでしょう。
それは中央集権の考え方でしょう。国民を統制し管理する。この考えが濃いか淡いかによって各国のカラーは分かれているように思えます。
どこまで中央集権が必要か。これは一概に善悪は付けられません。その国の事情もあるでしょうから。
実際、こうしたSWIFTのような仕組みも中央集権の一環ともいえます。システムとは標準化・集権化の側面もあるのです。
ここをうまく使い分けることがシステム開発者としての素養だと思います。
ありがとうございます。 弊社としても皆様のお役に立てるよう、今後も活動を行っていこうと思います。