10月25日 お客様のご要望通りを満たすのは良くないこともある
10月25日ですね。
昨日、私が群馬で登壇する前、澤さんの講演を拝聴しました。
元Microsoft社のエバンジェリストとして著名な澤さんの内容はとてもわかりやすく、プレゼン資料の作り方にも気づきをいただきました。
私もそこで学んだことを自分のプレゼンに活かしたいと思います。
澤さんの話には、いくつか印象に残る挿話が含まれていました。その中の一つを紹介したいと思います。
馬車と車の技術革新の話です。
澤さんは、わずか10年の間にニューヨーク5番街に並んでいた馬車の群れが全て車に置き変わった話を実際の写真を左右に並べて説明されておられました。
当時、人々は車の有用性に気づかず、より早く走れる馬車が欲しいと考える方が多かったそうです。
技術者である我々はより先の技術、つまり車の存在を知っていますから、馬車と車を比較し、馬車を勧める事はしません。
一般の方々は、車の存在を知らないがためにより早い馬車が欲しいと言うわけです。
この話から導き出せるのは、人々は本当に自分にとって必要なものを知らないということです。
つまり一般の方からの要望を鵜呑みにしてしまうと、私たちは旧来の技術で物事を作ってしまうのです。
上の例で言うと、車の存在を知っているにもかかわらず、顧客からより早く走れる場所が欲しいと言われ、馬車の改良をしてしまうわけです。
私たちがシステム開発を行う際、お客様の要望をただ単に聞いて鵜呑みにする。そういうやり方をしていないでしょうか。
お客様のために仕事をする観点であれば、お客様の言うことを忠実に再現するのは確かに仕事のやり方として、一見正しいように思います。
ですが、本当にそれがお客様のためになっているかどうかは真剣に考えなければなりません。
かつての私もお客様の言う通りに作るのが正しいと思っていた時期がありました。
そこで交渉してごねる時間があるならば、さっさと作ってしまったほうが楽だし、お客さんのためになる。そんなことを思っていた時期もありました。
誤りでした。
その当時の私は、技術の蓄積や経験値がなく、お客様に対してより良い対案が出せなかったことも、そのような過ちを犯した理由なのでしょう。
今は、それを改めています。
そもそもお客様は技術のことを知らない。それを大前提にして考えなければ。
お客様のご要望が、仮に目の前の課題を解決するものであっても、より高い視点から未来の技術も踏まえて提案しなければ。
もちろんこれはシステムに都合の良いことをお客様に押し付けると言う意味ではありません。お客様のことを第一に考えた上で、長期的に見て最適なやり方を薦めれば良いのです。
くれぐれも鵜呑みにしてやるのはやめましょう。
ありがとうございます。 弊社としても皆様のお役に立てるよう、今後も活動を行っていこうと思います。