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4月9日 経営者目線という言葉の罠
4月9日ですね。
今朝アップされた、サイボウズ式のブログでとても興味深い記事がありました。
経営者目線を持てと言う経営者からの言葉に違和感を感じる話です。
私もはじめの頃、この言葉を皆さんにお伝えしていましたよね。
ところが最近は、少なくとも一年以上前から、私はこの言葉は言っていません。
私自身、もうこの言葉は無理だと思ったからです。
この言葉を用いても、皆さんのやる気が上がるどころか、悪循環に陥ると感じました。そのため、私自身でもこの言葉は忘れ、意識の外に置きました。
もちろん、私自身は今でも内心はそう思っています。
特に私がいなくなった後の会社のことを考えると、誰がその役を担わねばならないか、外から経営人材を呼ぶかの二者択一です。
前者の場合、先に経営者としての心得を学んでおかないと、任命された本人が苦しむだけです。
ですが、この言葉をモチベーションアップのために使っても逆効果だと言う事は、皆さんと何度も打ち合わせした中で、私も腹落ちしています。
私のように、土日も仕事のことが頭から去らないような生き方は無理だし、何十案件も同時並行で携わるのは無理。
私のようになることを拙速に求めるのは不可能と気づきました。
案件がありすぎる状態で作業に追われていては、経営者目線など持てるわけがない。
そこで、昨年の秋ごろから皆さんにお渡しする案件の数は限定し、増える一方の案件は、私が伴走開発と言う形で捌く方法に変えたのはご承知のことだと思います。
この経営者目線という言葉は、経営者になりたての方が必ず引っかかるワナだろうなと今では思います。
先日、人形町で、私が個人事業主のキャリアをスタートさせた話を書きました。
おそらく当時の社長も、ゆくゆくは経営者目線を持てという期待はあったのでしょうし、そういう風に育てようという意図もあったはずですが、当時の私には全く刺さりませんでした。浸透もしませんでした。
経営とは、よほどの人じゃないと、若いうちにすぐ理解できるものではないと思います。長年かけて学んでいかなければならないものだと思っています。
課された作業や開発をこなすのと経営者としてやることは全く違います。
それくらい、従業員としてのマインドと経営者としてのマインドには大きな違いがあります。
従業員が経営者に対して不満を抱くのは当然であり、それは経営を知らないから当然なのでしょう。
私もサラリーマン時代はいろいろ思うこともありました。なんで給料が安いんだとか。いろんなことやらされすぎじゃねとか。
少しずつ視座を上げていき、実務から経営へと学びを深めていくのは、人間の成長としては必要なのでしょう。
ですが、それはあくまで当人の主体的な意思でやるべきことであり、それを経営者から押し付けるのは誤っている。
この記事では、まさにそういうことが書かれているのだと理解しました。
ここ2、3年の私の迷走とそこからの腹落ちを補強する記事として覚えておきたいと思います。
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