8月31日 DX人材の育成が主になる
8月31日ですね。
つい先日、サイボウズさんとエン・ジャパンさんが発表された「DX人材育成ガイドライン」を読みました。
https://x.com/akvabit/status/1696840871013241240?s=61&t=AnveTD_3QMWiTLwOrNSyIA
この場でも何回も書いていますが、今や急速にITやDXと言う言葉が浸透し、技術はわからないからと逃げ回っていた人々も重い腰を上げようとしています。
10年ほど前までは会社に訪問したりしても、デジタルやITは技術者のものという認識は、当たり前のように話の中で感じていました。
ところが今はそうでは無い事を誰もが知っています。わが国のITスキルの低下は国力の低下。ITスキルの低下は生産性の悪化や創発意欲の低下にも繋がっている。
そんな共通認識が広がり、皆が危機感を持ちつつあります。
このガイドラインの中にも4社様の事例が細かく載っています。
今から非IT人材の方にプログラミングやデータベースの知識を学んでもらうのは大変だ。けれども、kintoneなどのローコードツールを用いれば、さほどIT習得コストをかけずにデジタル化が進められる。
現場の業務に詳しい方がデジタル技術を修得し、現場手動でDX化を担うことによって早い段階での改善が見込める。
プログラムの民主化、データの民主化、技術の民主化。
言葉はいろいろありますが、今までのようにデジタルは技術者が担うと言う感覚はもう捨てた方が良いです。むしろ、技術者の中で少しでもそういう認識を持っているとしたら危ないです。
現場の改善は現場の方がローコードツールを使って業務改善を行う。その時に私たち技術者に求められるのは、より深いローコードツールへの知識と、ローコードツールが実現する処理内容の理解です。そして、ローコードツールと業務改善をつなげるための橋渡しです。
何度も言っている通り、技術職であればコミュニケーションが必要ないと言う認識はもうあらためないと。
今や、技術の事だけ考えて仕事をしていればよいテッキーでギークな人に与えられた席はどんどん減っています。テッキーでギークな技術者とは、ローコードツール自体を作ったり、ローコードを支えるクラウド基盤の開発に入れるような一部の人たちだけです。
残念ながら、私にはそこまでのスキルはありません。いや、今、技術者として飯を食っている人のほとんどがそうではないかと思ってます。
このガイドラインでも、IT部門の立ち位置はあまり変わっていないことに注意を払うべきです。
周囲の人をデジタル人材に引き上げているだけで、IT部門を拡充するという話にはなっていませんから。
世の中にDX化が進んでも、技術のことだけ考えていれば良い人の席はそこまで増えないのです。そもそも、増えた技術者の多くは、そこまでのスキルに達せていないか。
もちろん今から猛勉強すればそういう席に座ることはできるはずです。ですが、私のように独学であったり、技術の表面を触っている位であれば、かなり難しいでしょう。よほど努力するか、そもそものセンスがあるか。
ですが、悲観的になる必要はありません。
この先10年、きちんとした技術の仕組みを知って、それを使いこなせれば、お客様のビジネスとデジタルをつなぐための活躍の場はいくらでも用意されています。
そのためには、ビジネスの現場を知ることと、技術の基盤となる知識を基礎から理解すること。そしてコミュニケーション能力です。
今回のこのガイドラインでますますその意を強くしました。