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ギフテッドの地、GIF

9月16日。今日は名古屋以上なにもないと言われる土地、岐阜へ向かうことにした。

県境にある笠松駅でいったん下車。すぐそばに競馬場がある。だが今はまたそっち用はない。今日の第一目的地はここだ。

世界淡水魚園アクア・トトぎふ。国営木曽三川公園 河川環境楽園の中にある水族館だ。近くに電車の駅もないしバスの本数も少ない、自動車がないとアクセスしにくい場所だが、幸い私は金を持って余っているので躊躇なくタクシーで来た。笠松駅からここまでの料金はくら寿司25皿ぐらい。日本のタクシー代は予想以上に高かった。俺が金を持って余っていなければ利用に躊躇してしまうだろう。

また開館前だが、ゲートの前は家族連れが大勢集まっていた。俺は自分の誤算を悔やんだ。月曜日の午前という比較的に人が少ない時間帯で心ゆくまで水族館を堪能するつもりだったが、まさか今日は秋分の日という三連休も最終日とは。水族館などの施設が混まないわけがない。

9時開館してすぐ行列が出来てしまった。陽射しに焼かれながら列を並びたくないので、先に奥の方の河川環境楽園から散策開始。楽園の名の通り、たくさんのアトラクションやキッチンカーを設けておりさながらテーマパークの様相だ。

ふれ合いコーナーにいる烏骨鶏
人口川に立派な鯉
見たことあるキャラクターのスケア・クロウが磔の如く立たされている
最新最強のコンテンツも当然磔の運命から免れない。でかくてきしょいやつ
HIT GUN花だ。実物は初めて見たかもしれない。この複雑すぎる構造は美しいよね

見どころはまた沢山あるがとこもかしこも人だらけなのであまり写真を撮らなかった。あなたご自分の目で来て確かめてくれ。休日は改良メダカの業者も出店してくるそうだ。

アクア・トトの入場列がある程度減ったし、そろそろ入場しよう。

チケットを改札機にかざして入場するとまずはエレベーターに乗って3階(4階だったかもしれない)に上がって、降りながら見ていく形。海遊界のこのタイプだね。

森林を模した空間にカワウソは展示されている。やはり海遊館だね。

名前観てないけど立派なサイズの魚
名前観てないけど立派なサイズの魚2
デンキナマズ。口の形は独特でチャーミング
イール界の最強の猛獣。顔が虚無そのもので怖いんだ
ツノガエル界のスーパースター、アマゾンツノガエルだ。本種は角が最も発達しておりそのワイルドな見た目が人気を博している。飼育難度と価額が高く、熟練者向けのカエルとなっている
頭を隠したイール。俺の聖戦士オーラに恐れ慄いだか
これはなんだ?
エサ欲しさに鼻を水面に突き出すチョウザメでした。この角度から見るチョウザメは表情豊かで面白い
さかなクンがアクア・トトぎふ開館20周年を祝して描いた絵。とにかく上手い。さすがだ
木曾三川の環境を模した展示。面白い発想だね

300円でエサやり体験ができる。個人的に下流水槽より丸い水槽にいるオイカワなど小魚にあげた方がおもしろい。勢い付きすぎて水槽から飛び出す魚がいたので(おそらくアユ)拾って戻してやった。手が魚臭くなった。

アクア・トトぎふ、淡水魚水族館の名にふさわしく本当に海水魚が一匹も居なかった(厳密にいうと汽水魚はいる)。熱帯魚ショップで見慣れた魚が相当細心に世話されてきたか、化け物サイズに成長した個体が多くて逆に新鮮味がある、魚だけに。爬虫類や両生類も多く展示ているが、それらの水槽はやや小型で人が多いとすぐ視線が遮られて落ち着いて観察できない。そして人が多い動物展示施設に必ずある弊害、動物に対する誹謗中傷が頻発する。多分悪意のない率直な感想だと思うけど好きな動物がキモいと言われるとやはりいい気持ちになれない。アマゾンツノガエルなんか5回ぐらいキモいと言われるの聞こえた。なので来るならやはり平日がよろしいかと。

アクア・トトぎふを堪能した後、またタクシーで笠松に戻った。先ほど競馬場の写真をXにポストしたらウマ界隈の相互さんにここのどて煮を勧めされたので入ってみようと思うが、私はとても高いモラル意識の持ち主なので賭博が行われる場所に少々抵抗感がある……えい、ままよ!今はとにかく突き進むんだ、馬のように!

100円をスロットに入れて入場。まず正門左側に偉大な競走馬、オグリキャップの像がある。下のモニュメントの中身は本馬の毛か。

観客席の一番左端のブロックに着席。天気がよく空に鳶が飛び回っている。競馬に関してはミリしらだし先述した通り私は賭博を嫌うので馬券は買わない。完全にスポーツ観戦気分で来ている。どて煮はまた腹が減ってないので買っていない。にしても以前モノレールで大井競馬場に経過した際ドアが開けた途端にとんでもない牧場臭が押し寄せてきたけど笠松競馬場はそういうのはないね。土地が開拡的だから?

しばらくして、遠方から馬たちがのそのそと入場してきた。動物園のポニーなどはお腹がまん丸で自然体で可愛らしいけど現役のサラブレッドの引き締まったアスリート体型もまた魅力がある。そしてグラウンド中央の小さいスペースでグルグルと回り始めけど、何をしているんだ?

「あれはまず歩き姿を見せて、お馬さんの調子をある程度伝えてるんや」

と隣席の親子連れのお父さんが子供に説明した。

「博徒たちは歩き方からお馬さんのコンディションと心理状態を推理し、買う馬券の参考にするんや」

へー、そうなんや。

そして続いて騎手たちがマイクロバスに乗ってグラウンドに到着。各々馬に乗ると、ワーミングアップばかりにグラウンドを一周してきた。

「あれは返し馬っちゅう、要はワーミングアップのことや」

へー、そうなんや。

返し馬が終わり、競馬場運営から馬券の販売は終了しましたとアナウンスした。いよいよガチンコの競走が始まる。

ガチャーン、ゲートから馬が一斉に飛び出す!ドゥルドゥルドゥルドゥル……リアルな蹄音が臓腑を震わせる!ただ一周するだけのスプリントに人間の希望、欲望、そして莫大な利益が蠢く。俺はここまで100円しかかからなくて気楽だけどもしや今日ここで人生のターニングポイントを迎える奴がこの場にいるんじゃないかとと思ったら単なるスポーツとして見えなくなる!いよいよゴールが近い、各馬ギアをあげる!差せーッ!差せーッ!の声が観客席から響く。

ドゥルドゥルドゥルドゥル……馬たちが風のようにゴールを通り過ぎていき、今日のチャンピオンが決まった。おめでとう。馬券を買わなかったもののなかなかいい体験になった。レースが終了してちょうど正午になり売店がどこも列をなしているためどて煮は断念した。いいさ、これから岐阜・シティへ向かってもっといい物を食うんだ。

そしてやってきた岐阜・シティ。ゴールデン・ノブナガ……神々しいぜ!岐阜は全体的に戦国武将を押して観光資源にしているそうだ。英豪は人を惹きつけてビジネスにもつながる。それよりまずは飯だ。岐阜特色のある物を食べたい。

色々見たあげく、駅構内にある鶏焼き食堂カシワヤにした。地鶏を提供する店だそうだ。午前中に生気溢れる動物を見るとやはり肉が欲しくなるよね。

ランチセットの鶏焼肉定食。鶏肉5種(ハツ、鶏皮、もも肉、むね肉、あとひとつわからない)、サラダ、キムチ、スープ、ご飯(大盛可能)のセットで税込み1150円。安すぎる、市場破壊価額すら思える。鶏肉がとてもジューシーで味噌だれがよく合う。午前中動き回ったため体が塩分を欲して余計美味しく感じる。

また時間が早いけど割と満足できたので、JRで名古屋に帰って快活に潜って漫画を読むことにした。ついでにホームのきしめんも食べる予定だったが普通に忘れてしまった。


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