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走!食叉焼

 レイホウ、アクズメさんです。最近は叉焼飯に対する関心が高まっています。Xのタイムラインに本格的な香港(広東)料理屋が提供する叉焼飯やDIY叉焼飯の写真が多く見られる。おそらくは大人気の香港映画『トワイライト・ウォリアーズ決戦!九龍城砦』が日本で公開した影響だと思われる。いい映画でしたね。私は去年見ました。一番のキャラは四仔です。覆面、巨体、治療師、カタコト日本語など属性てんこ盛り。レスリング主体の戦闘スタイルはパワフルでたまんないですね。

 叉焼飯の話に戻りますが、実は私普段かよく叉焼飯を食べます。多い時は週三回食叉焼したこともあります。キン肉マンにおける牛丼のように、叉焼飯はもはや私にとって必要不可欠な一部です。

 そんなに頻繁に食べれることはつまり店がたくさんあるということ。本場だと叉焼は「焼味」のカテゴリに入っているが、みなみの国では保存食の「臘味」と共に店で提供されることが多いので、「焼臘」で統一されています。街で看板に焼臘と書いた店だったら必ず叉焼飯があります。

 飯の話をすると飯を食べたくなりました。ということで今日はここ、

 鳳城焼臘でランチを取ります。私が知る限り一番本場に近い焼臘屋です。

 11時開店と同時に入店。店員とシェフが広東語で会話し、叉焼や焼鴨、油鶏を切り分ける大包丁がまな板にぶつかる音。香港に行ったこともないのにノスタルジーを刺激させる。席はラウンドテーブル多めで人が多い場合相席する必要がある。昔は挙手したら店員がやって来て注文を取るスタイルだったが最近はQRコード注文も取り入れている。私はQRコードを注文しましたが上手く機能してないようで後に来た客の方が早く料理が運ばれて、私が厨房の方をチラチラ見てた結果店員のおばちゃんが注文を取りに来させて頂きました。

 そしてこれが鳳城焼臘の蜜汁叉焼飯となります。「デュレイロウモウア~アクズメさん!食器から内容まで洛軍が食べたやつと全然違うじゃねえか!」と思っているあなた、我先デュレイロウモウア。日本では魯肉飯が生卵黄や刻みネギ、たくあんなどで過剰トッピングされているように、みなみの国では叉焼飯がアレンジが加わり、ローカルライズされてこの形になりました。本場だと丼一杯の米に叉焼、タレ、申し訳程度に一本のチンゲン菜、場合によってたまごを載せるシンプルなスタイルだが、みなみの国では皿に盛った米に叉焼とタレ、そして2~4種類のおかずを添えるのが主流です。日本だと別々の皿に仕分けるがそんな高尚さを我々は焼臘に求めない。多少味は混ざるだろうがとりあえず搔っ込めばいいし、本場だと不足になりがちな繊維質補充できていいと思います。洗い物も皿一枚だけで手間と水が省けます。

 叉焼の表面が赤いのが漬け込む過程に紅麹を使われたからです(食紅で着色する店もあるらしいが鳳城は由緒ある店なのでそんなことないと信じる)。そしてかけられているタレは色こそ濃いですが味は甘くてあっさりしている。老抽という広東料理によく使われる甘口で塩気が少ない醬油がベースになっているからです。

 肉はどの部分なのか知りませんか麹の効果で身質が柔らかく、痩せてる部分もあればほとんど脂の部分もあって、加減のいい塩っぽさがタレの甘さと絡んで、まるで昔ネオンが煌びやかな香港の夜が頭の中に過って再びノスタルジーを引き起こす。一度も香港に行ったことないにもかかわらず。そしてご飯がいい。これまでに何回か鳳城に訪れましたが本当に炊飯が上手い。私が外食する際は乾燥したカリカリご飯と湿気ったべちゃくちゃご飯が何よりも恐れている。いくらおかずが良くても主食が不味いとマジで食欲が損なわれる。鳳城は飯屋の基本をしっかり心得ている。多少タレや野菜の汁を吸っても最後まで飽満で丁度いい歯ごたえの米粒で保ってくれる。

 完食。美味しかったです。

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akuzume
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