おいでませ黒道の都 ー逢甲夜市ー
台中市西屯區逢甲大学周辺にある逢甲夜市全国においても知名度が高い。前に来ていた時は入り口が見れないほど人が混んでいて断念していた。国内外からの観光客が少ない今が快適に歩ける。店側がそんなに快適ではないかも。
大学がすぐ隣なので学生が多い。分厚いメガネをかけて口周りに髭が無造作に生えているオタクっぽい学生、タンクトップ着て鍛えた腕に彫られたタトゥーを見せびらかす学生、JD。過ぎ去ったキャンパスライフを思い出させる。
今日は屋台に用はない。夕食の店は予め決めてある。
刁民酸菜魚。この辺りでちょっとした有名店だ。Google mapの口コミは概ねいい。現在の時間は午後5時、すでに半分の席が客が入ってる。
「すみません。一人で大丈夫ですか?」
「一人okですよ。先に注文を決めてお待ちくださいね。すぐ案内しますんで」
注文を決めて、二人用の席に案内された。周りが二人以上の仲間連ればかりでぼっちの俺が浮いている。大丈夫だ。こういうシチュエーションには慣れている。
ローゼルと陳皮のハーブティー。DIYでおかわり自由。マグカップがかわいいね。
「お待たせしました!酸菜魚(中)です。ライスです。ごゆっくりどうぞ。愚民にあらずーー」
「「「刁民であれ!」」」
店内のウェイトレスとウェイターが斉唱した。日本のラーメン屋における「鶏白湯ラーメン1つ入りまァァァス!」「あーい鶏白湯ラーメン1つおねがしゃァァァス!」「「「あいがとござまァァァス!!!」」」みたいなやつか。ちなみに刁民というのは従わぬ民の意味で、ひいては面倒くさい奴を指す言葉である。
酸菜魚(中)。思ったより量が多い。Man vs. Foodのはじまりだ。
Wikiによると、酸菜魚は重慶発祥。大量の油で炒めた生姜、大蒜、干し唐辛子を酸菜スープに入れてほかの具と一緒に煮込む料理らしい。店によって入れる具が違う。
具を小皿に移して食べる。魚はライギョを使っていると公式facebookが書いてある。ほかにゆば、きくらげ、豚バラ、豚のつみれなどがあってとてもボリューミー。酸菜の味が具にしみこんでいて食欲をそそる。唐辛子を大量に使ったけどそこまで辛くなく、いい刺激になってくれる。魚肉はプリップリ、つみれふわふわだ。これはご飯が進む!案外すぐ食べきちゃうぜ!
10分後
ぜぇ......ぜぇ......ケッホ、オオクッボ......大幅にペースが下がった。酸味は食欲促進効果があるものの、あくまでは空腹の場合の話。腹が膨らんでくると逆にきつい。辛さが累積したせいで、大量分泌された汗と鼻水を拭くために食べる速度がさらに落ちる。胃が学生時代と比べにならないぐらい小さくなった。歳を取りたくねえ......
努力して酸菜以外を食べ切った。これぐらいで勘弁してくれ。酸菜は塩を大量に使った発酵漬物だ。これ以上食べると腎臓がもたない。ごちそうさまです。うえっぷ。
興味があれば公式Facebookを見てみよう。
🍺
翌日!今日こそ夜市らしい物を食べるぞ!まずはこのいかにもジャパニーズっぽい焼き鳥屋だ。
公式Facebookを見る限りチューハイの種類が豊富でさらに日本っぽく感じる。俺はもう二年も日本に行けなくて日本に飢えている。せめて形でも日本を堪能したい……と思ったが席が全部学生さんに占拠されていた。断念。適当なんか買ってホテルで晩酌しよう。
ただいま。串焼きばかりね。夜市といえば串焼きというイメージがあったのでついつい買ってしまう。
新疆風の串焼き。クミンをメインの香辛料で漬け込んである。これで多少肉が不新鮮でも誤魔化せるね。
こんな風に自分で選んで、大将に渡して焼いてもらうシステムだ。ヤギ、シカ、牛、鳥ハツ、ダチョウを注文したけど形と味はほぼ同じで鳥ハツ以外は判別しにくい。鳥ハツは固すぎず、香辛料で心臓の血なまぐささを遮ってくれて、驚くほど美味しかった。
そしてこれがサテという、東南アジアの焼き鳥だ。マレーシアに行った時はアホみたい食べてた。ここのサテは鶏のもも肉しかない。味は甘め。何本食べるとちょっときつい。先に紹介した新疆風の串焼きと交互に食べるといい感じに。
そろそろ炭水化物が欲しくなったところでたこ焼き登場。外カリ中ふわ。概ねにクソ雑魚の台湾たこ焼き業界では珍しく申し訳程度のたこ焼きだ。どこで買った!?言え!
明石たこ焼。俺は日本に詳しいのでたこ焼きと明石焼きは別々の料理として扱われてることぐらいは知っている。これを見た明石市民と大阪府民の方々が発狂したりしないか心配だ。
ふぅー。腹が膨らんだぜ。あとはベランダで酒とたばこをきめて堕ちるとこまで堕ちて就寝すら……明日が最終日。
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