パワパー孔明 饅頭創造編
パワパー孔明とはパワーパーソン諸葛亮孔明のことである。
時代は後漢、王朝の支配が衰退、各地に軍閥が蜂起する群雄割拠の世態。世は再びパワーがないと生き残れない諍いの時代。黄巾の乱、董卓が敗退、呂布がお縄を頂戴。王朝が実質崩壊、天下三分で競り合い。
隠遁するパワパー孔明、玄徳殿の三顧の礼で仕官に出る。いろいろあって南征に行く。とある日氾濫する川に遭遇。現地のシャーマンがこう言う。
「川の神、生贄を欲し。人間の生首四十九個川に投げ入れすべし、神の怒り鎮められし」
それを聞き、孔明の眉間に皺が寄り。そしてこう言い、
「旧き風習、残忍で不自由。このパワパー孔明、この陋習を改めよう」
パワパー孔明、炊事場へ行き、シェフに事情を説明。
「面(小麦粉で練った食べ物全般を示す言葉)を生首の形に練って蒸すんですか……わかりました、軍師殿の頼みならやりましょう!」
「理解早くて助かる。出来れば韻を踏んでくれればもっと助かる」
「シェフにそんな技能求めないでくださいよ……あっ、面の中に肉を詰めてもっと生首らしく仕上がります?」
「ノー、この時代では肉は貴重。しょうもないことで消耗したくない現状」
たちまち面で出来た生首49個のが完成。高い完成度にパワパー孔明は歓声。
「素晴らしき面の頭!名付けよう饅頭!」
「満足出来て光栄です。では早速川に投げましょうか?」
「それはちょい待ち、われに妙案あり」
と言ってパワパー孔明が饅頭を袋詰めして荒れ狂う川に飛びいる!常人なら精神を疑う。しかしパワパー孔明のパワーは常人と桁が違う!水流に逆らい圧倒言う間に水底に着く。そこで川の神と相まみえる。
『なにっ、たかが人類、何ゆえ我が領域に侵入!?』
「ヘイユー、神を騙る人頭を欲する妖物。我がシェフが作りし饅頭をご馳走する」
神が驚愕、孔明は挑発。水の中でどうやって喋るか今のところスルーしてくれたら助かる。
「さぁ、たんと喰らうがよい!」
『もがっ』
パワパー孔明、アツアツ饅頭を神の顔に押し付ける!
『アツッ!アツッ!アツすぎるっ!』
「どうした妖物?お前が欲したブツ、有難く堪能しないと礼に反する!」
『もがっ、もがっ……!もぐもぐ……う、うまい!』
苦しんでいた神の表情、いつの間にか至福の形状。
『澱粉の甘味と酵母の酸味、それだけなのにシンプルかつ味わい深い味が出来ており!それでいて腹持ちもよし!こんな素晴らしき料理を知らずに生首を求め続けた我は深く恥を知るたし』
饅頭の深さに耽る神、パワパー孔明は得意げに頷き。
「分かってくれたらよし。さすれば川を穏やかにし、わが軍を安全にわたらせていただくべし」
『御意』
こうして川の氾濫が終わり、孔明が率いる南征軍は無事蜀にお帰り。饅頭伝説が後世に伝わり、今でも饅頭を食べるたびパワパー孔明が頭に過り。
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