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虫探しに大屯山へ行く

☣この記事は昆虫と動物のロードキル死体写真が含まれています。ご注意ください☣

『ねぇ知ってる?毎年の中秋節前後さ、大屯山で珍しいクワガタムシが現れるんだって』

そんな情報、7年前から知ってるさ。30代になっても現役昆虫少年である僕が今年も山に呼ばれて、5:30に起床して、ラッシュアワーに巻き込まれる前にスクーターに跨って走り出した。早朝だから路上に走る車が少なくっても煽られることもなく、7時ちょうどで仰德大道に上がることができた。まずは文化大学近くで朝食を済ませる。

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マックのパンケーキは微かに焦げくさくて好きです。体中に糖分とカフェインが駆けめぐったことで、再び出発。陽明山国家公園に入る。

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小油坑に経過。空気が硫黄臭い。水蒸気に見えるのは霧でも雲でもなく、地熱による噴気です。遊歩道を登れば至近距離で噴気穴を観察できる。今回は行かないけど。

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先に進んで巴拉卡公路にはいる。この先にある二子坪遊客センターで駐車した。これからは徒歩でいく。

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道路沿いにたくさん生えてる草。

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既に花が枯れて、綿がついた種が出ている。

今日の山は風が弱く、とても静で。草むらの中で忙しく飛び回るミツバチのBzzzzz……Bzzzzの羽音まで聞こえてくる。平地でしか見られない蝶が飛び回ってる。

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ロードキル死体を発見。かわいそうに。

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第一休憩ポイントで一息。山は涼しいけど、霧が出ていて湿度が高く、汗がぽたぽた落ちるし、マスクの裏側が湿って息がしつらい。

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休憩ポイントの近くにロードキル死体2を発見。かわいそうに。

ここまで来て目当ての虫が見当たらない。読んでいだ本によると『中秋節前後に幼虫が成虫に羽化し、天気のいい日は伴侶を探すために上昇気流に乗って山頂近くのスズキ草原に飛ぶ』と書いてあるが、今日の天気はとてもいいとは言えない。昆虫探しは知識、体力、そして何より運が必要。出会えたらラッキー、なかったらまた来年。そういうスタンスが肝心な。一息ついたので先に進む。

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トマトらしき果実を発見。すわ侵略的外来種か!?と思いつつトマトらしからぬいっぱいに生えてる棘が気になって調べてみると、キンギンナスビという茄子の仲間だそうです。やはり外来種ではないか。日本だと奄美大島や種子島や沖縄でも見られるそうです。赤い果実はいかにも美味そうですが国家公園管理法により、国家公園敷地内ではすべての動植物が保護対象であり、許可なく捕獲、収集して持ち去るのは犯罪と見なされる。突発的衝動に駆けられて果実を取らないように。

坂を登り続ける。ここでアクズメさんの野生的センスが何かを捉えた。路傍の草の下に、そいつがいた。

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おっ

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おっおっ

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おっ、おぁああああ!?いたぞぉ!いたぞぉぉぉおおおお!

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こいつは紅圓翅鍬形蟲、台湾特有種です。和名がわからない。顎は短くてかわいい。

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すげえ怒ってる!立派な雄だ。漆黒の頭部と胸部、そいて漆塗りのような美しい赤色の腹部。丸っぽいフォルムに相まってまるで自然が生み出したバイオリンのようだ。

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見ろくれこのツヤツヤ!はぁー、見惚れるほどの美しさだぜ。前述の通り国家公園敷地で許可なく動物を捕まえたら法律違反にあたるが、ここにパークレンジャーがいないし、私はあのままだとロードキル死体になりかねないかわいそうなクワガタ君を善意に基づいて掬い上げて、安全な草むらに移してあげるまえ記念に写真を撮っただけのでセーフ。ブッダもきっと許してくださるでしょう。さぁクワガタ君。別れの時が来た。嫁を見つけて、遺伝子を残すんだぞ……あいって、挟まれちゃった。

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穴かできちゃったよ。見えるかな?これも昆虫少年にとって勲章さ。

さて、目的は達成したしもう帰るべ……なに、冗談ですよ。せっかく有休を取ったんだ。またまた山を楽しむぜ。

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山頂から見る景色。

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なんか毒々しい果実。

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林間の細い舗装路。苔が生えてめっちゃ滑る。スニーカーではとても歯が立たない。登山靴とステッキの重要さを教えてくれる。

下山ルートはちょっと遠回りに外双渓ルートを取った。

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どでかいアンテナ。

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どでかい観音様だ。観音だよね髪型的に。

雑な終わり方だけど、目当てのクワガタ君が見れて全てがどうでもよくなった。生物好きな方、火山地形が好きな方、登山家の方も、機会があれば是非一度いらしてみてはどうです?

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