スレイド・オブ・グラディエーター【緊急処理室】
「済まなかったな、ヤー」エンペラー・グレイウォーターは火鉢に刺さったトングを動かしながら言った。「しかしノックもせず入室したのもよくないぞ。私がもしほかの何かをしていた場合、貴様をその場で処刑したかもしれん」
「……はい、以後気をつけます」
簡易な病床に、伝令奴隷のヤーが寝かされている。彼女の右肩を縛った布は出血で赤く染まっている。さきほどグレイウォーターのボウガン誤射による貫通傷だ。矢は既に摘出されている。
「良し、いい具合だ」
グレイウォーターはトングを引き、その先に挟まれている赤熱した10cmほどの鉄棒が現れた。それを見たヤーの表情は青ざめた。
「すまんな。私ができる治療といえば、これぐらいだ。歯を食いしばってくれ」
「うぅ……」これから起こることを想像してしまったヤーはナツメヤシ蒸留酒の瓶を掴み、呷った。身体が興奮しているせいか、すぐに酔いが回った。十分だと確認したヤーは口に棒状に捩じった布を咥え、拳を握りしめた。
「準備はいいかね?」
「……ふぁい、いどぅでも」
「では当てるぞ。ほい」
「ぬ゛ぅ゛ん゛ん゛ん゛ん゛ーッ!!!」
ジューー、赤熱した鉄が傷口に当たり、血肉を炙る!肩を爆心地に痛みが全身に渡る!
「美味しそうな匂いうがするね。もう少し我慢んだ」
「ぐぅん゛ん゛ん゛ん゛ーッ!!!」
「よぉし出来た。えらいぞ!でも油断しちゃいけない、背面の処理また残っている。ほれ身体を横にして……いいぞ、いい子だ。当てるぞ」
「き゛あ゛ぬ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!!!!」
「もうちっょい……できた!えらいぞ!」
「ぷは!ハァー!ハァー!やっとおわった……」
ヤーは力が抜け、ぐったりしてベッドに背を預けた。汗をかき過ぎたせいで身体が冷えてきている。
「タフだったぞヤー君、剣闘士に転向してみては?」
「にぁ、楽に奴隷人生をおくりたいです……」
「そうか」
ヤーに毛布を掛けてやったグレイウォーターは次にボーチをから食べかけのパンを取り出し、ベッドの横に置いた。
「今は休むといい。酒は好きなだけ飲め。私は……そうだな。SEGAの手紙を確認してくる」
今日もエントリーした剣闘士は0人です。NGLT開始からもうすぐ一週間が立つぞ、大丈夫なのか!?
辛いです。頼みますよ
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