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やはり旅は一人に限る【DAY1】

先週は日本に行ってきた。母と二人で。

僕は今年の8月、初めてコミケに参加し、震撼を受ける筈だったが、父が心臓梗塞で入院し、流石に家族が臥床している時遠出のは人間としてどうかと思うので、飛行機もホテルも現地の飲み会の誘いも全部キャンセルした。そして7月下旬、父は肉体的苦痛から解放された。

そんで葬儀とか色々あって、父が日本人の同寮を通して11月の横浜旅行を計画し、飛行券とホテル、あとダライ・ラマの来日のチケットを予約しておいた。それが父が最後に残してくれたプレゼントとも言えるだろう。母はどうしても行きたいと僕に告げ、同行を願った。最初は宗教的な内容で躊躇したが、宿泊代はもう払ったため行かないともったないし、それ以上に不肖だと言われたくないので、受諾した。

よって11/14から11/18まで横浜に滞在する事となった。久しぶり一人ではない旅だ。これからはこの6日間見た、食べた、飲んだ、面白かったことを、皆さんに少し話そうと思います。

【DAY 1】

朝五時半、目覚し時計より早くも目覚めた、腹痛のせいで。「Shit!こんな時に……!」昨夜は葡萄一房を種ごと食べたせいか、大変なことになった。腸内の圧力が鎮まるようと願いながら、なんとか仕度を整えて、家を出たが、駅のトイレで一回荷卸した。

「大丈夫?駄目だったら止痢薬でも飲むか?」「いや、これは胃腸炎ではない、ただ腸内活動が頻繁になっただけだ、問題ない」だと思いたい。

幸い症状はこのあとだいぶ収まった。出国審査、飛行機に乗っていた間も穏やかに過ごせた。機上エンタメシステムにカメラを止めるな!が観れるが、モニターはかなり古く、何が写ってるかわからないので観るのをやめた。そして成田に降りると、もう一度トイレに走った。

NEXに乗り、品川に着いたときは既に空が暗くなった。あとの数日がよりスムーズに電車に乗れるよう、おれは母にsuicaを買い、その場でチャージとかの仕方を教えた。まあ、実際やるのは大体おれだが。

「ここにカードを入れて、入金額を選択して……ここに札を差し込む、はいOK。これで大体わかった?」「いや……早すぎて分からなかった」

母は長い移動で体力が限界のようだ。うしろに並んでいるサラリマンの無言の圧力が感じたし、おれたちは急いで横浜に向かうことにした。二人分のスーツケースを持ったおれは関内駅の階段を降りて、しばらく歩くと、泊まり先のダイワロイネッットホテルにたどり着いた。この時点で18時半、移動するだけで半日が過ぎた。

「夕飯はなににする?」「アクズメくん決めて、わたしはなんでもいいから」

そんなこと言う人間ほどどうでもよくない。おれはそういう人間だったからわかる。母は熱心のブディストであり、酒は飲めないし、ベジタリアンだ。肉食が主になるの日本での食事は難しくなると想定していた。幸い中華街はすぐそこだ、野菜チャーハンとかもあるだろう。「じゃあこの辺で見てみよう」と二人はまた外に出た。おれは正直かなり腹がすいたので早く済ませたいところだった。さっそく価額が合理的(外人観光客視点)な中華料理店を見つけた。

「これ良さそう、マーボー丼があるよ。ここにしようか」「うーん、せっかくだしもう少し見てみない?」

(あんたさっきおれが決めればいいっていったろ!!!)と答えてはいけまんせん。このくだりで感情に亀裂が生じたところ俺はもう何回も見て来たし、やってきた。「そうか、じゃあそっち行ってみるね。でもどの店も似たようなもんだよ」結局我々は人が少ない中華屋に入った。おれは五目焼きそば、母は一番肉がなさそう理由でマーボーセットを頼んだ。味は平凡で、食べやすかった。今の俺の状態にちょうどいい。

「やはり挽肉入ってるね、アクズメくん残りの分食べて―」「はいはい」母は小食のため、おれは毎食1.5人分を食べないといけないと事前予想した。半分に残ったライスとマーボーを飲み込み、もう腹一杯だ。そしてホテルに戻るともう一度トイレに籠った。

ここでは、もしおれは一人で来ていた場合、どんな風になったか見てみよう。まず酒だ。一階にあるコンビニへ駆け込み、ビール、ストロングゼロ、ビール、アルパカワイン、ビール、ハイボールを買って、部屋でテレビチャンネルを適当に観ながら飲み始める。外国から来たおれにとって日本のテレビ番組はどれでも新鮮で面白い。特に有吉弘行とマツコデラックスを見た際は「おう、また会ったな、旧友」な感情に陥る。一缶を飲み干すと、さらに一缶……うむ、七時か、そろそろ夕食行かねば。いい感じの居酒屋を見つけて、まず中生をとお通しをいただこう。それで……なんらかの刺身……サラダ……揚げ物だ。栄養バランスは大事だからな。すいませーん、黒霧島、ロックでお願いしまーす。あーうめー、やっぱ焼酎はいもに限りますわ~んじゃあ腹も膨らんどころで、帰りますか。すいませーん、会計お願いします~んん?五千円?安いね!ありがとあす!いやぁ、いい店だったな、機会があればまた来よ。帰り道もコンビニに寄ってウィルキンソン炭酸とビールを買い、テレビ見ながら……
そして、翌日の朝、世界に生きるすべてのモノに呪いを掛けながら、重たい瞼を開き、頭痛を耐えながら、起き上がる。ゴミ箱はアルミ缶とペットボトルで溢れている。くそっ、なんか一生分の酒を飲んだぜ。もうしばらく酒を見たくないや。
でも人は誤ちを繰りかえす。Drink never changes......

「アクズメくん、わたしはしばらく気功やるけど」

「(そらー、飲みに行くけど)じゃあ僕は散歩でも行ってくるよ」

「遅くなりすぎる前に帰ってね、明日は早いから」

「ほいほい」

シュマグで顔を覆い隠し、俺は夜の馬車道を歩いた。目指す場所はタップルームって店だ。前に一回来たことあった、古典的な洋風のバーで、つまりメキシコだ。うん、さすがに平日はサラリマン姿の客人が多い、スーツ姿の白人や黒人も結構いる。おれはシュマグを解き、カウンターにいる白人サラリマン団体の隣に座った。

「サンライズエンパイア(うろ覚え)、500mlで」「かしこまりました」

ショートボブのバーテンダー注文を伝わると、おれは注意を周りに払った。白人サラリマンは大声で話しを盛り上がっている。完全に読み取れるとは言えないが、だいたいこんな感じの会話だ。

「タイムトラベルは可能になってもよ、お前は自分の運命を変えれないだぜ」
「なぜだ?時間を自由に行き来できるだろ?」
「そりゃお前、もしお前が70歳の時にタイムマシンが実用かされたとして、お前はいじめてくれたブーリーをやっつけたいと小学校時代に戻ったが、でもその時代はまたタイムマシンが存在していない、どうなると思う?」
「タイムマシンはその時代に存在しない物だから、タイムパラドックスが起こり、タイムマシンが消滅する?」
「そう!そして乗っているお前も永遠に時の砂漠に彷徨うのだよ!アインシュタインが……」

なるほど、面白い話だ。でもそろそろビールが欲しい。おお、言って傍から来たではないか。バーテンダーから旭日旗めいた深紅色のビールを受け取り、つかさず口に付けた。

うーん、旨い。この濃厚の味わい、口の中に残るホップの香り、缶ビールでは決してたどり着けない水平線だ。でも夕食は食べ過ぎたからさすがにこの一杯だけ飲めば限界か、となりの兄さん(日本人)、おいしそうにベーコンエッグ食べてんな、でも僕はもう何も入らないや……ん?三角のテーブルテントになんか書いてあるぞ?

『TACO TUSEDAY!Taproom馬車道は毎週火曜日だけタコスを提供します!揚げたフラワートルティーヤと、秘伝スパイスで味付けしたタコス肉、ぜひご賞味ください!』

食ったらぁーッ!

Oh boy it was sooo goooood......

こうして一日目は円満に終わったとさ。

(DAY2に続く)

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