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めんたいフランス
明太フランスは福岡県にあるパン屋さんが2002年から地元の名物になるパンをとのことで開発・販売したのが発祥らしい。(もっと昔からあったような印象だが意外と最近?だった)
今ではここ関東でもパン屋さんにはだいたいある定番商品だがTHE BAKERYもオープンから10年以上経った今、本気でめんたいフランスを作ってみた。
実はオープン当初や去年辺りもたまに作っていた時期もあったのだが、どちらかというとバゲットがたくさん売れ残った時のフードロス対策としてその二次加工商品との位置付けでとりあえず作っていた。
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今回は「めんたいフランス」の為にベストサイズなパンを焼いている。
この、もうちょっと食べたい小ぶりなサイズ感と、クラストとクラムのバランスが重要だと気付いた。
美味しいめんたいフランスを作るためにまずは美味しいフランスパン。
生地作りについては過去に詳しく書いたのでご興味があれば見てほしい。
うま味が強く味の濃い明太子に負けない美味しいパンでないと「明太子おにぎり」には勝てない。かじった瞬間に広がるこんがり焼けた小麦の香りと最後に残る麦芽糖の甘い余韻がわざわざパンにする価値なのだ。
それと良いバゲットの条件とされている大小ランダムに入り縦に伸びたクラムの気泡。
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この気泡に自家製明太子フィリングが入り込んで旨味爆弾となる。
隠し味に配合した昆布パウダーのグルタミン酸と本枯れ節パウダーのイノシン酸が単なる爆弾ではなくより強力な旨味クラスター爆弾たらしめている。他にも臭み消しや隠し味にいろいろと。
そして焼き上がった後の仕上げにあおさ入り胡麻油をひとたらし。
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元ネタはコストコでたまに売っている韓国煎餅?みたいなやつ。海苔とごま油のおせんべいなんだけど好きなんだよね。
どこにでもあるパンだからこそどこにもないクオリティが欲しくて何かもうひとつ、THE BAKERYにしかない個性を探していた時にふっと思い出した。
やっぱりアイデアって僕のような凡人には天から降ってはこなくて過去の経験値の組み合わせでしかないんだよね。
人と違う経験を重ねる事が人とは違うものを造ることに繋がるのだろう。
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とは言え人と違くありたいと言う願望もべつにないのだが。
他とは違う何かが少しあった方がうちのお客さんは喜ぶんじゃないかな?と思ってワンポイント入れてみた。
個性的であることが正解でも偉いわけでもないし、「俺の超個性的なパンどやすごいだろ!」みたいなタイプじゃないし、、、
とにかく、食べやすいように切り込みが入っているから手でちぎって車でぱくっとね、楽しんで。