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物流倉庫現場崩壊のきっかけとは?

どの業界も人手不足です。

そして、物流業界は、2024年物流問題により、
トラックドライバー不足が注目を浴びています。

では、
物流業界の他の仕事は、人手不足ではないのでしょうか?

むろん、人手不足には変わりはありませんが、
物流現場、特に物流倉庫現場においては、
多くのパートやアルバイトにより、
ドライバー不足よりも危機的状況を回避しています。

ただし、それは、
軽作業と言われるピッキング作業や仕分け作業と言った作業に限定されます。

物流倉庫では、多くのフォークリフトが稼働しています。

そのフォークリフトを扱える作業者は、どうなのでしょうか?

もちろん、「フォークリフトの講習の修了書を持っています」
と言うのではなく、トラックへの積み下ろし、
ラックへの格納などの実務経験を持ってる作業者でなくては、
現場では使いものになりません。

実務経験もなく、始めて乗りますという作業者は、
人手不足で、仕事に追われている現場の場合は、
事故の元であり、周りの作業者の作業効率も下げてしまいます。

初心者だから、事故を起こしてもいい、なんて事はないのです。

もし、人身事故であった場合は、営業停止なんて事もあり得るのです。

物流倉庫現場の崩壊は、
フォークリフトの作業者不足が原因で起こる可能性があると考えます。

さらに言えば、
既存のフォークリフトの作業者が高齢化している場合も、
危機的状況とも考えられます。

30代、40代であれば、休憩なしで5時間、6時間、
フォークリフト作業が出来たとしても、
50代以降(個人差はありますが)ともなれば、
体力的、気力的にも出来なくなります。

大手の物流会社の倉庫であれば、
20代、30代のフォークリフトの作業者が多い事でしょう。

では、中小の倉庫現場は、どうでしょうか?

高齢化が進んでいるんではないでしょうか。。

新規顧客を得られない、荷量が増えない、
辞める作業者もいない、そんな状況では、
新しいフォークリフトの作業者を募集する事が出来ません。

そうなると、
既存のフォークリフトの作業者のみで作業が回っていきます。

その結果、
気が付いたらフォークリフトの作業者の高齢化が進んでしまっているのです。

倉庫現場は、今も昔も、まだまだ体力勝負です。

体力が衰えていけば、自然と作業効率も下がっていきます。

そんな状況になってから、
フォークリフトの作業者を募集しても、希望通りの人は見つかりません。

見つからない、
応募がないと悩んでいるだけで時間だけが過ぎていきます。

そして、
ちょっとしたきっかけで既存のフォークリフトの作業者が、
体を壊し、フォークリフトによる作業が出来なくなたら、
他の作業者に負担がかかります。

負担のかかった作業者が、辞めていってしまったら、
現場はさらに回らなくなり、現場崩壊へ進んでいきます。

そうしない為に、大手の物流会社であれば、
他の営業所から作業者を異動させて、対応する事をしたりします。

では、中小の物流会社で、
他の営業所からの異動が出来なかった場合は、
どうなるでしょうか?

現場は、疲弊していくだけです。

今の時代、単発バイトを募集するサイトは、色々あります。

なので、ピッキング作業や仕訳け・梱包作業などであれば、
パートやアルバイトをフォークリフト作業者より
簡単に雇う事は出来るでしょう。

問題は、実務経験があって、
安全意識の高いフォークリフト作業者を雇う事が出来るかなのです。

では、別の現場崩壊の予兆を考えてみましょう。

一般的な倉庫は、8時または8時30分始業、
17時または17時30分が定時だと思います。

もちろん、
定時に仕事が終わるなんてことは、さらさら前提にしません。

最低でも1~2時間は残業があるのが普通だと思います。

私自身も、8時30分から始まって、
終わるのが20時、21時と言うのが普通でした。

ただ、このようにすべての作業者の作業開始時間が同じであれば、
さほど問題はないと思いますが、
早番、遅番と言った作業の開始時間が異なった場合、
フォークリフト作業者の確保は、通常より難しくなると考えます。

もちろん、正社員で対応出来ればよいですが、
フォークリフト作業者にアルバイトを採用する場合、
作業時間が固定する事が考えられます。

また、早番と遅番で、作業量が違ったり、
遅番の終わり時間が、仕事量によって変わったりすると、
アルバイトの人は、収入が安定しない、
減るという懸念から敬遠される可能性もあります。

そうなると、正社員で対応する必要があります。

もちろん、
遅番の作業を正社員で行う事が出来れば問題ないですが、
出来ない場合は、作業が滞る可能性が高くなります。

昔、働いた倉庫が
大手製造メーカーの部品の集積地になったのですが、
24時間運行で、当初は、集荷されてきた荷物の数量の確認を
現場作業者が行うと言う事になっていたのですが、
その倉庫の現場作業者の正社員は、私と私の上司だけ。
あとは、アルバイトの作業者の人だけでした。

なので、自然と私が行う事になったのですが、
21時に仕事が終わって、朝の6時に出社と言う流れになって、
結局、現場での数量確認は、ドライバーが行う事になりました。

普通に考えても、おかしいですよね。

21時に仕事が終わって、家に帰って、
次の日の朝6時に出社って、何時間労働させるんだと言う感じです。

もし、早番、遅番と作業者を分ける事が出来れば、
現場作業者が数量の確認をしていたかもしれません。


2024年物流問題によるドライバー不足の対応策として、
共同輸送やダブル連結トラック、
従来ドライバーが行っていた荷役や付帯作業が倉庫側に
シフトなどが言われていますが、これらは、
倉庫現場のマンパワーが十分にあれば
対応出来る事はではないかと思うのです。

共同輸送は、積載率を高めるには良いですが、
積み下ろしをする作業者にとっては、
時間に追われると言ってもいいでしょう。

以前、働いてた倉庫では、
16時30分から10トントラック2台の積み込み、
18時に出発出来るように積み込みを行っていました。

もちろん、
その2台の積み込みを行っているだけでなく、
他の作業を同時に行いながらです。

大手メーカーの貸し切りトラックと言う事もあり、
発着時間には厳しかったので、
かなりの時間に追われている感じでした。

共同輸送も、複数の荷物を積んでいる事で、
積み下ろしの時間には、それなりに厳しいものがあると思います。

そうなると、
現場のフォークリフト作業者に余裕がないと、
現場は、かなりバタバタするのではないかと思うのです。

それを毎日、行っていると、
精神的にもかなり厳しいものがあると考えられます。

もちろん、
現場のフォークリフト作業者に余裕があれば、
全然、問題ないと思います。

フォークリフト作業者不足に対して、
自動フォークリフトがありますが、
中小の倉庫の場合、正直、宝の持ち腐れなる可能性が高いでしょう。

なぜなら、
一日中、トラックの積み下ろしにフォークリフトを
使っている中小の倉庫は、ほとんどないからです。

そう考えると、
午前中にトラックの積み下ろしに
自動フォークリフトを使った後は、
放置状態になる可能性もあるのです。

物流展などで見る自動フォークリフトは、
工場の構内作業やメーカー系の物流センターで稼働させる事が、
前提なのではないかと思うのです。

そう考えた場合、
フォークリフト作業者は、まだまだ必要不可欠と言えます。

このような状況から、倉庫現場崩壊の前兆は、
フォークリフト作業者がカギとも言えます。

自動倉庫やもともとフォークリフトをあまり使っていない
倉庫現場は別ですが、フォークリフトが作業の要になっている場合は、
フォークリフト作業者が足りない、いなくなったりしたら、
それだけで現場は止まってしまいます。

自動フォークリフトは、確かに便利です。

ただし、まだまだ、工場の構内作業レベルではないかと思うです。

なので、人間のフォークリフト作業者が足りないから、
自動フォークリフトを導入すればいいなんて言うのは、
安易な考えであって、現場の事を知らなさすぎなのです。

ピッキング作業や仕訳け、
梱包作業の作業者とフォークリフト作業者を
一緒にして考えるのは、あまりにも危険であり、安易すぎます。

フォークリフト作業者は、実務経験の有る無しはとても重要です。

物流現場系の求人情報などで、
初心者歓迎と言うのは、正直、作業のみではないかと考えます。

また、実務経験があると言う事は、
物流倉庫現場の事をある程度は知っていると言う事になります。

なので、イメージと違うという事が、あまりありません。

ただし、
最新の物流センターや大手メーカーの構内作業から、
中小の倉庫現場へ移った場合は、
システムや設備の違いに違和感を感じる事でしょう。

それほど、大手と中小との違いは大きいのです。

特にメディアがで
報道されている最新の物流倉庫をイメージしていると、
アナログ作業がメインの倉庫現場で働いた場合は、
明らかに落胆をする事でしょう。

そういった意味でも、
倉庫現場の実情を知っている実務経験がある人の方が、
現場に順応しやすいと考えます。

まとめとして、
持続可能な物流を実現する為には、
DXやIOTを導入していく以前に、
もっと現実的な問題として、
現場作業者の育成、教育、定着率向上に対して、
真摯に向き合う必要があると考えます。

特にフォークリフト作業者に関しては、
物流現場で働きたいという人が増えない限り、
高齢化が確実に進み、倉庫現場の破綻が現実味を帯びてきます。

現状はトラックドライバー不足が問題視されていますが、
近い将来、フォークリフト作業者不足も
起こりうる問題ではないかと考えます。

そうなれば、トラックが予定通り来ても、
荷物の積み下ろしが出来ないという、
別の意味での物流危機が訪れるのです。

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