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「さよーなら」またいつか…今週の『虎に翼』

あく

日本初の女性弁護士で、後に裁判官となった女性・猪爪寅子（伊藤沙莉さん）とその仲間たちが、困難な時代に道なき道を切り開き、迷える子供や追い詰められた女性たちを救っていくリーガルエンターテイメント、朝ドラ『虎に翼』の最終週「虎に翼」。

「虎に翼」とは、「《「韓非子」難勢から》ただでさえ強い力をもつ者にさらに強い力が加わることのたとえ」（コトバンクから引用）。

美佐江（片岡凜さん）の娘・美雪（片岡凜さん）の件で、寅子が思い悩んでいた月曜日。星航一（岡田将生さん）は、以前寅子にしてもらった「ちちんぷいぷい！」で励まそうとするのですが、それを息子の朋一（井上祐貴さん）が陰で聞いていて。裁判官を辞めて、家具職人になると報告。

最高裁の大法廷の弁論に立ったのは、よね（土居志央梨さん）。昭和25年に言い渡された、刑法第200条の尊属殺の重罰規定に対する最高裁合憲判決。その基本的な理由「人類普遍の道徳原理」に、よねの「はて？」からスタート。反応する桂場（松山ケンイチさん）。

「道徳の原理を踏みにじったのは誰か？」「娘を強姦し続け、子を産ませ、娘を監禁した」「畜生道に堕ちた父親でも、彼を尊属として保護し、子どもである被告人は、服従と従順な女体であることを要求されるのでしょうか？」「それが人類普遍の道徳原理ならば、この社会と我々も、畜生道に堕ちたと言わざるを得ない。いや畜生以下、クソだ！」

桂場の注意に、相棒の轟（戸塚純貴さん）が謝罪しつつ、小声で「行け、山田！」。よねは畳みかけるように「今もなお、尊属殺の重罰規定が、憲法第14条に違反しないものとするならば、無力な憲法、無力な司法、無力なこの社会を、嘆かざるを得ない。著しく正義に反した現判決は、破棄されるべきです」と。

寅子が美雪と対峙した火曜日。美雪は新潟時代の美佐江をなぞる様な、他人を操った犯罪を行っており、寅子には「どうして人を殺しちゃいけないのか」と、偶然にも美佐江と同じ質問。

美佐江の際には、優未（竹澤咲子さん）を庇うように、線を引いてしまった寅子でしたが、ナイフすら持ち出した美雪にも臆することなく、対応。美雪は試験観察を経て半年後、人が変わったようになり、祖母の前で涙。以前の噓泣きが、前振りとして効いていましたね。結果、不処分となりました。

桂場が尊属殺重罰規定の違憲判決を下した水曜日。史実としてわかってはいたものの、穂高（小林薫さん）の「雨垂れ石を穿つ」精神が見事に結実した歴史的瞬間に胸熱。重責を終えた桂場は、梅子（平岩紙さん）の団子ではなく、花岡（岩田剛典）のチョコで、しばし甘味補給。そして退官へ。

美位子は涼子（桜井ユキさん）の店で働けることになり、新潟へ旅立つことに。美位子の「さようなら」に、寅子「また、いつかどこかで」と返し、米津玄師さんの主題歌「さよーならまたいつか!」タイトル回収。

美位子と優未（川床明日香さん）に「二人とも、人生失敗していない」と励ましたものの、一人になり落ち込んでいた寅子に、戻ってきた優未は「この先、自分は何にだってなれる。最高に育ててもらった」と伝え、二人は抱き合い涙した木曜日。

そんな二人を見ていたのが、亡夫・優三（仲野太賀さん）。「寅ちゃん、約束守ってくれて、ありがとうね」と語りかける優三に、寅子は涙を見せながらも笑顔。そこに航一（岡田将生さん）が帰ってきて、という展開。「貞女は二夫に見えず」問題も、寅子の中で折り合いがついた、的なシーンかな。

横浜家裁の所長に就任することになり、寅子はさっそく花江（森田望生さん）に報告後、猪爪家で大宴会。その後、明律大女子部を中心に「笹竹」で祝賀会が行われていると、桂場が団子を食べにやってきて。寅子が話しかけると「私は今でも、ご婦人が法律を学ぶことも職にすることも反対だ」と。

前日の桂場の言葉を受けずに、寅子がなくなって15年後が、優未を中心に描かれた金曜日前半。番外編のような、スピンオフドラマのような。『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」のように、亡くなった寅子が優未の側にいて、見えているのは航一だけ。

桂場のシーンに再び戻り、法律談議で寅子がしてやったりの表情を浮かべていると、亡母・はる（石田ゆり子さん）が現れ、「どう？地獄の道は？」と問うと、寅子は「最高です！」と笑顔。そこから、主題歌と共に過去の懐かしいシーンを重ねるエンディングで終了。

出演者・スタッフ、そして視聴者の皆さんお疲れさまでした。

余談：昨日のNHK『あさイチ』プレミアムトークを「NHKプラス」で視聴。ゲストの小泉今日子さんこと、キョンキョン世代なので、昔の映像もたっぷりで楽しかったなあ。

最近のコンサートの映像もありましたが、舞台などの経験を経て、たしかに歌がアイドル時代よりも格段に上手くなってる（笑）。「厚木のエンジェル（天使）小泉今日子！」って、掛け声が確か昔あったと思うんですけどね。


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