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【電気回路の計算入門】合成抵抗について、暗記から理解へ。どのように考えれば良いのか徹底解説!!

割引あり

 今回は、基本的な電気回路にどう立ち向かっていけばいいのかを解説していく。高校受験の対策や、物理の前の復習、電気工事士の学習などに利用してくれれば本望だ。順序としては、オームの法則の扱い方を確認した後、抵抗が複数接続されたものを扱っていきたいと思う。これを暗記してしまうと、少し電気から離れただけで振り出しに戻ってしまう。残念ながら、すでにこれがあるあるとなっているので、諸君には”理解”を目指してほしい。
 また、毎度のことだが分からない用語等があれば、これまでに解説しているので、随時確認してもらいたい。有料記事もあるが、そちらは深い理解を求める人だけ見てもらえればいいので安心してほしい。


例の最強法則

 電気分野で最も重要な公式、オームの法則を覚えているだろうか。これがなければ始まらないし、発展した式を導くことができ、これだけ知っていれば、他にほとんど何も覚えなくていいと言っても過言ではない。

$$
V=IR
$$

 忘れていたという人は、これから寝る前と起きてすぐに発声すること。

例題

 オームの法則があれば、電流、電圧、抵抗のうち2つの値が分かれば、残った1つの値が求まる。以下に例題を載せる。ので、各自解いて答えを合わせてみてほしい。

  1. 10Ωの抵抗に、5Aの電流が流れている。その電圧(電圧降下)は?

  2. 未知の抵抗に電池(1.5V)をつないだら、0.3Aの電流が流れた。抵抗値はいくらだったのか。

  3. 100Ωの抵抗に電池を二つ、直列に接続した。どれだけの電流が流れるか。

解答

  1. $${5\times10=50[V]}$$

  2. $${\dfrac{1.5}{0.3}=5[Ω]}$$

  3. $${\dfrac{1.5\times2}{100}=0.03[A]}$$
    図を書けばわかると思うが、電池が直列接続のときは電圧(起電力)を足し合わせれば良い。抵抗の両端でのエネルギの差が重要だからだ。これが何を言っているのかさっぱりだという人は、前回の記事を一度見てきてほしい。

合成抵抗とは

 さて、公式の復習ができた所で本題へ移ろう。合成抵抗とは何なのか、初めにまとめておくと、複数の抵抗を一つの抵抗にまとめることだと思う。つまり計算を楽にする手段だ。
 そして前提として、ここからは公式を覚えるのではない。抵抗の性質から、電気がどんな振る舞いをするか、イメージして理解することを意識してほしい。
 ということで、抵抗は何か復習すると、「電気回路で、電流が流れる事を妨げるもの」だった。ここで、各種接続方法はどんなものであったか、見てみよう。

 まず直列接続だが、一本道となっているのが分かる。すなわち、電流は自らを妨げてくる二つの抵抗を両方通過しなくてはならない。したがって、二つの抵抗値を足した値を合成抵抗として、一つにまとめることができる。

 つぎに並列接続だが、こちらは二本道となっている。そして電流の振る舞いだが、どちらを通るか選べることとなる。そうなれば、自分を妨げてくる力が抵抗値なのだから、当然それが小さいほうが人気の道となるだろう。そのため、少々複雑となり、ただ足し合わせる訳にはいかない。一つにまとめるには、その合成抵抗は逆数の和の逆数となる。
 なんだそれと怒りを覚えている人も多いだろう。申し訳ないが次に公式としてまとめるので覚えてほしい。余裕のある人は最後にオームの法則からの導出を残すので、参考にしてもらえると嬉しい。とにかく、どっちがどっちだったかなんていう戸惑いがこれで消えてくれれば嬉しい公式化

公式化

 覚えやすいよう式といておくが、あくまで先の理論を理解した上で見て欲しい。皆が通弊の餌食にならない事を願うばかりだ。

直列:$${R_0=R_1+R_2+R_3+ \cdots+R_n}$$

並列:$${\dfrac{1}{R_0}=\dfrac{1}{R_1}+\dfrac{1}{R_2}+\dfrac{1}{R_3}+\cdots+\dfrac{1}{R_n}}$$

抵抗二個が並列なら和分の積

先の、$${\dfrac{1}{R_0}=\dfrac{1}{R_1}+\dfrac{1}{R_2}}$$でもいいが、簡単な式に変形させることができる。それが、$${R_0=\dfrac{{R_1}\times{R_2}}{R_1+R_2}}$$だ。とても使用頻度が多いので、必ず覚えるように。過程の気になる優秀な葦には、こちらも最後にまとめたので見て欲しい。

導出

 どうしてこんな式になるのか、今までに覚えた公式から、証明していく。それが導出であり、覚えずとも目を通しておくと公式を記憶しやすいので、一度自分でもやってみることをお勧めする。また、勘のいい読者は気づいていると思うが、今までに習っているのはオームの法則のみなので、これから導かれる。

 まず、どんな回路を考えるか。今回は並列回路の合成抵抗を求めたいので、シンプルな下図をつかい、「電源E[V]に抵抗二つが並列に繋がれて、電流I[A]が流れている」と、文字でおいておく。

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