Finaアカデミー 〜拡大期のベンチャーにおけるナレッジシェアの取り組み〜
こんにちは。株式会社Finatext、新卒1年目の渡邉暁(あきら)です。この度、Finalog!にて筆を取らせていただくことになりました。
今回お話しさせていただくテーマは、私も運営として関わらせていただいている、Finatextグループにおけるナレッジシェアの取り組み、その名も「Finaアカデミー」です。
この記事を読まれている皆さんの多くは、「アカデミー」や「ナレッジシェア」という響きから、社内勉強会や研修のようなものを想起されるかと思いますが、ここでは、Finatextグループのカルチャー・メンバーが創り出す、ユニークな取り組みについて紹介していきます!
■Finaアカデミーとは?
Finatextグループでほぼ毎週開催されている、自らの業務紹介から専門的な知識まで、有志のメンバーによる様々な粒度のプレゼンとそれに対する質問・コメントを交えた、インタラクティブな勉強会
♦︎企画〜開催までのプロセス
現在、アカデミーの企画〜開催のプロセスは大まかに以下の3つです。
1. 運営メンバーは、登壇立候補者はもちろん、「この人の話を聞きたい」等の声・直近のリリースや時事ネタを基に、登壇候補者を絞り込み、登壇を依頼をする。
2. 登壇者は自らに蓄積されている知見を、説明・共有できる形にまとめる。(その際、どんな人を対象に・何を伝えたいかを明確にする)
3. アカデミーでメンバーに発表。(Google Meetで全メンバーに放映)
ざっとアカデミーの概要をまとめてみましたが、私自身も入社1年目と歴が浅いこともあり、Finaアカデミーのこれまでについて調べてみました。
♦︎Finaアカデミーの生い立ち
その起源は2018年に遡ります。当初の登壇者は、Fintech分野に精通した外部ゲストの方や、日本オフィスに来日していた海外拠点のメンバーが主でした。そのため、開催間隔はまばらであり、とりわけ国内のグループメンバーにおいては、登壇が一部のメンバーに限られている状態だったと言えます。
Finatextには「Jibungoto(ジブンゴト)」というPrincipleがあり、このアカデミーも一部のメンバーだけでなく、より多くのメンバーが「発信」していく流れができたらいいなという社内の雰囲気がありました。
あくまでランダム形式のイベントであったFinaアカデミーですが、この取り組みを「ドライブする」主体がメンバー1人1人に移り、「発信する」という行為が「Jibungoto(ジブンゴト)」として伝播していく契機が訪れます。
♦︎思わぬ形で起こったアウトプットの連鎖
昨今の新型コロナウィルス感染拡大の影響により、2020年4月から原則リモート勤務*となったことで、どうしてもメンバー間のコミュニケーションは取りづらくなっていきました。(*2020年10月現在はオフィス・リモート併用)
そこで、グループ内のリモートコミュニケーション促進施策の一つとして、Finaアカデミーが注目されることとなったのです。
リモートシフト後、率先して名乗りをあげたのは、今年度ナウキャストに新卒入社した、データエンジニアのKevin!乗り換え案内を例に取り、アルゴリズムの力と競技プログラミングの魅力を語ってくれました。
誰かが頑張っているところを見ると放って置けないFinatextのメンバーたち。自発的なアウトプットの連鎖は続き、ここからなんと9月までのほぼ毎週、述べ24回のアカデミーが開催されることになります。
■FinaアカデミーがFinaアカデミーたる理由
ここからは、Finaアカデミーを企画・運営する私の目線から、「Finaアカデミーたる理由」について、グループのカルチャーを交えてお話ししていきたいと思います。
簡潔に述べると以下の2つです。
1.複数のエンティティとそこに集まるメンバーの多様なバックグラウンド
2.フラットな組織とコミュニケーション
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1.複数のエンティティ・多様なバックグラウンド
Finatextグループは「金融を”サービス”として再発明する」というミッションのもと、以下の4つのエンティティを軸に事業を展開しています。
このような体制を敷いているからこそ、証券/保険のスペシャリストから、フロント/サーバー/データ/インフラエンジニアまで、多種多様なバックグラウンドを持ったメンバーが揃っています。
そして、Fintechソリューション・データ・証券・保険と、異なるエンティティに属するメンバーが、密に連携してこそ勝ち抜いていけるという共通認識から、他エンティティの動向やメンバーの業務内容を理解しようという「学びの文化」が醸成されています。
私も各々の業界について勉強を始めたばかりで、多様なバックグラウンドと経験を兼ね備えたメンバーのプレゼンに毎週刺激を受けているところです。
2.フラットな組織とオープンなコミュニケーション
Finatextグループは、縦割りの組織ではなく、業務においてメンバーがフラットでオープンなコミュニケーションを取れるようなカルチャーが作られています。
このようなカルチャーを土台として、Finaアカデミーも登壇者と他のメンバーの間でインタラクティブなコミュニケーションが図られています。「勉強会」や「講義」といった堅いイメージではなく、また、上の立場の人間が教えを講ずるようなテイストでもありません。
自分がどんなに優秀であろうが、相手の専門性に敬意を払う。そして予め自分が持つ知見にさらにアップデートをかけていく。そんな姿勢がメンバー各々に備わっているからこそ、実現できている取り組みだと考えています。
ちなみに、Finaアカデミーは平日勤務時間中に開催されていることもあり、運営の方針として原則任意参加としているのですが、平均して50名、時には60名以上のメンバーが業務の合間を縫って参加してくれています。
■Finaアカデミーの内容をズバリご紹介
実際にメンバーが用意した資料も交えながらアカデミーの内容をご紹介します!
♦︎「マーケティングについて語るときに僕の語ること」
1つ目にご紹介するのは、ライフネット生命→LINE Financialと金融業界の第一線でトップマーケターとして活躍されてきた岩田慎一さんによるアカデミーです。
金融業界のキャリアで培ってきた、マーケターとしての知見や経験を、わかりやすい具体例を交えながら共有していただきました。特に、上で挙げたスライドからわかるように、「今のFinatextグループにもクリティカルに当てはまる形で還元」してくださり、非常に興味深い内容でした。
♦︎「1通のメールから何が起きるのか 標準型攻撃の手口と対策 」
続いては、インフラ・セキュリティエンジニアの田島悟史さんによるアカデミー。タイトルデザインから緊張感が伝わってきますね。
他社で大きなインシデントが起きたことをきっかけに、組織として今一度手綱を締める意味合いで、標準型攻撃の手口と対策、具体的な対応方法を解説いただきました。
内容とクオリティもさることながら、思い立ったらすぐに自身の知見を形式的にまとめ、発信しようという姿勢が常日頃からメンバーに良い影響を与えていると感じます。
田島さんのテックブログ最新記事はこちら
♦︎「ナウキャストのナウ」
最後にご紹介するのは、ナウキャストのビジネスデベロップメント、中澤晴彦さんによるアカデミー。先ほども述べましたが、Finaアカデミーは、異なるエンティティのメンバー同士が、お互いの事業内容の理解を深める場にもなっています。
↑新たなメンバーもどんどん入社してくるので、基本もしっかりおさらい
新型コロナウィルスの感染拡大を受け、メディアへの掲載や、官公庁における引用が増えてきた「JCB消費NOW」の事例のご紹介。まさに「エンティティの今(現在位置と戦略)」を共有していただきました。
勢いに乗っているエンティティの成果やその要因を解像度高く聞くことができると、グループの一員として非常にモチベーションになりますね。また、これからどうグループとしてシナジーを生み出していくか、思索を巡らせているメンバーも多く見られました。
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具体的なアカデミーの内容を少しお見せしましたが、イメージは掴めたでしょうか?まだまだたくさん紹介したいプレゼンがあるのですが、また別の機会に。
■運営の思い
実は、私自身立候補という形でFinaアカデミーの運営を務めさせていただくことになったのですが、最後にFinaアカデミーに込めた思いをお話しさせていただきたいと思います。
♦︎組織の成長フェーズだからこその難しさ
私自身、Finatextには大学時代からインターンとして関わらせていただいていまして、様々な領域に強みを持ったメンバーの皆さんと共に仕事をさせていただいてきました。
FInatextグループはメンバー間に縦割りの階層はなく、業務上はオープンなコミュニケーションが徹底されていること。スタートアップならではの事業のスピード感もあり、メンバー間のインプット⇔アウトプットのサイクルがとても速いです。
一方で、新卒という立場での入社後は、上述したようなカルチャー・組織の成長フェーズだからこその難しさや課題も徐々に感じるようになっていきました。
その1つとして、「組織知が貯まりづらいこと」が挙げられます。
またこれは既存のメンバーも感じていたことであり、7月に行われた半期経営状況共有会(通称:MegaTownhall)でも施策を打つべき課題として取り上げられていました。
↑全メンバーによる議論の結果を共有→改善施策に落とし込みます
♦︎貴重なメンバーの知見を、組織の共有知に
このような課題に対して、Finaアカデミーが二役ぐらい買えるのではないかと考え、私は運営に名乗りをあげました。
上で言う二役とは、
1. 鋭く尖った経験やスキルを持ったメンバーの知見が形式化され、メンバーに共有・還元されうる場所であること
2. これらをメンバーが、好きなタイミングで何度でもインプットできる、言わばナレッジベースを築くこと
Finaアカデミーは全回、「録画・登壇者の作成資料・メンバーからの質問・コメント」がセットとなって、共有ドライブに格納されていきます。つまり、メンバー1人1人からアウトプットされた知見が、日々組織知として蓄積されていくということですね。
メンバー各々の力で作りあげる「知のプラットフォーム」、何だかワクワクしませんか?
この取り組みの運営次第で、「必ずメンバーのスキルベースアップに繋がる。そして、いつか振り返った時に、組織の財産・優位性になっている」と信じ、これからも運営していきます!
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Finatextグループでは、一緒に働く方々を大募集中です!今回取り上げたように、知的好奇心旺盛で、自らのアップデートにお熱なメンバーがお待ちしております。興味のある方は以下のリンクから是非!