
The UCSN -2nd season- 07 最終回
ついに2ndアルバムをリリースしたUCSN。
自分たちではかなり良いものができたと思っていたのですが、セールス自体は1stの3分の1程度。それでも今からするとバカ売れです。
しかし当時は結構ショックでした。
そして評判もあまり芳しくない感じでした。
「変わっちゃった」
「求めていたのとは違う」
「踊れない」
「ボーカルの声が高くてうるさい」などなど。
それでも、やってる方は結構楽しんでいました。
ただライブが結構しんどかった。
確かに盛り上がり難い曲が多いし、ライブではポップな曲はほとんどやってなかった。ひたすら速くて激しい曲ばっかりを選んでプレイ。
西荻界隈の対バンの時は盛り上がるけど、それ以外では総スカン。
明らかにお客さんが引いてるのがわかる。
「なんでこの格好良さが伝わらないんだ・・・」と思っていました。
多分ダークサイドに寄りすぎたんですね、今ならわかる。
でも当時は本当に自分たちがカッコイイと思うものを追求したくてやり続けました。
結果、嘘みたいにお客さんが離れて行き、あれだけ寄って来てたイベンターだとかバンドマンたちも見る影もありません。
完全に終わったバンド扱い。
バンドブームも西荻系ブームも落ち着き始め、売れているバンドと売れていないバンドの境界線がハッキリ見えるようになった来た。
それでも根拠のない自信と意地があったので続けているという状況。
そして、やっていて楽しかったというのが一番の理由でした。
バンド的には本当に暗黒時代という感じだった2004年~2006年あたり。
確か2005年辺りは仙台の『辻斬』というバンドがよく呼んでくれて仙台に行っていた。と言っても2~3回だったと思うけど。
この時期、滅多に遠征なんて呼ばれなかったから嬉しくて嬉しくてありがたかった。
事件は仙台からの帰りに起きた。
仙台からみんな一緒に車で帰り、新宿駅で解散がパターンだった。
当然楽器やらの荷物で車は満パン。たまの遠征で嬉しくなってそれぞれお土産もどっさり買い込んでいた。車の後部に荷物が詰まっている。
新宿駅についてみんな「おつかれー」と車を降りる。
ベースのアライ君がバックドアを開ける・・・。
ドサドサドサーッ。お土産が雪崩を起こす。
「おい!信じらんねぇ!何してんだよ!」とキレる某メンバー。
この一件のせいかはわからないが、ちょっとメンバー間がギスギスする。
本当に「こんなことで?」というようなことで人間関係というのは微妙にバランスを崩すものなのだ。
楽しいけれど結果が出ないイライラみたいなものもあったのかも知れない。
みんな少しずつ歳を取り、大半のメンバーが就職するかどうするかというタイミング。
バンドだけで食べていくのはとうに諦めた。
それでもどこかでバンドマンの夢みたいな甘い幻想を抱いていたのかも知れない。
「オレたちもう終わっちゃったのかな?」
「バーカ、まだ始まってもいねぇよ」
なんて言ってくれる人もいない。
残酷に時だけが過ぎていく。バンドを辞める仲間もチラホラ、いやたくさん。
あんなにたくさんいた仲間たちも徐々に減っていった。
人生を賭けてやるようなもんじゃない。
それが正解なのかも知れない。
バカなヤツらだけが残った。そんな感じ。
明日が見えない状況で、誰がバンドを離れてもおかしくない。
そんな折、西荻ワッツが閉店するとのニュースが飛び込んでくる。
最終営業は2005年11月30日。
我々の青春の場所がなくなる・・・。そんなバカなことがと思ったけど、揺るぎない現実だった。
UCSNはワッツ閉店まで出演する予定がなかった。
しかし「ユーキャンが最後にワッツでやらないのはダメだ!」とA PAGE OF PUNKのツトム君がアペイジのイベントである”PUNK IS MY WAY OF LIFE#16”にねじ込んでくれた。
これはもうメチャクチャやるしかない!拗ねたり捻くれてる場合じゃない。
もうワッツでやるのは最後なんだ。本当に二度とあのステージに立てないんだ。
当時のレポがあったのでリンクを貼らせてもらう。
どなたか存じ上げないが他のものも素晴らしいレポなので是非一読してください。
ライブをやっていて泣きそうになったのは後にも先にもこの日だけ。
ライブ自体は友だちもいっぱいで凄く楽しかったけれど、ステージから見える風景とか、ふとした瞬間に涙が溢れそうになった。
大事な大事な場所だった。
ワッツがなければUCSNはなかった。
今でも時々思い出す。あの狭い階段を降りて行く時のことを。
そして、西荻ワッツでの青春の日々が幕を閉じた。
The UCSN -Second Season- 完
From AleJJandro Hiderowsky