見出し画像

U CAN'T SAY NO!を振り返ってみた件 Episode.Ⅳ

前回は無事1stアルバムの録音を終えたところまで書きました。
そしてついに迎える2000年。またしても事件発生!

『BACK TO THE 80's』の発売は2000年3月25日。
リリースを目前に控え、雑誌のインタビューやMV撮影、そしてライブもこなす忙しい日々。
そんな中、ドラムのヤスオが突然の脱退表明・・・。
なんでこんな大事な時に辞めるんだよ!ツアーとかもあるのに!と怒ることもなく、『ヤスオだからしゃーない』みたいな円満脱退。
ヤスオはその後、先に脱退した恭平とのバンド『メタル刑事』の活動に専念。対バンもしたりしていたので全然不仲とかではない。

さて、困った。ドラムがいないバンドなんてクリープのないコーヒーみたいなもの(昭和のヤツ)。何となく西荻界隈でやってくれそうなドラマーを物色。
『リリースあるし、ツアーも、オオバコのライブも決まってるよ』の業界臭い甘い言葉に乗ってきたROOT55のキシュウを捕獲。ヘルプという形でしばらく付き合ってくれることに。

そしてジェリーさんの自由なギターをもっと際立たせたいという事を理由にツインギターとしてダイちゃんを迎え入れた。
ダイちゃんも仕事の都合で本当に一瞬だけ手伝ってくれた形になっちゃったけど、weezerのリヴァース・クオモに似たナイス・ガイで、その後ぱったり連絡も取れなくなっちゃったけど元気にしてるかなぁ。

8人体制のU CAN'T SAY NO!を覚えている人は少ないと思う。実質これにアキちゃんを加えて9人。大所帯だ。
この頃のことを実はあまり覚えていなくて、忙しすぎたんだと思う。
なんかずっとただひたすらライブやってた感じ。
それと性格的に音楽業界とは合わないなぁと思いながらやってた。
媚び売れないし、打ち上げ出たくないし、ファンサービスとか恥ずかしいし、バイトしないと生活できないし・・・。
『メジャー行きたい!』みたいな願望があったメンバーもいたけど、正直実力的にも無理だと思ったし、そんなに甘い世界じゃないのはわかっていた。
だからその辺は割り切って『今を思いきり楽しもう!』の精神だった。

2000年4月17日に念願の新宿ロフトでレコ発。
当時DO THE SKA!!経由で繋げてもらったLOFTの荒木さんにメチャクチャお世話になった。
月曜日だけど最低200人くらいは入れることを条件にロフトでレコ発をやることになった。
ゲストバンドのこととかで色々相談し、なんとか条件はクリアできそうな空気になった。今と違って前売りで紙のチケットが発券されるので、現時点で何枚売れているかがわかる。発売から着実に数字は伸びた。
メンツ的にはやっぱり西荻の仲間しか出て欲しくなかった。集客の為に仲良くもないバンドをレコ発に呼ぶようなことも散々見てきたから余計に。

憧れの存在であるCHANIWA。西荻三羽烏のCOQUETTISH、DASHBOARD。キシュウの本業ROOT55は直前にオープニング・アクトとして決まった。
そして飛ぶ鳥を落とす勢いだったGOING STEADYはシークレットでの出演だった。
だって発表しちゃったらゴイステのお客さんしか来なくなっちゃうから!
UCSNのレコ発なんだからUCSNが主役であるべき。
とまぁカッコ良いこと言ったけど、実際はゴイステの渋谷クアトロでのワンマンだかが近々であって、レーベルから「シークレットにしてください」と言われたんだけどね。

「ヤスオでレコーディングしたんだからヤスオが叩かないのはお客さんに失礼!」とヤスオに説教をして、レコ発だけ復帰。
サポートのキシュウはピカチュウの被り物をしてステージ袖で目立とう精神を発揮。
アルバム収録の全20曲を披露。完全にやりきりました。
実はこの日のライブをDVビデオで完全収録しているのだが、再生する機器がないので押し入れで眠っています。
結果的に450人の集客があって万々歳!大成功でした。

ちなみにこの日の楽屋で盛り上がって伝説のオムニバスアルバム『BUMMED BROS』に繋がります。

打ち上げも朝まで壮絶でした。
CHANIWAのCxOxZやDASHBOARDのAxSxAの繋がりで遊びに来ていたマイナーリーグの匠くんとちゃんと話したのもこの日だったと思う。
まぁ話というか界隈の伝説的人物谷〇さんをからかって逃げるという遊びを延々と朝までループしていただけですが。

流れが完全に来ている。イケイケなUCSNはメンバー脱退もものともせず、快進撃は続くのでした。

ちなみにアー写的な写真にはメンバーじゃない人も写ってます。イケメンがいた方がいいだろうと、当時スタッフ的なことをやってくれてたヒロくんが写っています。ヒロくんも元気かなぁ?

ということで、つづく。

From AleJJandro Hiderowsky

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?