室井慎次は踊らない 『敗れざる者』『生き続ける者』の感想(ネタバレ・追記あり)
【注意】完全ネタバレありなので
鑑賞後に読んでください
ネタバレ気にしない方は
いつでもどうぞ!
映画『室井慎次 生き続ける者』の先行上映を初日・初回で観てきました。
客層はガチの踊るファンと思われる40~50代が中心。5割強の入り。
まずは前編『敗れざる者』のあらすじ。
警察を辞め、故郷の秋田で穏やかな日々を過ごしていた室井慎次。だが彼は、史上最悪の猟奇殺人犯と呼ばれた日向真奈美の娘・日向杏の来訪をきっかけに、思いもよらぬ事件に巻き込まれていく。
感想としては『踊る』っぽさを若干残しつつも主題はヒューマンドラマ。
回想シーンで過去作の名シーンが流れたり、新城(筧利夫)や緒方(甲本雅裕)などが登場。ファンとしてはそれだけで胸が熱くなる。
ストーリーとしては室井さんが事件関係者の二人の子供を引き取り疑似家族を形成している様が味付け濃いめの演出で描かれていく。
そこに謎の少女(後に踊るファンならご存知あの日向真奈美の娘と判明)が現れ、穏やかな日々が少しずつ崩れていく。
しかし脚本が・・・。伏線なのかギャグなのか、考えた上か思いつきか。
粗を探せばキリがないというか粗しかない。
ツッコミはじめたら止まらないような雑さなので、もうそこは目を瞑ろう。
そして基本はあらすじ以上のことが起きない。
なので、後編への期待値は嫌でも高まる。
単発の映画としたら0点。でも踊るファンからしたら期待しかないのだ。
後編となる『生き続ける者』の先行上映が発表された。
撮影現場の様子なども公開され、柳葉さんの熱いメッセージで涙腺が緩む。
これは最速で観なくては!
しかし、その前にちゃんと予習をしよう。
テレビドラマシリーズ、スペシャルドラマ、映画2作と『容疑者室井慎次』を再鑑賞。
そうか、室井さんってこんなキャラだったな。過去に恋人を亡くしていたんだな。その初恋を引きずって結局今も独り身なのか・・・など。
人間『室井慎次』と向き合って挑む『生き続ける者』。
亀山千広プロデューサーの「柳葉さんを室井から解放してあげたい」というインタビューでの発言から、「あぁ、室井さん死ぬのか」と結末をバラされたような残念な気持ちになった。(前編から伏線はありましたけど)
若干の不安を抱えつつ鑑賞。
前編以上に『踊らない』室井慎次。
あれ?『北の国から』を観に来たんだっけと途中で何度も思う。
壮大な音楽と美しい景色。中身は薄いけど味付けだけは濃い演出。
完全にヒューマンドラマ。
都合よく解決する事件。都合よく心変わりする人たち。
伏線と思っていたことが別になんでもなく、時間だけが過ぎていく。
これ、どこで終わるの?
そう思っていたらようやく山場が。
預かっていた子供の父親が凶悪犯で子供を奪い返しにやってくる。
なるほど、この父親ももしかして日向真奈美信者では・・・ないんかーい!
日向真奈美の娘・日向杏の父親・・・でもないんかーい!
ただのDVオヤジでした。なにそれ!?
そして何故か室井さんが飼っていた犬を外に逃がす犯人。
一悶着あって警官が犯人確保。あれ?室井さん死なないのか?
犬を探しに行く杏。止める室井さん。「オレが行く」。
外は猛吹雪。ま、まさか・・・。そんな・・・文字通り犬死にじゃ?
えーっと、この映画の主題は家族を守るって話じゃなかった?
約束を果たせなかった男が、その償いとして新しい約束を果たす話じゃ?
猛吹雪の中、犬を探しに行って死んじゃうって、どうやってこれで泣けと!?
しかし!劇場は啜り泣きの渦!嘘でしょ!
なんでこの雑な話で泣けるの~?!
複雑な心境の中、エンドロールで家族仲良く楽しそうに暮らしているシーンが流れる。これは流石にジーンとくる。
そして、映画は終わった・・・。
何か聞こえるよ?ドラムロール!?
まさか・・・あの曲だ!?
え!!!!あのモッズコートの後ろ姿。
はい号泣!
いや、まだ確定じゃない。もしかしたら桜(松下洸平)が青島の後を継ぐという結末もあるかも?
振り向く男。
あおしまぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!号泣。
もうね、前後編4時間。この瞬間の為の壮絶な前振りですよ。
室井さん吹っ飛んじゃった。
ということで、踊るシリーズ to be continued…です!
でももういい加減、君塚良一脚本はやめて欲しい。
それこそ『ラストマイル』等の野木亜紀子さんにお願いしてはどうだろうか。
青島(=『踊る』)の変な死に様(広義で)は観たくないですよ。
お願いしますよ、織田裕二さん!
追記:こちらfilmaholic(@coffee3282)さんのポストなんですが、これを読むとラストカットの印象がガラッと変わります!
やはり亀山Pや君塚さん発ではない。青島、織田裕二の心意気!これが『踊る』のファンの心を揺さぶるんです。
この話が広がるといいなぁ。
From AleJJandoro Hiderowsky