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【快報か悲報か】スプラッター映画の始祖『血の祝祭日』がアマプラで見られるなんてどうかしている
ホラー映画はお好きでしょうか?
私は世代的にはホラー、オカルト、モンド映画ブーム真っ只中で育ったので、好物の方に入ります。
ホラー映画と一口に言ってもジャンルは細分化しており、もはやホラーという括りだけではどんな作品か判断するのが困難となっています。
そんな中でも本作は、1963年に公開されたスプラッター映画の始祖と言われている作品で、ホラー映画ファンからはカルト的な支持を得ている作品です。
そもそもスプラッターって何?
私の中では血がブッシャーって出るのがスラッシャー。
殺人の際の人体破壊などをグロく映し出すのがゴア。
その要素を含む全体の大枠とした括りがスプラッターという雑な概念です。
※あくまで私見、感覚的な分類ですなので、マニアの方は怒らないでください。
本作は若い女性ばかりを狙う連続殺人鬼とそれを追う刑事という定番の構図。犯人は冒頭から顔出しで登場するのでサスペンス要素はありません。
犯人がなぜ残忍な犯行を続けるのか。その理由に迫っていくのがメインの話となります。
正直に言えば、話自体はたいして面白くないし、いろいろ雑なところはあります。俳優の演技に関してもかなりバラツキがあり、観ていて少々シンドイところもあります。
これは低予算で制作されたので仕方ない部分。しかし、ホラー映画は低予算でもアイデア次第で大ヒットを生み、そこからスター監督に駆け上がることも少なくないので侮れません。
有名どころでは『シェイプ・オブ・ウォーター』でアカデミー賞作品賞に輝いたギレルモ・デル・トロ監督や、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのピーター・ジャクソン監督もホラー映画出身ですし、今ではすっかり巨匠のリドリー・スコット監督の最初の大ヒットが『エイリアン』でした。
面白いホラー映画を作れる監督は、どんなジャンルでも面白いものを作れるんです。
本作は24,500ドルの予算で400万ドルを稼いだんだとか。
では、本作の見所はというと・・・やっぱりゴア描写になってしまいます。
とにかく血の量が多いのと、どこの部位だかはわからないけれど何となく内蔵や脳ミソっぽいものをいちいち大写しにします。
犯人はケータリングサービスを経営する料理人でもあるので、その内蔵やらを寸胴で煮込んだり、脚をオーブンで焼いてみたりと、悪趣味極まりない映像がふんだんに盛り込まれています。
ジャンルが確立されてから段々過激になるのならわかるんですが、最初からこのレベルでやってるのは正直スゴイし理解ができません。
監督であるハーシェル・ゴードン・ルイスは元々エロ映画の監督で、エロ映画市場が衰退してきた時に本作を制作しドライブインシアターでの需要で成功を収めたそうです。ビジネスに長けていた監督ということでしょう。
しかしまぁ、こんな映画が配信でサクッと観ることができるなんて、良い時代なんだか悪い時代なんだか。
マニアが血眼になってビデオテープやDVDを探し出し、大枚叩いてやっと手に入れて観ることができる。その感動こそがこういったカルト映画の本質だと思っているんですが、リモコンやスマホを使い、指先ひとつでお手軽に観ることができて「大した映画じゃなかった」という幻想ぶち壊しな評がたくさん上がってしまうのは少し哀しい気持ちになります。
とはいえ、文明の利器には勝てません。恩恵は甘んじて受け入れましょう。
ゴア描写以外にも音楽の使い方がなかなか良かったり、後のホラー映画に当てた影響は確実に感じ取ることができます。
刑事がかなり適当で、死体放置してすぐどっかへ行ったりするので、居合わせた人たちが頭を抱えてたりで、ギャグなのかと思う部分もあるキュートな映画でもあります。
ラストに『3』という数字が意味ありげに写されるのですが、これに考察心をくすぐられた方は是非『3』について調べてみてください。
もしかしたらこの映画、ちゃんと考えて作られているかも・・・。
From AleJJandro Hiderowsky