本を出版しました
この度、『いい加減な日本語』というタイトルで、凡人社より一般の方向けの日本語学の本を出版しました。書店でも売っているようですので、ぜひご一読ください。
主に扱っているのは次のような問題です。
(1)ノダ
a. 先生、はんこ押してくださらないんですか?
b.この服のMサイズあります?ーすみません。ないです。
★a.では「ん」があることによって失礼に響くのに、b.では「ん」がないことによって失礼に響く。a.では「押してくださらないですか」、b.では「ないんです」の方が丁寧。となるのは、なぜか?
(2)フィラー
「えー、まー、あのー、そのー」などをフィラーというが、この、まったくもって意味がなさそうな要素を、我々はどうして多用するのか?
★ちなみに、「次に話すことばを探しているからだ」というのが答えだとしたら、別にこんなにいっぱい種類はいらないし、もっと他のことばでもよさそうです。「うぎゃ~」とか「にゃーん」とか。
(3)指示詞
「そうだ 京都行こう」の「そう」は何を指しているか。
★この「そう」に傍線を引いて、「この「そう」が指すものを50字以内で述べよ」という入試問題を作ってみたい。
(4)若者のことば
a.明日の卒論提出って、製本する感じ?
b.普通製本するくね?
★「感じ」とか「くね(=くない)」ってなんだよ。正しく喋れよ。という批判は、日本語学的にどうなのか?
「いい加減な」というのが何を言わんとしているかは是非本文でご確認ください。
アルクさんからインタビューをしていただきました。
NJ:日本語ジャーナル「日本語は「いい加減?」」
本は「わたしたちのことばを考える」シリーズの3巻として出ています。
1巻は定延利之氏の『煩悩の日本語』
https://honto.jp/netstore/pd-book_28198650.html
2巻は清水崇文氏の『雑談の正体』
どちらも名著です。3巻セットで本棚に置いていただけると嬉しいです。
個人的にはこの著名なお二方と同じシリーズを執筆することができて光栄で、ボキャ貧ですが、「嬉しい」としか言えません。
企画してから思いっきり時間がかかりました。凡人社の渡辺さんと大橋さんにはめちゃめちゃ待っていただきました。ありがとうございました。
本日は宣伝のみなのだ。