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マンションを選ぶ話

友人がマンションを選ぼうとしている。
場所は、某鉄道の幹線の、快速と各駅停車が止まる駅の周辺。

昨今のマンション価格はすんごい高騰している。
7~8年前に、街の中心地で売っていたマンションの価格と同じ価格で、某鉄道の幹線の、快速と各駅停車が止まる駅の周辺の価格になっている。

万博もあるし、いまはマンションバブルやから、もうちょっと待ってたら価格も下がるよ。

などという向きもあるけれど、個人的にはそうは思えない。
バナナの値段が、いまは200円から300円前後という価格帯になったけれど、これが値崩れして、元の価格まで下がることはもうないと思う。

待てば待つほど価格は上がる。

マンションを購入するという人には、同じことをひたすら言い続けているのだけれど、

「買いたいと思ったときが買い時」なのだ。

たとえ将来そのマンションの価格が急落したとしても。

マンションを購入することを検討し始めると、

1.場所を選ぶ
2.物件を選ぶ
3.部屋を選ぶ

という順に、絞り込んでいく。
(と、これを書いているこの瞬間に、3.を決めて申込書を提出したらしい。おめでとう!)
購入の大前提として考えるべきことは、「売れるか?」ということである。
そこが終の棲家、とか考えてはいけない。様々な事情で、引っ越したくなったり、引っ越さざるを得なくなったときに、そのマンションの販売価格を元手にして次に移動することを、購入の段階で考えておくべきである。

以下、関西圏の話だと思って読んでください。

1.場所を選ぶ
とにかく都心に近い方がいい。関西で言うなら、「都心」とは

梅田、なんば、三宮、京都

のことである(断言)。
「近い」とは、まあ、30分以内、乗り換えなし、が理想。したがって、京阪神の市内、あるいはそれ以外なら、私鉄の特急か、JRの新快速が止まる駅は大人気。高槻市、西宮市が大人気なのはこの理由に加えて、2都心に近いというのがある。高槻市なら京都と梅田、西宮市なら神戸と梅田。その分、めちゃ高い。

1つの都心に近いのは、それはそれで良い条件だけれど、2つに近い方が高いのは当然の理である。大津市とかは、それで少し安くなるか。ちなみに、大津駅から京都駅は10分、大阪駅は40分。いけるがな。

友人が選んだ街は、このうちの2つの都心に30分以内という条件をクリアしている。当該のマンションはすでにかなり埋まっていて、この週末にも多くの客があり、契約があったそうだ。

2.物件を選ぶ
エリアが決まれば次は物件を選ぶ。同時に複数のマンションが同じエリアに建設中というのはよくある話であって、今回も大きく3つの候補があった。

一つはすでに竣工済みだけれど、まだちょっとずつ分譲している物件A。もう一つは、同じブランドの物件だけれど、まだ建築中のものB。3つめは、駅から少し離れるが別のブランドの物件C。

中身は、どちらもかなりゴージャスというか、瀟洒に作ってあって、どちらも住み心地は良さそう。ちなみに価格は、CがABより無視できないくらい安い。

駅からの距離は(改札出てから、エントランスまで)、
AB:徒歩2分
C:徒歩7分

ABは、駅からの道をブランドが整備しており、駅前にはブランドが誘致したスーパー、病院などがある。Cは昔ながらの街を抜けて行く。
夜歩いてみたところ、ABは街灯がついており、しかも2分ほどでエントランスに到着するので安心。Cは、昔ながらの道ということで、狭い割に交通量が多く、歩道が整備されているわけでもない。さらに、暗い。

AとBは同じエントランスを共有しているが、BはAに一度入って、また出て、AとBの間にある駐車場を抜けて再びBに入ることになる。ので、実質AとBとの差はプラス1.5分くらいか。

そして、BはなぜかAより割高な値段設定になっている。同じ間取りで200万くらいは高い。
「なぜか」と書いたけれど、理由は単純で、とにかく新しくなればなるほど高いのだ。資材、人件費の高騰、人材の確保など、様々な「不足」がこの原因になっているとのこと。Cの担当者に聞いたところ、今年の価格と来年売り出し予定の部屋の価格との差額は、同じ間取りで200万とのこと。
この傾向はしばらく、またはずっと続くと思われる。

見晴らしは、Aの目の前にBが建っているので、Aの住人は真っ正面にはBを見ることになる。Aの目の前は、同じブランドが開発している戸建ての家と学校があるので、見晴らしは抜けている。

一方、玄関側は、Aの方が眺望が良く、上の階からは遠く都心がかすんで見える。Bは、玄関を出るとAが見える。

さて、だいたい3つの物件の状況を書いてみた。みなさんならどの物件を選ぶだろうか?

もちろん、価値観は様々なのでどの物件にも需要があると思う。が、私なら180%、物件Aを選ぶ。理由は、

駅から近いから。

この一点に尽きる。
見晴らしが悪くなるが、窓からは光が差し込めばそれでよい。目の前に隣のマンションがピタピタに建っているとかを除いて、窓から次の障害物までの距離がそれなりに確保されていて、その空間が将来も空間として残ることが担保されているなら、それで十分だと思う。なぜなら、

住み始めると、外はあまり見ないから

なのだ。タワマンの高層階には憧れはするものの、いざ住んでみると、きっとそこから見える絶景も、一日中カーテン閉めきっていたりして、見ないのではないかと思う。

距離は一歩でも駅に近い方がいい。数秒の違いは、毎日のことになるとボディブロウのようにきいてくる。AとBに関して言えば、ゴミ置き場がA側にだけあって、ゴミを捨てに行くにもBは余計な移動時間がかかることになる。日当たりと、距離から考えれば、Aの少し上の階(あまり高いと、1階に降りるのに時間がかかる。また、災害時も大変)あたりがよいのではないかと思う。

3.部屋を選ぶ
物件が決まれば部屋を選ぶ。
これもけっこういろいろ悩みどころが満載である。

まず、モデルルームを見て、すてきーとなるのは分かるけれど、モデルルームは盛りに盛りまくってあって、ほとんど参考にならない。ので、建ち上がっている物件を見学することができないなら、図面を見て、導線を確認して、生活のしやすさを想像するほかない。

概して、無駄になるスペースが少なければ少ないほど使いやすい。
寝室は広い方がいいか、あるいは寝るだけなのでベッドが置ければ十分か。
最近のマンションにはウォークインクローゼットやシューズインクローゼットがついているが、自分の荷物は収納に収まりきるか、収納はどれくらいほしいか。メインの窓全面をリビングダイニングにしているタイプと、半分はリビングダイニング、半分は部屋にしているタイプがあるが、どちらが好みか。

などなど、考えることは山ほどある。

設備については、トイレはタンクレスか、床暖房はどこについているか、浄水器はついているか、食洗機、ディスポーザーは? カーテンボックスは? 鍵のシステムは? などがチェックポイントか。最近のマンションは、鍵をポケットに入れたままボタン一つでドアが開くようになっていて、かなり便利。うちも鍵をあのスタイルに変更できないかしら。

あと、角部屋は、角部屋だというだけで値段が上がる。窓が2つ以上の面に付くこともさることながら、玄関前の廊下は、自分たち以外に使用しないので、プライバシー性が高いということもあるだろう。

というわけで、様々な部屋を一緒に検討してきた。
結果、友人は、おそらく最善の選択であろうと思われる物件の申し込みをした。

これで終わりかと思いきや、次は家具選び。
お金の準備、いろいろとやるべきことはあるのだ。

追記 
ABは、未開の土地に建っているので、いきおい、新しい人しか住まない。
中心は若い子育て世代になる。さながら、一昔前のニュータウンの様相を呈することになる。この点については僕個人はあまり好みの環境ではない。街というのは、老若男女がほどよいバランスで存在する多様性を持つべきだと思う。








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