松村圭一郎著『くらしのアナキズム』
読んでみた。
同僚の本を読むというのは、なかなかエキサイティングな経験ではある。
けれど、あまり読まない。読む時間がないというのが正直なところ。
先日他界された松木武彦さんの本は、なぜかいくつか読んでいた。考古学に認知科学の手法を取り入れたおもしろい研究者だった。RIP.
ベストエッセイ「タレと塩」もよかった。
閑話休題
アナキズムというのは、一般的には無政府主義と訳される。
しかし本書はそのような過激な主張を煽動するものではない。
我々が生きていくうえで、政府や権力に頼ることなく生きていくには、どんなあり方が考えられるか、みたいなことを、松村氏のエチオピアでのフィールドワークと、文化人類学で言われていることを有機的につなぎ合わせて論じた一冊である。
政府が言う「自助」とはまた違う。
リーダーとはどのような人か? どのように振る舞うべきか、民主主義における話し合いとは? 多数決とは?
みたいなことが特に印象に残っているだろうか。
松村氏のご著書はたくさんあるので、これから少しずつ手に取ってみたいと思っている。
雑な感想。