時間遺伝子
ホルモン分泌は24時間周期
→コルチゾールは明け方に、メラトニンは夜間に分泌
哺乳類の時間遺伝子は7種類
時間遺伝子には、周期を意味するperiodの3文字をとってper-という名前が付けられる。
ヒトの遺伝子はすべて大文字で表す
遺伝子は生命の設計図=遺伝子はタンパク質の設計図
DNAからMRNAが作られ、タンパク質が作られるまでの一連の流れを「発現」
①時間遺伝子が時間タンパクから作られる
②時間タンパクが増えるとブレーキがかかる
③時間タンパクが減る
④①に戻る
時間中枢は脳の視交叉上核にある。
自律神経系が全身の臓器に時間情報を送る。
視交叉上核から時間情報を副腎に伝えるルート
①視交叉上核は、眼から入ってくる光によって24時間リズムをリセットする
②副腎だけが、視交叉上核からの時間情報を直接受け取ることでPer1遺伝子がコントロールされている
③そのルートは交感神経系
時間情報の送信ルート
①眼に入ってきた光を脳内の視交叉上核で受け取る
②視交叉上核では、生体リズムの時計中枢となるリズムを作る
③交感神経を介して副腎に伝わり、副腎皮質から糖質コルチコイドが分泌される
④全身の細胞にある糖質コルチコイドの受容体が糖質コルチコイドを認識し、細胞が一日の始まりを認識する
→目が覚めるとは、交感神経系や糖質コルチコイドにより臓器や細胞レベルが活性化されたこと
細胞分裂も24時間周期
視覚を担う視神経は、光を電気信号に変換し、網膜の中の双極細胞を介して、神経節細胞に信号が最終的に集まる。神経節細胞は多くの光受容体細胞からの信号を統合し、その信号を脳に伝えるため、グルタミン酸を神経伝達物質として放出する。この信号は最終的に大脳皮質の視覚野に送られ、信号を処理し、外の世界の様子を画像として再構築する。
一方、非視覚の光情報は、この経路ではなく、メラノプシンが受取る。
メラノプシンは脳に直接投影する神経節細胞の一部に存在し、生体リズムの時計中枢である視交叉上核などの、視覚と関係ない脳幹領域に光情報を送る。
メラノプシンの吸収極大波長はブルーライトの波長に含まれる。
ブルーライトはPer1遺伝子を活性化する。
東回りのほうが時差ぼけがひどいのは、時間の経過には方向があるから
→未来に時間を進める東回りと、過去に戻す西回りで、時間細胞にかかる時間圧力が異なる。
パソプレッシン、メラトニンは時差ぼけを和らげる
→メラトニン受容体作動薬
→経口バソプレシンV2-受容体拮抗剤「サムスカ」
→V1a, V1b拮抗剤
朝寝坊の仕組み
①RGS16タンパク質はcAMPの量を上げる
②細胞内のcAMP存在量には、朝が最も高い24時間周期があり、Per1遺伝子を活性化させる。
③RGS16遺伝子(目覚まし遺伝子)がないと、cAMPの存在量の24時間リズムがなくなる。
④背内側の視交叉上核の細胞でPer1遺伝子が活性化する時間が送れる。
⑤Per1ノックアウトマウスでは起きる時間が遅くなる。