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逃げ道(#143)

私には「逃げ道」がある。

私は特別な人間ではない。私が考えていること・私がしていること。この地球上に誰か必ず一人は、同じ時に・同じように考えて・同じように行動している。私はそれを100%信じている。そして、そのことをいちいち思い描く。

例えば、私がゴミを拾ったとする。すると、地球上の誰かも同じようにゴミを拾う。その瞬間に、私とその人は共同体を結ぶ。私が先に動き出すのか、私が半秒遅れて向こうの動きを追うのか、それはなかなか判断できない。揺れるろうそくの火とその影のように、私と相手の動きはわずかにズレつつ、わずかに前後する。そうやって拾ったゴミを片手に歩く。

私の手が壁にぶつかってゴミが落ちる。すると今度は、もう一人地球上のどこかで、同じように拾ったゴミを落とした人と私の共同体ができる。さっきの人はゴミを落とさなかったので、私とはさようなら。

そうやって、私は地球上の誰かといつも共同体を結んでいる。相手はどうか知らないが、少なくとも私は、この共同体を意識している。一緒に一つの行動をしている自覚がある。

ゴミを捨てる人よりゴミを拾う人と共同体を結びたい。きっとその方が気分が楽に生きられるような気がする。

私は自分で自分の行動を「選び」取っているけど、それは私だけの「選び」ではない、というのが私の「逃げ道」。行動の責任をいつも誰かとシェアしているから。

ローリー・アンダーソンの「オー! スーパーマン」(1983年)を久しぶり聴いた。聴きながら頭に浮かんだことを今日は書いたよ。

あなたにとっての逃げ道はどんな道?タンポポ生えてるかな?あなたの想像力が私の武器。今日も読んでくれてありがとう。


えんぴつ画・MUJI B5 ノートブック

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