雪の一枚 5
冷えるねぇ~・・・。
まあ、冬の朝だから、当たり前か。
そう思いながら、暖かい布団を出て、カーテンを開ける。まだ外は暗い。
ポットに水を入れて、お湯を沸かす。お湯が沸くまでの間、歯磨きしながら、洗濯機のスイッチを入れる。昨日の夕食に使った食器を食器乾燥機から取り出す。だいたいこの辺りでお湯が沸く。
お湯をそのまま湯呑へ注いで、白湯として飲む。寒い朝の冷えた身体に染みわたるね。いいね。っていうか、この習慣は、もう何十年も続いている。なんか朝から白湯を飲んだら身体にいいらしいよ、ということを聞いて、それからずっと続いている。
さて、今日の朝ごはんは・・・。
ふっくら白ご飯、梅干し付き。昨日の夕食で余った野菜たっぷり春雨スープ。白菜の漬け物に、トースターで焼いた子持ちししゃも。
たまにパンの時もあるけれど、朝は、ほぼほぼお米をいただく。
「おはよう~」
旦那が起きてきた。旦那は朝ごはん食べない派である。朝ごはん食べないで、よく昼まで身体がもつなあ~と毎朝思う。今朝もそう思いながら、ふと旦那の格好に目がいった。
「え?出かけると?」
「うん。いい加減髪の毛を切りたいし」
「そだね。っていうか、何時に行くとね?」
「今から、さっと行ってくるよ」
「今から?早すぎん?」
「だって、朝一番に行かんと、お店が混むし」
「ふーん・・・。いってらっしゃ~い」
ピーッ、ピーッ、ピーッ!
洗濯機が洗濯終わったよ~、と言っている。お疲れさま。いつも汚れを落として服をキレイにしてくれてありがとう!感謝してるよ、マジで!
さ、朝ごはんを急いで食べて、食器を洗って、洗濯干そうっと。
洗濯、洗濯・・・ん?んん?洗濯物に何か付いている。なんだろ、これ?これ、これ・・・これは、ティッシュだ!ええぇ~、やっちまったよ~!!
慌てて洗濯機の中から洗濯物を取り出して、パタパタさせながら、原因を探す。どこだ?どこのどいつだ?洗濯物にこんな仕業をしたのは!?
あった!旦那のズボンのポケットにくしゃくしゃになったポケットティッシュのなれの果てが。てめえの仕業か!旦那どこ行った?あ・・・朝一番で髪切りに行くって言ってさっき出て行ったっけ。あの野郎~!逃げやがったなあ~!!
撮った!
洗濯物を放ったらかして、外へ出た。うわっ!めっちゃ雪積もってるし・・・。いやいや、そんなこと言ってる場合じゃない。犯人はどこへ行った?まだそんなに遠くには行ってないはず。
犯人を追いかけるが、なにせこの雪道なので、スピードが・・・。数分してやっと犯人の後姿を捉えた時には、もう息が上がって、「待て~!」の一言も出ずに、遠くなる奴の後姿を見ながら、白い息を吐くだけだった。
いつも言いよろうが!前科があるっちゃけん、洗濯物を出す時は、ポケットの中を確認しんしゃい!って。誰が、・・・誰が、このティッシュまみれの洗濯物をキレイにすると思っとーとっ!?この大雪の寒かなか、誰がすると思っとーと!?
私の心の叫びは奴に届くはずもなく、旦那は理容室に向けてまっしぐら。振り返ることもなく。ああ、こんな私の気も知らず、ただただ雪道に足跡だけが刻まれていくだけだった。
あーとでぇ~、おぼえときぃよぉ~!!!
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しめじさんの「写真から創る」という企画に、やっとこさ、参戦しました。
しめじさん!よろしくお願いします!(^^)