ランチの一枚 1
今日も朝が来た。
このご時世の中、朝が来るのが当たり前と言えば当たり前のことなのだが、当たり前が当たり前でないことの方が今は多い。どうこうは言わないが、今はじっと辛抱の時である。
とりあえず、朝ごはんを食べて、片づけて、もろもろの家事を進める。進めながら、今日のお昼ご飯は何にしよう?と考える。・・・考える、考える。家にひきこもっているので、家にある食材をやりくりしている。
冷蔵庫を開けてみた。ありゃ、卵がない。野菜も少ない。うーん・・・買い物に行くしかないな。万全の体勢で買い物に行くしかない。よし、買い物に行くぞ。
駐車場多いな。
最寄りのスーパーへやってきた。田舎の農協主催のスーパーなのだが、緊急事態宣言前後ぐらいから、他地方いや、都会や県外ナンバーの車を見かけることが増えた。平日の朝、開店間もないのに・・・。
何もこんな時にこんなところまで・・・と思うのだが、近所の人いわく。こちらの方が空気もいいし、テレビで数日前に学校給食がなくなったので、野菜の行き場に困っているというのが流れていたと。それがこの辺りだったと。おまけにまだウイルスの魔の手が来ていない地域というのもあるらしい。
ふむ・・・思うところは山ほどある。あるんだけど、じゃあ自分がめっちゃ感染拡大している地域に住んでいて、近くのスーパーが密で、となったらどうしてただろうか?気持ちは分かるけど、今はちょっとやっぱり・・・と思ってしまう。・・・難しい。
ウイルスめ!
そう。すべてはこの一言に尽きる。友達と電話で話しても、メールで語っても結局はこの言葉にたどり着くのである。敵が見えないというのは厄介である。一般人でこれぐらい見えない敵に神経を使うのだから、医療従事者はじめ外で動かざるを得ない方々はもっと大変だ。頭があがらないと同時に感謝の念しかない。本当にありがとうございます。
買い物も済んだ。レジにもビニールが張ってあった。みんな命がけだ。そして買い物をしている間に、ふつふつと沸いてきた思いがあった。今日のランチはテイクアウトで調達しようと。
「エール飯」今や全国各地で聞く言葉ではなかろうか。うちの近辺でもやっているので、今日はエール飯を食べよう。ひきこもっている間、ネットでいろいろ見ていた。そして知り合いの店もこの作戦に参加していることを把握していたので、早速お店の女将さんに連絡をとり、普段ランチで提供しているご飯をお持ち帰りした。
撮った!
数か月ぶりに食べるランチだ。この店で食べたのは確か昨年の秋ぐらいにさかのぼる。以前勤めていた職場の同僚で定年を機にお店を始めたと聞いて、機会を作って何度もおじゃましていた。
今日のランチのメインは鶏とたけのこの煮物である。魚の選択肢もあったが、肉が食べたかったので、肉を選んだ。煮物にしても、酢の物にしても、おかずはちょうどいい塩梅に味付けされている。おいしい!
そういえば、お弁当を受け取りに行った時に、女将さんが言っていた。ランチだけ営業していて、近所の人が食事に来るのだが、遠方から来る人もいて近所の人が不安がっていると。どこも難題を抱えているな・・・。
それでも見えない敵に立ち向かうしかない。