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病気の一枚 49

2023年6月の私です。

本編に入る前に・・・ここ最近、私のnoteへ来てくださっている皆さま&いつも読んでくださっている皆さまへ。いつもの皆さまにはいつもの記事ですが、最近来てくださっている皆さまには、ちょっとびっくりかも、と思うので、この前置きを書くようにしました。

私、この病気の事を、今は月1回で書いています。最初の頃は、まあ、自分の人生で、こんな経験することって、2度とないしな、と思って書いていました。でも時がたつにつれて、記事を読んでくださっている皆さまにコメントをいただくようになり、この病気に対して、病気を経験した人にも、現在進行形で治療をしている人にも、経験していない人にも、何か伝えられる、伝わる事があれば、と、少しずつ思うようになってきました。

特に大きな事は何も考えてなく、どなたかが言われた「ろうそくの灯」のように小さな小さな明かりを灯し続けていければ、と思っております。
私の定時連絡のようなモノだと思っていただければ、いいかなと思っております。


2019年夏、右胸のしこりに激痛がはしり、検査の結果、乳がん、悪性腫瘍と診断されて、11月に右胸全摘とガンが転移していた右脇下のリンパ節切除手術を受けた。そして12月から抗がん剤治療が始まり、翌年2020年5月にやっと抗がん剤治療が終わり、7月にポート抜去手術後、ホルモン療法(タモキシフェン)が始まった。

2020年9月から仕事復帰。ただし、右腕はリンパ節切除の影響で軽いリンパ浮腫を起こしていたが、少し症状は軽くなってきた。それでも、腕を休ませながらの勤務。仕事は本格的に復帰していたが、6月は別の症状で実質休職することになった。

2023年1月に再発。右肺の胸膜に遠隔転移判明。診断は『右肺の胸膜播種』。現時点でガンに対する自覚症状はない。べージニオ&フェソロデックスを用いて再発治療中。

最初のがん告知から、3年8ヶ月。
手術して、3年7ヶ月。
最初の抗がん剤治療が終わって、3年1ヶ月。
再告知&再発治療が始まって、5ヶ月。

もうね・・・居酒屋で愚痴ってるかのごとく、長いです・・・(笑)

肺炎じゃなかばってん、本当に喘息?

先月、おそらく朝晩の気温差から風邪をひいてしまい、鼻水は止まらない、咳はめちゃくちゃ痰が絡んでいる、ということで、内科では喘息、耳鼻科では副鼻腔炎、乳腺外科では上気道炎、という、3つの称号・・・いえ、診断をもらい、会社からも「少し休んだら?」と言われ、数週間の休職に突入したところで終わっていた。

実は先月、乳腺外科で診察を受けた時に、念のためレントゲンを撮りましょうという話になっていた。まさか肺炎とか肺に水がたまっているとか、そういうことはないとは思うけど、念のためね、と主治医の先生と話していたのだ。

レントゲンの結果は異常なしだった。先生も私もホッと胸をなでおろした。が、症状はあまり変わらず、仕事を休ませてもらっている分、少し身体は楽になってきたかなと思うぐらいで、結局原因も分からないまま、ひたすら内科と耳鼻科に通った。

撮った。

そう、原因が分からないままひたすら通院して、症状を訴えていたので、対処療法がずっと続いた結果、1日でこれだけの薬を飲むはめに・・・。
こんなに、人に薬を飲ませて大丈夫なん!?もう、これだけでお腹いっぱいになるっちゃけどくさ・・・これって人に飲ませる量じゃなくね?などと旦那にブツブツ言いながら飲んでいた。加えて、寝る前に粉末タイプの吸入器と点鼻薬。
もぉ、私はいったい何者なん!?

そう思っていたある日、耳鼻科の先生に、ぼそっと言われた。
「吸入器をした後に、ちゃんとうがいしよるね?」
してる、してます、しちょるよ。いや、ここで変な三段活用を完成させている場合じゃない。吸入器は今までも呼吸がつらかった時に処方されていたし、正しい用法用量を守って使っていた。

しかし、この一言を言われてから、うがいをコップ1杯から2杯に増やしてみた。でも、耳鼻科の先生からは「うがい、ちゃんとしよるね?」と何度も言われる。え!?なんで?なんで??

頭の中の「?」が溢れかえって、口から出てきそうな時に、耳鼻科の先生がカメラで喉の様子を見せてくれた。
「ほら、のどの蓋みたいなところに白い点があるとよ。見える?」
「はひ、ひへはふ(訳:はい、見えます)」
「あれが吸入薬。のどに残ってカビ化してしまっとるけん、呼吸しづらいとよ」
「はほぇーっ(訳:うえぇーっ!)」
「カンジダって聞いたことあるね?それが口の中にできとるとよ」
「ふぇっ!はひっふは!?(訳:げっ!マジっすか!?)」
「これをね、やっつけるシロップを出すから、しばらくそれ飲んでみて。それと吸入薬と点鼻薬は今日から中止ね」
「ひょうほはひへふぅ(訳:了解ですぅ・・・)」
という経緯で、今度はシロップを処方されることになった。

ところが、このシロップが私のありとあらゆる症状を劇的に改善させたのだ。呼吸がちゃんとできる。咳も止まってきた。そう、身体を治すはずの薬が毒になってしまっていたのだ。なぜそうなったのかは、はっきりしてないが、おそらくガンの薬の副作用で下痢で弱っているところに、吸入薬を投入したのが原因だったのではないかと。

そこから徐々に薬も減っていった。結局、この謎の症状は耳鼻科でほぼ治してもらった。耳鼻科の先生、ありがとう。

ちょっとお話しましょうか。

そう、私が謎の症状からほぼ解放されてから、会社に連絡を入れたら、総務の人とそんな話になった。喘息症状が出始める頃から、がんの治療薬ベージニオの副作用で、ひどい下痢が続いており、時には会社も遅刻早退したりしていたのだ。

久しぶりに会社へ行き、会議室で、社長や総務の人と話をした。
社長は、身内をがんで亡くしており、病気に対してはすごく気遣ってくださる方ではあった。そして、私の薬の副作用状態を見ていて、とても辛そうだと言われた。

そして、しばらく休んで身体を休ませた方がいい。少しずつでいいから、体調を整えた方がいいと言われた。それは、かかりつけの内科の先生にずっと言われて続けていた。喘息症状発症をきっかけに、私にドクターストップをかけた先生だ。乳腺外科の先生も、治療をしながら仕事をする人もいるけど、休めるなら休んでもいいんじゃない?と言われていた。

また休職。私としては本意ではなかったが、今回の喘息発症で考えが変わった。このタイミングでもう一度休むのもありかなと。

ここからの動きが早かった。あっという間の引継ぎ、休職に入るための取引先への挨拶、社内への事情説明。怒涛のように過ぎて行った。

またしても、足りない栄養素。

今月も乳腺外科は血液検査から始まった。
左腕の肘裏では、血管が見つけにくい状態になっていて、一度針を刺したものの、採血できず抜針。看護師さんが交代して腕を見てもらったが、結局、手の甲から採血することに・・・。

「こんにちは~」
「こんにちは!待ってたよ!」
いつもと変わらない明るさで主治医の先生が出迎えてくれた。
「先生、待ってたって言われるとちょっと怖いっす」
「まあまあ、座って座って」
先生が「待ってたよ」という時は、いい話か悪い話か、身体になんらかの変化があった時のセリフだ。

いつものように、椅子に座ってメモ帳を机に広げる。
「ちょっとヘモグロビンの数値が1ケタになってしまってて、貧血状態なのよね・・・」
「貧血?」
もともと血圧が低い方ではあったので、「貧血」という言葉は、そこまで深く刺さらなかったが、先生いわく。
「うーん、実はね、治療を始めてから、ヘモグロビンの数値が0.2ずつ減っていきよったとよ」
そういえば、鉄分が、とかいう話もちらりとしていたっけ。一度鉄分サプリの話をされたことがあったなあ。
「でも今回、とうとう1ケタになったから、鉄分サプリを出そうと思うんやけど・・・」
「鉄分サプリですか・・・」
「うん。あ、でも、休職するんだっけ?自力でやってみる?」
「いや、先生、サプリ出してください。そんなにレバーは毎日食べきらんです」
「レバーの他にも、ほうれん草とかあるでしょ」
「うーん・・・でも自信がないから、サプリください」
「うん、そしたらサプリ出しとくね。あ、便が黒くなるけど、気にしないでね」
ん?便が黒くなるとは??いや、この話はまたの機会にするとしよう。

さあ、今月も筋肉注射。

診察終わりに、また私の愚痴が始まった。
「先生、今から注射ですよね・・・?」
「そうやね」
「もう、今日針を4回も刺されることになるんやけど・・・」
「なんで4回なの?」
「採血で2回やられた・・・」
「あー・・・痛いねぇ・・・」
「ねぇ・・・」
「うーん・・・・・・ファイト!!!」
あ、また、にこやかに見送られてしまった。

ここ2ヶ月ほど、筋肉注射のフェソロデックスは、2分ぐらいかけて、ゆっくりと注射するのが標準となっているが、私の場合、2分だと注射している時や注射した後に足に激痛が走る。よって、倍の5分ぐらいかけて、薬を注入してもらっている。
注射部分のかゆみは後から出てくるものの、おかげで、注射中も注射後も足に痛みが出ることなく過ごすことができている。

またしばらく、自分のぼちぼちペースで、
ゆっくりゆったりのんびりします。


追伸:病気の一枚は連載モノです。よかったら48もご覧ください。


いちおう今までの分は私の病気マガジンにまとめています。
1から読むと、かなり長くなりますが、興味がある方はどうぞ(^^;)
えっと、13までは病気治療に専念しており、14あたりから徐々に社会復帰して、毎月の定時連絡になり、44から再発治療が始まります。


記事を書くための栄養源にします(^^;)