"ピーターパンのネバーランドアドベンチャー"に愛を込めて
ディズニーシーのファンタジースプリングスにできた新アトラクション、"ピーターパンのネバーランドアドベンチャー"に情緒をめちゃくちゃにされた人のポエムです。
個人的にはまだ未体験の方にはアトラクションの中身はなるべく知らずに体験してほしいと思っているのですが、様々な情報が飛び交っているので、不安な方向けに内容のネタバレ無しに概要を紹介しておきます。
(何かの偶然で、情報収集中にこのnoteにたどり着いた方もいるかもしれませんので。)
●乗り物のタイプ:3Dレールライドタイプ
3Dゴーグルを付け、映像とライドがシンクロしながら動くタイプです。水流ライドタイプではないので、上下にもライドが動きます。
●怖いシーン、びっくり要素:なし
雷などの突然の大音量もほとんどなし、暗くなるところもないのでお子様も大丈夫。3D映像も飛び出してびっくりさせるタイプではありません。海賊との戦いのシーンで少しだけ、砲弾などの音が鳴ります。
●映像以外の特殊効果:なし
水滴、炎などの驚かせ特殊効果や匂いの演出等もないため、感覚過敏の方にも優しいです。
●類似のアトラクションについて
私の知る中で最も近いのはUSJのスパイダーマンです(今は亡きアトラクション…)。ライドの形状も仕組みや動きもかなり近いと思います(びっくりさせる特殊効果はピーターパンにはないですが)。
ディズニーリゾート内だと、スターツアーズが近いか…?という感じですが、乗り込むビーグルそのものもレールに沿って動きます。技術が新しい分ライドの動き始めより繊細かつ、多様な感じです。
●「酔う」問題について
世間で騒がれているよりは、酔わないんじゃないかな…と思いました。それほど恐れる感じではないかなと。
ただ、私は乗り物酔いしないタイプなので、あまり当てにならないかもしれませんが…。
ライドの技術が高い分、動きがかなり細かく、また映像に没入する造りなのでライドの動きを感じにくい(進んでるのか、戻ってるのか)のが酔いポイントだと思います。
過去に映像系のライドで気分が悪くなった方は酔い止めなどの対策が安心かもしれません。
また、純粋に乗り物自体に弱い方も少し注意が必要かもしれせん。水の上を進むシーンがあるのですが、水の上の船の動きが良く再現されています。波の上で揺れているような、いわゆる船揺れの動きがとてもリアルで、ここで酔うパターンもありそう。ライドが上下にも繊細に動くので、船酔いが強い方も少し留意が必要です。
●アナ雪orピーターパンどちらがオススメか
2つ乗るのが結構大変なので、迷う方も多いかもしれません。
幼少期、ピーターパンを見たことがある方や空を飛ぶシーンに憧れた方はピーターパンが本当にオススメです。細かい内容を覚えてなくても、曲がわかるぐらいで大丈夫です。
ピーターパンを全く見たことがなく、曲もわからない…という方はアナ雪の方が感動するかもしれません。
※ここからは、ネタバレしかありません!ご注意ください。
泣くよ、と周囲から脅され続けていた"ピーターパンのネバーランドアドベンチャー"。
ようやく!体験できました!!
今回、ディズニー知識のある3人で行ってきたのですが、見事に全員ボロ泣き(私は鼻水まで止まらなくなるという大変な状態に…)。
思い出しただけで、今でも目が潤みます。
子役が泣き演技するときに「ママが死ぬこと」を想像して泣くとよく聞きますが、私が今後の人生で泣き演技する機会があれば、このアトラクションの事を思い出そうと思います。確実に泣けるので(そんな機会は恐らくない)。
ピーターパンという作品は、昨今かなり微妙な問題を孕んでいますよね。
・「女性は〇〇」という極めてステレオタイプ的な描写⇒しかも主役のピーターパンが「女に母親の役割」を求めている。
・インディアンの描写⇒キャラクターデザインも、作中のインディアン狩りの描写もエグみが…。
・そもそもピーターパンの言動、素行の悪さ⇒最近の『チップとデールのレスキュー大作戦』ではメインヴィランにされるほど(この作品に対しては私もあまりにも思う所あるのでこれ以上触れませんが)。
1954年の作品ですから、この作品を作った当時について批判したいわけではなく、時とともに社会の価値観が変わっていくのは極めて自然なことです。
と、同時に私個人としては、子どもに見せる場合は「当時の価値観を尊重して」などのテロップだけではカバーしきれない、それぞれのご家庭の方針や対話が必要だと思います。
私自身も、最近はなかなか見返すことの無い映画になってしまっていました。ちょっと描写がキツイな〜と思うことが多くて…。ピーターパン2は、かなりマイルドで今でもよく見るんですけどね…。
まぁ、そんなこんなで、しばらく離れていたピーターパンの世界での冒険。
感動できるかは少し不安だったんです。
でもその心配は杞憂でした。
まず、プレショーの後の音楽が本当に素晴らしい!!
あの勇ましい前奏とともに♪リーダーにつづけ が流れた瞬間、テンションがMAXに。
音楽って本当に不思議なもので、あの瞬間、子どもの頃に見たピーターパンの記憶をブワーッと思い出しました。子どもたちだけで冒険に出かける描写、本当にわくわくしたんだよなぁ!
そしてライドの乗り場。天井にはきらめく水面の反射の映像が。ほほー、先程のプレショーで「川で待ち合わせ」ってピーターパンが言ってたもんね。耳を澄ませると、水音も聞こえて細かい演出。
ライドに乗車すると、細かな波の揺れが再現されていて、これもお見事。
ライド中盤では、妖精の粉で空へと舞い上がるのですが、これが素晴らしいのなんの。先程の船揺れの動きとは全く違う。飛んでいる浮遊感なんですよね。
ウェンディも一緒になって勇ましく「いざ、戦いへ!!」と宣言するシーンもすごく好きでした。原作映画だと、はじめてロスト・ガールはウェンディの娘のジェーンだけれど、このアトラクションではロスト・キッズだから、ウェンディも立派なロスト・キッズの一員なんですね。
そして、♪ユーキャンフライ でロンドンへ。このシーン、ウェンディとピーターパンとジッと目が合う感じで、キャラクター達のイキイキした表情にも感動してしまう、、。
そしてロンドンに到着し、めでたしめでたし…、いいアトラクションだった!と、思った次の瞬間。
「さあ、ネバーランドに戻ろう!」
……え?????
ネバーランドに、戻ろう?????
ここでお別れではなく……?????
そして、流れ出す♪右から2番目の星
もうこの瞬間、めちゃくちゃ泣いてしまって。
あぁ、そうか。アトラクションの最初から、なんならこのエリアに足を踏み入れたときから、ずーーーっと私達は『ロスト・キッズ』と呼ばれていたんだと、ようやく理解できました。
傍観者じゃなくて、そちら側だったんだ、最初から。そう思うと嬉しくて嬉しくて。
小さい頃見たピーターパン。自由で勇ましいピーターパンは幼い私にとっては、ちょっとした初恋のキャラクターで。「私も飛べたらいいなぁ」「ネバーランドに行ってみたいなぁ」という夢がかなった瞬間でした。
私は10歳頃からディズニー映画に夢中になって、親にCDを買ってもらったり、ビデオを観ながら歌詞を聞き取って書き写したノートは何冊もあったり、台詞の一言一句を覚えるまで、それこそ擦り切れるまで映画をみていました。
大人になった自分の価値観だと少し離れていたピーターパンだけれど、そういう幼少期の自分を抱きしめてもらえたような気がします。
そして最後の台詞。
「いつまでも子どものままでいてね!」
こんなの、ずるすぎる!!!!。
この台詞のすごいところは、今でも私達は「子どもの心」をちゃんと持っているよ、という肯定でもあり、これからもそのままで大丈夫という励ましでもあるんですよね。
物語の時間軸は不明だし、原作映画を追体験するタイプのストーリーではないですが、エグみは取り除いて子どもの頃の憧れの部分やキラキラした部分だけを全面に出す潔さも、本当に良くて。このアトラクションに携わられたイマジニアさんに感謝しかないです(オタク、イマジニアにすぐ感謝しがち)。
このライドの6分間の体験時間だけでなく、そこに至るまでの自分の何十年にも渡る思い入れが殴りかかってくる訳なので、感動しないわけがないんですよね…。
なので、大人の方が涙ぐんでたり、あと言語の解らないだろう海外の方もすごく泣いていたりと、なかなか異様な光景でした。それは、それぞれの思い入れ、つまりは人生そのものがバフとなって襲いかかってくるから。
そりゃもう泣くしかないんですわ……。
これがオリジナルライドとして日本にしかない事実が凄すぎる。こんなに幸せでいいんでしょうか…。
生きていくことって、案外面倒ですよね。
基本的には後悔することも多くて、あぁ自分ってこのままで良いのかなぁと悩むことも多い、辛いことや悲しいことと折り合いをつけながら毎日過ごしていく。
そんな風に、あの時から変わってしまった私に、あの時大好きだったピーターパンがこちらをジッと見つめながら語りかけてくれること。
今、私に言われてる!!!と、ここまで実感を持った体験ができるのは、本当に唯一無二のアトラクションだと思います。
本当に本当に最高のアトラクションでした。
ピーターパン、あなたのこと心の中でずっと大好きだったって気が付かせてくれてありがとう。
またネバーランドに戻れるよう、子どものままの心を大切に日々を過ごしていくね。