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自己紹介なのか、珍楽器紹介なのか?~1分30秒に約19種類の楽器を詰めこんだ曲

クリエイター同士で、曲を作って自己紹介をしよう!という投稿祭があったので、そこに向けて曲を作りました。1分30秒以内に自分の自己紹介を語る曲を作る、、、というお題ですが、その中で、最近、弾くことが多かった民族楽器/珍楽器達を19種類ほど、詰め込みました。せっかくなので、その楽器達の紹介をしてみたいと思います。(youtubeと、ニコニコの違いはサムネとタイトルだけです)

(1)youtube
youtubeは最初から民族楽器のショーケース的なサムネにしてみました。

(2)ニコニコ動画
こちらの方が本来のバージョンになります。



0.自己紹介曲投稿祭とは

1分30秒以内に自分の自己紹介を語る曲を作る、、、という、ボカロP/DTM
erの桃胡桃さん企画で、いろいろなクリエイターの方々の様々な一面が1分30秒に凝縮されていて、とても楽しいお祭りでした。作品を知らない方でも、「あ、こういう自己紹介のスタイルもあるのか!?」と気づきになることもあるし、作品そのものに興味を持てるかもしれないので、興味ある方は覗いてみてください。ニコニコで「自己紹介曲投稿祭」で検索をかけると出てきます。youtube版は、その後サムネだけ変えて上げました。


1.使用楽器紹介

1-1.ギター

アコギにしようか悩んだのですが、制作時間がないのと、後半生音を大量に取り込む際のノイズ対策として、エレギにしました。
SGに、STRIMONのFLINTという、トレモロ系のエフェクト差してます。
序盤はワンフレーズ録ってループ。後半はそのままなんとなく弾いてますが、仮テイクがそのまま最終版に採用。細かいアラも作品の一部です。l

1-2.鍵盤

電子ピアノでMIDI入力演奏しながら録画。ベロシティ(強弱)だけ、音源に合わせて若干補正。

電子ピアノでBPMを合わせて生演奏したものをmidi録音、pcの音源で再現してます。
音源によって、音のニュアンスが変わるのでベロシティだけは微調整してます。タイミング補正できないのは録画のやむを得ないところです。各種珍楽器がなることを想定して、後半はコード押さえるだけのシンプルプレイ。

1-3.ベース

ベース、ドラゴンフライFAT-J4:シダー材という傷が付きやすいヤワヤワ家具調ベース

インパクト的には、フレットレスやアップライトにしたかったのですが、後半に不安定なピッチの民族楽器が大量に入ることを想定して低音はしっかりさせたほうが良いだろう、という配慮で、安定のフレテッドジャズべ(dragonfly fat-j4弦、家具調の傷だらけベース)にしました。
 ギターループとリズムだけ組んで、上ものが空の状態で演奏。今回の曲は、上ものがカオスになり、リズムとベースがキモだろうと予想できていたので、あまりアドリブ入れずに、安定第一の無理のない演奏にしました。

1-4.リズム、ドラム

Battery4

リズム系の民族楽器生演奏も考えたのですが、後半のカオスな楽器群を支える自信がなかったので、リズムだけは安定させることにしました。前半はbattery4の付属音源でループ組んで、後半はBFD3のファンク系の音とドラムループをちょい補正して使ってます。

1-5.サズ

トルコの民族楽器SAZ

トルコの民族楽器です。大昔にイスタンブールの楽器街で買いました。
フレットが針金で巻かれているので、ある程度適当に弾いているだけでエスニックなフレーズが奏でられます。音もハリがあるので、アンサンブルにも埋もれづらいです。ボーカルとEQの棲み分けは必要です。

1-6.三線

沖縄の三線

ご存知沖縄の3弦楽器です。三味線より一回り小さく、蛇の皮を使っているのが特徴的です。今回は、正式な弾き方の水牛の角を使いました。ただ普通のピックを使った方がピッキングノイズは少ないかもです。

1-7.ウード

これもトルコで買いました。ヨーロッパのリュートや日本の琵琶と同じ起源を持つと言われている楽器です。11弦あって、最低音だけ1本、残り10弦は2つでひとセット合計6組の音階で構成されてます。
基本的にはユニゾンで同じ音階を二本ひとセットで鳴らすのですが、微妙なピッチのゆらぎや、タイミングの揺らぎにより独特の音色になります。サズよりは低い音域で、音が埋もれやすいので、ベースの中低域とEQ調整が必要です。

1-8.口琴

口琴、ベトナム製は音量/音質ともに使いやすいです

いろんな国で出ているのですが、これはベトナム製。すごくクリアで抜けのある音がするので、一番使いやすいです。

1-9.ダンバウ

ベトナムの一弦琴、ムズカシイ

ベトナムの一弦琴。弦が一つなのでハーモニクスポイントで音を鳴らして、アームで音階をつけるという難易度高いもの。曲のワンポイントで使うならなんとかできるかな、、、というレベルです。

1-10.アサラト

アサラト、振り回した瞬間!

アフリカの打楽器で、小さなマラカスのような玉を紐でつなげたもの。振ってマラカスのように使う他、ヌンチャクのようにクルクル回して使ったりします。
達人の方が軽やかに回している動画に憧れてやってみましたが、難しいです。
レコーディングした日は、練習始めてから1ヶ月弱の超初心者。入念にリハーサルしたものの、録画/録音時には、失敗しました。オーケーテイクが出るまで撮り直してもよかったのですが、それほどリズムを破壊してはなかったし、失敗テイクのままの方がライブ感あって面白いかとそのまま採用しました。

1-11.カリンバ

カリンバ、チューニングされた楽器的なカリンバです

onetoneというメーカーの、音階チューニングされたカリンバ。澄んだ音がします。キー配列が独特なので、直感的にまだ演奏できないのがつらいところ、精進が必要です。また、半音階がないモデルなので、曲を壊さない音のみ事前に抽出して、そのスケールで演奏しました。

1-12.カリンバー

カリンバー、i-phone用のアプリです

音階チューニングされたカリンバをiPhoneでシュミレートしたアプリです。独特の音階配列を学ぶにはもってこいだし、音も良いし良いことだらけですね。最近頻繁にアップデートされてて、要注目です。
かつて、カリンバートリオという、オリジナルをつくったことがあるので、ついでに紹介しときます。


1-13.ケーンラオ

ケーンは、こんな楽器

ラオスの笛です。だいぶ長いですが、日本の笙と似た起源を持つ楽器だそうです。吸っても吐いても音がなる、穴を押さえただけ音が鳴るので複音が可能。ただ、半音階は吹けないので、使おうと思うと曲にキーを合わせる必要があります。予備知識なかったのでいろんな動画見たのですが、細かいことは気にせずにガンガン鳴らしつつ、リズムをきちんと取るというような、パーカッシブな使い方のようです。
今回は、本当にワンポイントだったのでタイミングだけ合わせたイメージです。

1年前に作った3D前衛ダンスバンド(ひとり)の曲で、もう少し聞けます。


1-14.オタマトーン with 山椒帽

オタマトーンwith山椒帽

ご存知、明和電機のヒット楽器。フレットレスなのでかなり難しいのですが、音程が合わないことを前提に楽しむ楽器、と割り切って使うと、気軽に使い道が出てくるかなと思います。うちにあるのは、テクノという、一番長い機種なのでわりと音程は合わせやすいです。

1-15.ウクレレ

ウクレレ、かなり簡易なものですが、YAMAHAだけあってチューニングもしっかりしてます

ギターやベースは上から下へ、低い音から高い音になっていくのですが、ウクレレは、上は高い音、その一つ下が一番低い音、でまた高くなっていく、という独特の配列。コード覚えるのが難しい、、、という心の声が出ました。オブリガード的な場所で登場させたので、スパニッシュギターっぽい情熱的なフレーズを載せてみました。

1-16.ベトナムで買った四角い楽器

ベトナムで買った四角い楽器、Dan-Tuという説が有力

これはひさしぶりに弾きました。子供のおもちゃになってたりして、サウンドホールに小銭を詰め込まれてカラカラ音がするのが気になるところ。取り出せません笑
半音7個分、5度ずつ差をつけるチューニングをする、、、ということだけ教わってます。
チューニング中に、1弦が切れてしまったので、2-4限で弾ける範囲のフレーズを組んでみました。
どうやら、Dan-Tuというらしいということが曲を作ったのちにわかりました!!教えてくれた方ありがとうございます!!!

1-17.電子バグパイプ

電子バグパイプ、、、これが!?

昔、個人中古売買で4000円くらいで買わせていただきました。流通してるところをみたことないのですが、音楽的な使い道もほぼないのです。
スイッチがあって、押すとドローンと音が鳴り続ける。もう一回押すと音がなくなる。
指で穴を押さえると押さえる場所によって音階が変わる。という仕組みです。なので、弾けるキーは限られます。

1-18.エフェクター群

以前も紹介したMFC42
こちらもコンパクトディレイ3兄弟。左上のチラッと映っているDE7もいい発振音なります

かつてディレイやフィルターを発振させた映像と音を再利用しました。
ロボットが暴走するようなコミカルな音が出ます。

1-19.ドラえもん型ラジオ

ドラえもん型ラジオ、ガーガーなります

子供雑誌の付録についていた、ドラえもん型ラジオ。電波の入りが悪いのか、ほとんどラジオは鳴らず、ガーガーガーと鳴るので、その音を取り込んでみました。

1-20.ラジコン

写真はわかりづらいが、木の根っこをジャンプ台にしてジャンプしてバランスを崩しているところ

もう楽器でないですね。
曲作った頃に走らせた動画をそのまま流用しました。大都会カツシカのとある公園で撮影したのですが、紅葉の落ち葉が綺麗ですね。
写真だとなんのこっちゃかわからないと思いますが、木の根元でジャンプさせた瞬間を収めてます。マリオカートみたいで楽しいですね。

1-21.ガンプラ

144分の1、グフ30年以上前と同じ値段?で購入

144分の1グフ。僕が小学生の時に初めて組んだのもグフ。かなり思い入れあります(まだ色塗ってませんが・・・)
そういえば、最近ガンプラ全般値上がりが発表されたのですが、各新聞社がガンダムの名セリフのような記事タイトルを出していて(例:日経は「ガンプラ、値上げ行きます!」)、ガンプラを小学生の頃に組み立てていた人たちも40歳オーバーなので、遊び心で編集されてたんだろうなあ、とほっこりしました。

1-22.エビーバー

独特なコード感で味のある曲を作るみじびじさん考案のキャラクター。各クリエイターがナゾ設定を盛り込んだ、不思議なキャラに仕上がっています。

1-23.山椒

ご存知、Japanese Pepperと呼ばれる山椒。優しい唄声が印象的なアートモバイルさんはじめ、山椒をこよなく愛するクリエイターがx(旧twitter)で、謎の作品群を発表しています。

2.制作過程

この曲の構想を思いついたのが、投稿祭の10日ほど前。民族楽器録音は日中にしかできないことを考えると、チャンスは1日のみ。そこにターゲットを合わせてオケを作って、1日で多重録音を重ねていきました。

まずギターでコード弾きながら仮歌を決めていきました。エドシーランのようにワンフレーズをループさせて、そこに被せるみたいにしようとしましたが、後半はサビメロに合わせて、少しコード変えました。

鍵盤とベースを追加して、synthesizer vで、歌メロを入れる。
そのあとは、ひたすら順番に珍楽器群を重ねていきました。

出来上がりイメージは頭の中にしかなかったので、結構不安だったのですが、リズムがしっかりしてて、ある程度落ち着いたコード感があれば、多少カオスでもまとまるだろう?と信じながら重ねていきました。

やってみると、意外ときれいに?まとまって、しかもカオスな感じが、逆に「やりすぎ感」が出てエンタメ要素になってくれました。ミックス工程や、ビデオ編集工程では、われながら、おかしなものを作っているな、、、と半笑いで楽しく編集していました。

3.歌詞

さて、お祭りエンタメな曲にしたものの、歌詞は自分の音楽感を赤裸々に表現した感じになりました。

もちろん音楽は大好きです。

ただ、だれでも気軽に質の高い音楽が作れるようになった今の時代で、オリジナル作品を創って発表するなんてことは、大海に小石を投げ入れるようなもの。大部分の魂のこもった作品は出会う前に消えていく儚い存在というのも事実。

それでも自分自身で、自分好みの自作曲を聴ける喜びと、その波紋で多少周辺に楽しんでもらえるなにかがあれば、やる意味はあるのかなあ、、、というような心境を割とストレートに表現してみました。


4.演奏

ぼくの民族楽器はなんちゃって演奏です。youtubeで関連動画を検索して、演奏のニュアンスは参考にして、それっぽく弾くひいてます。
ただ、民族楽器は、固有のスケールがその土地の音楽の響きに適したものになっていることが多く、気の赴くままに弾いていても、その楽器の国の固有のメロディーっぽくなりやすいんですよね。以前も書いたのですが、自分が弾いているのに、楽器が唄っているような感覚になるのが、民族楽器の醍醐味です。

あと、僭越ながら語ると、それっぽく弾くというほかに、オリジナル曲に取り込むのは割とコツがあって、こんな感じかなと思います。

a. 適当に弾いてみて、なんとなくその楽器の特性をつかむ
b.「ここは外しちゃダメ」というときに通る音をある程度きめておく
c.フレーズのバリエーションをある程度決めておく
d.弾き損じても、うろたえず、自信を持って弾き切る
 ※うろたえるとリズムや音の強さに表れてしまってボロボロになる

5.まとめ

ということで、今回のまとめです。音楽や楽器って本当に楽しいですね。
・自作曲投稿祭、いろんな方の紹介が1:30にまとまってていて最高に楽しかった
・自分も、19種類の楽器を詰めこんだ民族楽器のショーケースのような曲ができて、音楽の楽しさを再認識してよかった



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