ミッドサマーを観ました
はじめに
映画は人並みに観る程度なので素人です。率直に感じた事を記録として書き出していきます。つたない部分もあるかと思いますがご容赦ください。
今日、ミッドサマーを観てきました。
ここ最近本当に気になって仕方なかったので、劇場に観に行けて良かった。
街中は人が少ない印象でしたが、映画館は春休みなのか?大学生ぐらいの若い人で混雑していた気がします。広いシアターが結構埋まっていました。
サンドイッチとコーラを購入してシアター内へ。14時ちょうどにスタートの上映で、お腹がすいていたし映画始まってから食べてたら気持ち悪くなるかも...と思ったので始まる前にもりもり食べる。トイレ行きたくなるからコーラはちょびちょび飲む。思い返すと一人でめちゃくちゃ満喫してんな。映画まだ始まってへんぞ。
さて本編について。あらすじを書いたりとかは難しいのでしませんが思うままに書くのでネタバレ注意です。
まず率直に思ったのは作った人は頭おかしいんだなってこと。
いやなんか、予備知識として、監督が「これは恋愛映画だよ!」て言ってるっていう情報をもってて、それをふまえて観てもマジでヤベエ人なんだアリアスターさんって感じでした。
恋愛絡んでるよ、そりゃ分かるけれども、ラブストーリーとか失恋とかそういう次元の話ではないしラブストーリーであったとしても確実にやり過ぎですよ。
あとまあこれはホラー映画を色々観始めた時のありきたりな感想だと思うのですけれど結構幼い子どもが出てくるんですね。あと赤ちゃんの声。親御さんようこの映画に自分の子ども出そう思たな。よく考えたら某としおくんも子どもだし、こういう作品でも普通に子ども出てる場合多いんですネ…追記になるんですが、色々映画を観たりしていて 子役には必要以上に怖がらせたりしないような措置が現場で取られていることを知りました。そりゃそうだよなトラウマだよなこんなん…
頭おかしいという表現が褒めてるのかは自分でもよくわかりません。映画をつまらないとは思いませんでした面白かったです。
ここからは、キャラクター ストーリー 演出に分けていきます。
キャラクター
まずは主人公のダニーについて。
印象的なのはやっぱり表情とか泣き声ですよね。過呼吸みたいな泣き方迫力があります。監督の指示や演出なのかご自身の演技なのか…
また本人のことでは無いですが、序盤の妹の死に方。なんだあれは…この映画の中で、妹と両親が亡くなるシーンがいちばんグロく見えました。暗いシーンだから余計にかもしれませんが、精神的にもいちばんキツかったような。ちょっと調べると排気ガスで無理心中と書いてあったのですが、いやあの口元よ。ガスであんな風になるんですか?やけど?(私の見間違い?ボコボコになってませんでした?)
あとはほぼ終盤、一瞬ダニーのママが出てきたじゃないですか。あの冷たい顔よ…辛すぎる…あれですね、きっとダニーの幻覚だから、ダニーのママを助けられなかった、きっと恨まれているだろう、という思い込みがママの態度に出てるんでしょうね。辛い
(追記:ある考察動画で、ダニーの両親はホルガ出身なんじゃないか?と言ってる方がいました。ママにそっくりなママと血の繋がりのある人だったのか?でもあの表情は?序盤の心中のシーンにお花が出てくるらしいです。そう言われればダニーの部屋に熊の絵があったような?えっもう一回見たい...)
ダニーには辛い出来事ばかりで、洗脳でもカルトでもなんでも、ホルガがダニーの救いになるならもうそれで良いと思ってしまいました。ホルガの女性たちがダニーと折り重なって大泣きするあのシーン。あんなに自分一人の思いに同調して一緒に苦しんでくれる仲間(というか家族なのか)、いますか?確実にキチガイじみてるしおかしいし、やってることは人の道外れているんですけれど、あそこに救いを感じました。ダニーの求めていた救いが、思ってた5000倍ぐらいの強さで与えられた感じ。
映画のラストシーンからはその後ダニーがどうなったかは読み取れませんが、ええよ。もうホルガで暮らせばええんよ。
親戚とか友人とか助けてくれる人がアメリカに残っていて、旅行から帰ってこないダニー達を心配してホルガの異常を暴く!みたいな展開が見たい。ジャンル変わっちゃうけど。
ダニー以外の登場人物、モブかクズか狂ったホルガの民かの3択だった気が…ダニーへの思いが強くてあまり思い出せないのですが。
クリスチャンは第二の主人公的な感じでしたよね。私は序盤の彼に対しては、共感するところもありました。ちょっと邪険にしていましたが、少なからずダニーの事を心配しているように見えましたし。彼女の誕生日をすっかり忘れて友達と海外旅行しようとするのはマジでクソだけど。あ、ダメですクソです。共感したってのは嘘です(嘘ではない)
論文パクり始めたあたりからクズさが全面に出てましたね。彼を反面教師に人には誠意をもって接しようと思います、クマになって燃えたくない。
あ!あとペレです。
ミッドサマーの映画公式サイトを見ると、鑑賞を終えた人の為に「完全解析ページ」というのがあるんですけど、読んでいてなるほど〜となりました!それからペレの生い立ちについて深く考えかけたのですが、結構難しくてわけわからなくなってくるので早々にあきらめました。
さっきダニーについて考えた際に、ミッドサマーその後について少し妄想しましたが、公式サイトの解説の方ではダニーとペレが結ばれてホルガで暮らすのか…というルート(?)も考察されていましたね。それもあり。もうなんか、ダニーが自分の幸せを見つけてくれたらそれでいいよ…救われてくれ…
あとこれは1人のキャラクターについてではないですが、ホルガの人々が本当に美しい。白い肌にきれいな目。笑ったり怒ったり表情も豊か。それが余計に恐ろしいんですけどね…
ストーリー
物語の内容について。
薬物やめよ…やめようよ…
ていうか常用者なのがダメです。この映画時代背景現代ですか?アメリカではあんな感じで普通にドラッグ使うんですか?怖くない?
睡眠薬は分かるのですが(あんな状況で寝られるわけないし)もう娯楽として使ってるじゃないですか。ティーンのお遊びなの?そういう若者を選んでホルガに連れてくるんでしょうか。あっそういうことか?幼い頃から小学校で薬物は怖いよと教え込まれてきたのでめちゃくちゃラフに皆でトんじゃっているところに恐怖しました。そんなんしてるから変なことに巻き込まれるんやで。
あとカルト宗教について。これもまた公式の解析ページで得た情報ですが、儀式で人間の皮のマスクを使うとか当事者以外の何人もの女性に囲まれて性交する儀式とか、全部元ネタがあるのが怖いですね。個人の発想だったとしてもめっちゃ怖いけど。平和な現代日本に産まれて良かったと心から思います。
演出?
ここで私の言う演出は映像の雰囲気とか映し方とかのことで、専門用語的に合ってるかどうかは知らない。多分合ってる。難しい。
ストーリーについて感じたことをまとめたらすごく短くなったのですが、話の内容だけで改めて考えると 某〇ちゃんねるで読めそうな都市伝説って感じで、すごくシンプル。そこにもう頭おかしい演出がモリモリ重なってこの映画になっているという…
中でも私の記憶に残った個所を挙げていこうと思います。
・映像が美しい!
ホルガの人達が美しいというのは先述しましたが、景色や建物もとてもきれい。序盤で立ち寄る草原もすごく爽やかだし、通る花の道もメルヘンで良い。最後の儀式に使われる、黄色い三角形の建物も一見可愛らしいような気もします(中身エグいけど)。
あとホルガの人々の衣装もかわいい。皆お揃いだし。おとぎ話に出てくる妖精みたいですよね。
ホルガ村、文化の造形自体はすっごく美しい。花がたくさん。自然色彩豊かで心が洗われそう。根本が完全におかしいから心どころか脳洗われちゃいますけど…
・グロテスクな表現
実際に観る前、本編の大筋やオチは見ないようにしていたのですがちょこちょこ情報は集めていて、「そんなにグロくないよ!」というレビューを見ていました。確かにグロテスクな表現はそこまでではなかったように思います。いや、高所に頭から落ちたり脚ブチ折れてたり杵みたいなので頭ぶっ叩いたりするんですけど。
血がビシャー!って感じじゃないのです。中身は見えちゃってるんですけど、作りものっぽいというか。基本太陽の下だからめっちゃ明るいですしね。一度潰れた頭をまともに見てからは、あ~なんだ大丈夫だわ~と安心して観られました。
ただ、モロな内臓やケガ部分などの表現以外でグロテスクだと感じる点はありました。いちばん大きかったのは、おばあさんが崖から飛び降りる一部始終を引きで観るシーン。地面に叩きつけられる一瞬がすごくリアル。いや本当に人間が地面に叩きつけられる場面見たことないですけれど、実際こんな感じなんだろうな、と思いました。血も飛び散らないし、音も下手にグチャグチャッていう音ではなく「ドンッ」て感じ。じわじわ来る怖さがありました。
あと食事シーン。人々は整列して、机の上には食べ物が整然と並んでいて、色鮮やかな野菜もあって綺麗なのですが、飲み物の色が汚く見えました。基本黄色い。
ホルガの女性達やダニーがダンスの前に飲む物も汚い。あれあえてサーバー?ジャー?の方もしっかり映してますよね?あえてですよね?(絶対人間やら家畜の排せつ物+酒だと思うんですけどどうなんでしょうか)原料を名言しないじゃないですか、「天然水と特別なものが入ってるわ」みたいな。
あと最後、ダニーがダンスで優勝してメイ・クイーンになった後の食事も、え、あれ、人間のお造りじゃないんですか!?豚ですか!?おかしくなっちゃった人々の幻覚を反映してるだけ?
ともかくメインに置かれている肉料理?がめちゃくちゃ気持ち悪くて、豚の頭らしきものは見えた気がしたのですが全貌は見えず。
全編通して実態の分からない飲食物が度々登場して非常に怖い。下手したら陰毛経血入ってますしね。怖すぎ。
またグロとは少し違うのですが、ダニーが女性たちに交じってお花を身に着け始めてから(もしかしたらそのもっと前だったかも、記憶が曖昧です)、ダニーが頭につけている花のひとつが呼吸?していたような気がします 花の中心の部分が黒い穴のようになっていて収縮しているように見えました。でも呼吸じゃないかもしれなくて、ダニーが動揺した時に穴がブワッと大きく広がったりしていたので…目の瞳孔の動きなのか?とも思いました。何せすっごい気持ち悪かった。こういう直接的じゃないところでグロさを感じました。グロというか気持ち悪さ?
・衝撃だったシーン
《血のワシ》
これも公式ホームページの解説で知りました。ホルガ独自で天使か神様かなんか作ろうとしているのかと思いきやあの羽みたいなの肺なんですか?そして実際にあった拷問方法なんですか!?生きてるんですか!?!??!??!?信じられない。それを映画に使うのも信じられない。目がかわいいお花に…あのシーンはちょっと目を隠してしまいました、ギャー!て動き出すかと…ビビった...
《クリスチャンとマヤの儀式》
終始「何を見せられてるんだ?」て笑っちゃっていました。あそこにシャイニングのお風呂に出てくるおばあさんをコラージュしてほしい。ただ、ベッドはキレイなお花だしマヤのビジュアルだけ見ていればとても美しかった。事が始まってしまってからはもう大ウケでしたが。これは何?そしてその嬌声は何?古代から受け継がれる伝統なんですね、怖い…あとクリスチャンの局部モザイクめっちゃウケる。
…つらつらと書いてきましたが、おおきく印象に残っているのはこれくらい。誰かに言われてアア~!てなる所も多そうなので、ぜひもう観たよ!という方と語り合いたいです。
オープニングは一見美しくて可愛らしさもあるタペストリーで 紙芝居の開幕のように始まり、エンディングは陽気な音楽で締めてきたこの映画、雰囲気も基本的に明るいのですが、後半は特にず~っと嘔吐する寸前のような気持ち悪さでした。ダニーがクリスチャンを生贄に選び、完全に狂ってしまってある意味救われた(と私は思う)ことで、後味の悪さはそんなに無いのかと思います。クリスチャンが言っていた通り、これが彼らの伝統なのだから受け入れなければという気持ちにすらなります。
ただめちゃくちゃ人を殺しているし異常であることに違いはありません。ダニーのように追い詰められた時、本当の救いになるものをもっておかなければ…幸い私にとっての救いはいくつかあるので、それらを大事に生きていこうと思います。救いは人それぞれだけど、殺しはあかん。殺しは。
以上私が映画「ミッドサマー」を観た所感でした。
もっと詳しい解説や人の感想も読んで、理解を深めたいと思います。ゆっくり考えながら観たいので、サブスク配信も楽しみ。