真似を続けたその先

真似ること。

それは必ずしも悪いことばかりじゃないと思います。
パクる、というと聞こえが悪いですが真似て自分のものにすればいいわけです。
それが難しい。

私は小さい頃から何者かになりたがっていました。

幼稚園の昼休み、必ずいつものメンバーでプリキュアごっこをしていました。キュアアクア役。
その頃からクールでプライドが高い人に憧れていたらしい。

小学校低学年の休み時間、アイカツごっこをして遊んでいました。
またごっこ遊びや。なんなら放課後もごっこ遊びしてました。好きすぎるやろ。
アイカツは紫吹蘭が狂おしいほどに好きでした。また、また髪が長くてクールでプライドの高い女。幼少期から今の今まで好みは変わっていないようです。蘭、結婚して。

小学校高学年の休み時間、仲の良い友達と絵を描いたり鍵盤ハーモニカを弾いて過ごすようになりました。
運動が元々嫌いだったので、室内遊びを極めていたんだと思います。
この頃から容姿への悪口が増え、自分が嫌いになりました。小4から行事の写真買わないでって親に言うてたし写真も撮らせなかったので高学年の写真はマジでないです。

中学生になって不登校になりました。
何もかもが嫌で、この世界を離れることしか考えていなかった。何度も首を吊ろうとしましたが、不器用すぎて縄がうまく結べず締めれませんでした(あと部屋が和室だったので首を吊る場所もなかった)。
ハンガーラックで首を吊ろうとしたら古いハンガーラックだったのでぶっ壊れて、なんか全てがどうでもよくなって寝ました。
自殺は諦めて、毎日とりあえず動いている心臓に生かされていました。
その頃好きだったのは二次元で、だから余計にこの世界への執着がなかったようにも思います。

高校生になって学校に行けるようになりました。
定時制だったので13時からの4時間だけ、短いけど自分にはそれでも成長でした。一年生の後半からはバイトもできるようになりました。自分、すごいやん。
そうしてやっと気力を取り戻して、好きなことを好きと胸張って言えるようになりました。
歌が好きです、アイドルが好きです。そうなりたいです。
何も努力していないし容姿も醜い私が語るには余りにも夢物語で、不釣り合いだったと思います。それでも周りは優しくて、応援してくれました。

高校3年生から4年生(※定時制で4年間通わないといけない高校でした)にかけて、自分の性格はめちゃくちゃ変わったんだと気付きました。
そしてその原因は、やっぱり推しだということにも気付きました。

OWV 佐野文哉。
この先もずっと好きでしょう。と、ここに書くことによって飽き性の自分との契約じみたものにしてしまおうという魂胆は本人に伝わらないでほしい。
第一印象は最悪でした。
すかしてる。イキってる。冷たそう。
今となったらマジでそんなことないって分かるけど、初めてOWVのYouTubeを見た自分はそんな印象を受けました。
嫌いなタイプだな…、その感情の正体はのちに同族嫌悪だったと言うことに気付きます。
第一印象は最悪で、自分と真逆の人間だと思っていましたがそれがどうしてか「この人気になる、この人を解き明かしたい」という感情に変わっていました。
そこからYouTubeを見漁って、過去のツイートも見まくって、ライブに行って、FCに入って。気付いたら立派なQWVでした。
そんな中で、あることに気付きます。

佐野文哉と私、すごく似ているかもしれない。

お前なんかが佐野文哉に似てるわけないやろ、みたいな過激派はこの時点でブラウザバックしてください。ここまで読んでくれてありがとう。

似てるんですよ、何かが。
感覚の問題なので説明をするのが非常に難しいですが、本当に簡単に言葉にするなら私は佐野文哉の超超下位互換です。

運動以外は努力せずともなんとなく、なんとなくこなしてきました。勉強、音楽、図画工作、料理、人間関係、なんとなく全部出来ていた。本当に、運動以外はセンスでなんとかなっていた。逆に運動はあまりにも出来ないので、なんとなく避けてきました。そのせいもあって、プライドが高くなったのでしょうか。

文哉さんは幼少期、弟にすら戦隊モノのレッドを譲らなかったと話していました。
私はレッドみたいな王道こそ好きではなかったのでそこを目指したことはありませんが、自分の好きなキャラクターが被っても絶対に譲りませんでした。私がアクアをやる、私こそがアクアに相応しい。相当たる自信ですが、そんなマインドでいつも友達と喧嘩して泣かせていました。最悪です。

周りからクールに見られるところも同じです。お笑いが好きなのでおもろいことは大好きやしノリもいい方だという自負があるのですが、第一印象では大体怖がられます。

これ以外にも、共通点が多い。

ただ、自分は中学生でそんなマインドも自信もなにもかもを失いました。
今までじゃ考えられないくらいネガティブになって、何もかもが嫌になりました。
元々の自分がどんな人間だったか、思い出せない。昔からこんなにネガティブで、こんな醜い容姿・性格で今までよく生きてこれたなぁなんて過去の自分を嘲笑っていましたが本当はそんなことありませんでした。

私は元々推しになりたいと思うタイプです。
付き合いたいとかそういうのではなく、推しになりたい。貴方みたいになりたい。
それは昔から変わっていませんが、なれたことは一度もありません。近付けたこともないような気がします。
大体は途中で「でも全然違うから惹かれたんやろしな〜自分はこの人になれないな〜」と思ってその憧れは次第になくなっていきます。

文哉さんはその逆でした。
初めは「自分がこんな人間になれるわけがない、眩しい」。憧れは憧れのままで、せめて容姿だけでもと文哉さんに似た服装を買い集めるだけでした。
それが文哉さんの性格を知るたびに「あれ?似てるかも」「この気持ち、分からなくもないな…自分もそう思ってた時代あったな…」と共感が増えていきました。

文哉さんを真似していくうちに、自信が付きました。

中学生の頃はMBTIがINFP-Tでしたが、今はENTP-Aです。
変わりすぎです。
でも正直今の方がしっくりくるし、これが本当の自分なんやと思います。

推しの真似を続けたその先に、私は本当の自分を見つけました。取り戻しました。


そしてみなさんお気付きかもしれませんが、オチを見失いました。
ただの自分語りになりました。最初なんかタイトルも推しもあんまり関係ないですね、すみません。
改まって締めるというのは本当に苦手で、好きじゃないのですがそうしないと締まらなそうです。恥ずかしい。

ここまで読んでくれた人は長々とありがとうございました。
みんなも、推しの真似しよう!

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