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モヤモヤ人増幅中

定年後のセカンドキャリアをいろいろと勉強するなかで見つけた言葉が「モヤモヤ人」。最近急増中である。私も過去その人種だったので、半分自虐的ではあるが、モヤモヤ人とは、要するに定年再雇用などで職場に居場所がなく、心がモヤモヤしている人を指す。

役職定年で肩書の無くなった人や、再雇用で担当業務が減る社員などは「能力や経験・実績があるのに、適正に評価されていない」不満を抱く。しかも給料も激減。上司も露骨に業務を若手に割り振り、経験を積ませようとするから、再雇用おじさんの仕事はどんどん減る。モヤモヤの原因は「今まで頑張ってきたのに急に冷たくされた」という、まさに急に恋人からよそよそしくされる環境の激変に心がついていけないせいである。

かと言って、じゃあ退職して起業したり転職したりとポジティブに行動できるかと言っても事はそう簡単ではない。「何か行動はしたいのだけれど、年齢も年齢だし、急に変われるわけでもない。今ひとつやる気が出ない」と中途半端な精神状態が続く。

私もまさにその典型で、57歳で役職定年となり、再雇用期間に突入。上司は年下で、仕事も急に簡単な作業をあてがうようになった。社外との打ち合わせでも出席メンバーから外される始末。まさに「閑職に追いやられた感」満載の日々を過ごすことになり、モヤモヤ人としての日々を送るはめになった。

60歳の今は、その後の行動変革によってモヤモヤ人を脱したが、当時は
「毎日がつまらない」「仕事にやりがいがない」「かと言って行動を起こす気もない」の「3ない」運動の無気力状態が続いた。

過去の私のように、このような多くのモヤモヤ人が日々増産されると危惧している。それは定年再雇用という悪しき制度のおおかげで、実力があるのに単に年齢という枠で労働市場から退場せざるを得なくなり、立ち位置とやる気を失う。人間には承認欲求という「人から褒められたい、評価されたい」マインドがあり、それがもう未来永劫起きないとなれば、人生に絶望してモヤモヤする気持ちもよくわかる。人間は感情の動物なのである。

こうしてモヤモヤ人が増幅していくことは結果的にやる気のないおじさんを増産させ、社会から活力を奪い、若者にも悪影響を及ぼしていくと断言できる。

私も実際にモヤモヤ人だったからよくわかる。
しかし私は行動変革でモヤモヤから脱出した。その行動変革の経緯についてはいずれお話ししたいと思う。

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