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あっきー★らっきー7周年!

 この新宿二丁目の仕事、長く続くとは思っていませんでした。バカ話で人を笑わせるタイプではないし、どちらかと言えば人見知りのほう。これまで二丁目ではさまざまな「プロ」を見てきただけに、あんなふうに酒場の中にいることなんて自分は適さない。むしろ、いつでも辞められるようにしておこう。二丁目の奥深くまで踏み込んでしまったら、そこから足を引き抜く時に切り傷を負うに違いない。酒に酔った人々による言葉に、いずれはきっと耐えられなくなるはずだ。そう思っていました。

 やはり一番の悩みどころは、うまく話を回せないということでした。機関銃のように喋り続けることが店子のあるべき姿と思っていましたから、その適性がない自分に自信が持てませんでした。
 営業後に飲んでいた明け方のあるお店で、そんな不安をママに相談していました。すると彼は、こう声をかけてくれたんです。
「あっきーさんは聞き役でいいよ」
 彼が言うには、みんな自分が話をしたくて来ているんだから、それを聞いているだけでいいというのです。そして「自分だって話をするより聞くタイプだから」というではないですか。さらには、人の話をじっと聞いているのが苦手という属性の人も、世の中にはいるとのことでした。

 私の場合、話をただ聞いているぶんにはそれほどストレスにはなりません。むしろ興味があることを熱心に話している人は、魅力的だなあと眺めていることもあります。聞いていればいいんだ。そう思えたことで、目の前に道が開けました。

 アデイのグランマも、「あなたは寄り添い系よね」と言ってくれます。それは、編集者としてクセの強い作家方のお相手をしてきたからでしょうか。実際に担当作家から「押しが弱い」とも言われていましたが、周囲には作家をぶん回すようなタイプもいましたから、編集者だってさまざまだったはずです。つまりいつでも私はできることしかできないし、それでもここまで49年も生きてきたということです。

 出版社にいたときも、その後の仕事においても、人に対する興味は尽きません。目の前の人を聞いて寄り添って、笑ったり酔っぱらったり、なかなか楽しく過ごしていると思っています。そして何より嬉しいのは、7年間もお客様が来てくださっていることです。3年前には二丁目文芸部も生まれて、いつの間にか水曜アデイの輪も広がっています。

 この新宿二丁目の仕事、もしかしたら少し向いているのかもしれないです。7年も支えてくれた皆さまに感謝を申し上げたいと思います!

2024/5/22 7th Anniversary & 49th Birthday Party

A Day In The Life

東京都新宿区2-13-16 藤井ビル203

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