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影のいたずら

月食は古来不吉なことを呼び寄せるものとして見られていたそうだ。
たしかに、満月が左下から食べられていく様は奇妙だ。見ている間は食べない癖に少し目を離すとまた一口食べられている。
まるでクソガキじゃないか。

皆既月食直前は黒い満月、皆既月食になると赤い満月という印象を持った。見ているときは綺麗、凄いと思い、ただひたすらに眺めていた。
今思えば、まるで指輪のように輝く月に憧れを抱いたのだろう。

不吉なことを呼び出すかはさておき、人を惹きつけるなにかが、宇宙にはある。

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