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カリビアン入院記 : 4日目(退院)

前日の点滴は痛くなかったけれど、なんだか目が冴えてしまって12時過ぎまで寝付けず。
やっと眠れたと思ったらやはり2時過ぎくらいから、咳き込んではうとうと、咳き込んではうとうと…の繰り返し。

あ〜、もう5時か。そろそろ採血の人が来るかな。そう思って更に寝付けなかったけど、ついぞ来なかった。もう白血球の値もだいぶ下がったから、採血は無しなのか。

お決まりのコーヒー•紅茶が運ばれ、そして朝ごはん。

トースト、スクランブルエッグ、フルーツ

トーストは口の中の水分全部持って行かれる系で、ふた口食べるごとに咳き込んでしまい4分の1でギブアップ…
昨日夫に持ってきてもらったみかんを貪り食べた。

みかんを貪っているとドクター登場。今日はこの後レントゲンを撮って、結果が良ければ退院だね!と。いきなり。え、まだ咳して嘔吐しちゃうことあるけど…。
それを伝えると「リラックス(ウィンク付きで)」とニコリ。…大丈夫かな。

しばらくすると、男性スタッフが車椅子を持って登場。案の定点滴の袋を膝に乗せられて、そのままレントゲン室へと移動した。

入室すると、「上の服全部脱いで、これ着てね」と黒い布を渡される。しかし点滴をしたままである…。しかも長袖を着ている。これはまたしても助けを呼んでも仕方がないパターンだなと観念して、点滴の袋を持ったり、チューブを手繰ったりしてなんとか脱いだ。

点滴が終わった後も逆の作業があるのだけど、もうなんか疲れてしまい、ブラキャミだけ着て、長袖は昔のテレビディレクターみたいに肩掛けをしてレントゲン室を出た。この国では、こんな格好をして歩いていても誰も何も構わない。車椅子を押してくれるおっちゃんも、「まだ出てこないのかよ」という様相でドアの前で待っており、私の姿を見ても1ミリも表情を変えなかった。そう言う点では気楽な国だ。

部屋に戻り、ナースを呼んで点滴の袋を繋ぐチューブを一旦外してもらい、着替え。

お昼頃に知人がお見舞いに来てくれる。そろそろ食事が辛いでしょうと、おにぎりと卵焼きの差し入れをくれた。めちゃくちゃ美味しくて、出されたお昼ごはんそっちのけで差し入れを完食した。

知人と入れ替わりでドクター登場。処方箋を手にして、これとこの薬は明日から、これは今夜からねと説明してくれる。じゃあ明日退院?と聞くと、「ノンノン!もう今すぐ帰っていいよ!またなんかあったら連絡してね!じゃ!」と。

いきなりの退院。あとは自宅で抗生剤を服用しましょうということだった。夫に急いで連絡。ちょっと拍子抜けしている様子。わたしもだ。

退院が決まったからと言って、ナースが来てくれる訳でもない。夫と娘が到着してもなお音沙汰ないので、ナースコールで呼んで退院していいよと言われたと伝えると、「そう!よかったね!」と言って点滴を外され、そのほか特に何も言われず病室を出て行った。なんか、なんかないのか?なんもないか…今さら。

さよなら病室

この病院のよく分からない規則で、退院するときも必ずスタッフが押す車椅子で車まで行かなければいけない、という決まりがあり、そのスタッフが来るまでとにかく長い。あんまり待っても来ないからもう帰るね、とナースステーションに声をかけると、「ダメよ!車椅子が来るまで待って!」と制止された。最後の最後まで、なんだか面白いよなあ〜。

3日ぶりに外に出ると、相変わらず日差しは強く、暑かった。そうだここは中米の国。

数日ぶりに家に戻ると、やっぱりほっとする。窓があり、日差しと風がある。我が家の匂いがする。娘は「かーちゃんもっとげんきになったら、いっしょにおもちゃ屋さんいこうねー!」と目を輝かせている。

しばらくは夫も在宅勤務にしてくれるというので、あと数日は家でちゃんと療養しよう。

とにかく今回の教訓は、ワンオペでピンチな時は無理せず、誰かに頼ること。頼ることを恐れない。

子どもは大事。そして何より、自分も大事。

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