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もうすぐ5歳に贈る子守唄

我が子、あと数ヶ月で5歳。

ここ最近毎晩、寝床に入って電気を消した瞬間に「こわい〜」と叫び出す。「しずかなのがこわい」のだと。

絵本などで「おばけ」の存在を知り、真っ暗な夜、静かな中でそんな事を思い出しちゃうんだろうな。(この国は夜遅くになっても通りを走るバイクや車の爆音や、どこかで鳴ってる音楽やら、相当賑やかだとは思うんだけど…)

私も小学校低学年の頃に戦争というものを知ってから、夏の夜、花火が上がる轟音を聞いては、どこからか戦闘機が飛んできて戦争が始まるのではないかと1人ベッドの中で怯えていたことがある。だから、自分が知らないよく分からないことに想像をめぐらせて、膨らんでいく恐怖はよく分かる。

分かるんだけど、毎晩毎晩、数分ごとに繰り返される「こわい〜」にはちょっと参る。こちらが、「大丈夫だよ、かーちゃんもとーちゃんもいるよ」とか「楽しいこととか好きなこととか考えてみよっか」とか散々言っても、数秒後には「でもこわい〜」と甲高い声で言い続ける。さすがに私も返す言葉がなくなって、最終的にはいい加減寝てくれよ…とイライラしてしまって。

これはいかんぞ、と、ある日試しに「子守唄うたってあげよっか?」と言ってみた。

私が歌う子守唄とは、娘が0歳児〜1歳になるくらいまでだったか、胸をトントンしながら適当に「ね〜むれ〜、ね〜むれ〜、かわい〜い〇〇ちゃ〜ん」と歌ったもの。スヤスヤと気持ちよさそうに寝入ってくれていた。

娘は「こもりうた?なにそれ?」と全然ピンと来てない様子だったけど、まあ聞いてみてよと歌い出してみた。赤ちゃんのときに歌っていたものに、今度は「こわくても〜だいじょうぶ〜しんぱいしないで〜だいじょうぶ〜」と続けて。

すると、さっきまで散々こわいこわい言い続けてベッドの上をゴロゴロのたうち回っていた人が、ものの1分ほどでコテンと寝た。

なんと…!!

それからほぼ毎日のように子守唄を歌うようになった。「ねむれのうたうたって〜」とリクエストがあり、その後5分前後で寝てくれる。

5分もひたすら子守唄歌ってるなんて、文字にすると辛そうだけど、なかなか寝られないで独り言を言いながらゴロゴロ動く娘のとなりで、何十分も寝たふりをするより何倍も良い。寝落ち防止効果もある。

5歳近くになって、またふたたび子守歌で眠りに落ちていく娘の顔を眺められるとは思っていなかったな。

こんな私の低音ボイスでも、少しは安心して眠りにつけるのかなあ。赤ちゃんの時のことを身体が覚えてるのかなって、嬉しくもなる。

寝かしつけが辛くて、あ〜、早くこんな事から解放されたい。赤ちゃんの頃から1人で寝られるようにネントレ等すればよかったかな…と思った事は数知れず。

でも幼児のとなりで一緒に眠るというのは、あたたかくて、フワフワしていて、なんともいえない幸福感があって、やっぱり私が、隣でいつまでも寝ていたいんだと思う。

怖くても大丈夫。心配しないで大丈夫。きっと全部、大丈夫。

自分にも言い聞かせながら、ちょっと成長したお子に子守唄を歌っている。

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