ハグする、踊る、自分のままでいる。カリブ海の幼稚園雑感。
8月に5歳になった娘は、先月Pre-primarioに進級した。この国では6歳になる年から日本でいうところの小学校1年生になるので、今年は年長さんクラス。早いなあ…本当に早い。そんなことを1日3回くらい考えてる。
通っているのはカトリック系スクールで宗教色がかなり強く、外国人がほぼ在籍していない超ローカル校。エスカレーター式ではないけど、幼稚園から高校まであるので規模は大きめ。この学校(スペイン語でコレヒオという)が日本人の私たちにとってはかなり興味深いというか、カルチャーショックの嵐だったので娘在籍2年の記念に記録しておきたい。
まずはフリーダムな校風。
制服があって靴や靴下の色も決められてはいるけれど、それ以外はほとんど自由。髪飾り、通園リュックや水筒なんかはどんなカラフルな物をつけたって良いし、ネックレスやブレスレットだってして良い。もちろん幼稚園の子たちも。
運動などの活動時間は外しているみたいだけど、娘もほぼ毎日、何かしらのアクセサリーをルンルンで選んで装着して行っている。(そしてたまに失くしてくる…)ぬいぐるみやその他のおもちゃも、特に咎められない。もちろんこれも失くしたり壊れたりすることもあるけど、自己責任ということで。
先生たちも髪型やアクセサリー、メイクなど、自分の好きなものを好きなように身につけているのはもちろんの事、朝出勤したらまずはコーヒーを飲んで生徒の親たちや同僚と談笑してるし、なんかクラッカーとか食べてるし、帰りは子どもたちと一緒に(時に子どもたちより先に)さっさと帰る。
いまだにドギマギしてしまうのは(親の私が)、距離が近いこと。
子ども同士でも大人同士でも、大人と子どもでも。とにかくハグをしたり肩を組んだり手を繋いだり、めちゃめちゃ距離が近い。男女も関係ないので、当たり前に子どもたちが廊下でハグをしながら雑談しているのを目の当たりにすると、生粋の日本人である私はやっぱり見慣れない光景すぎて変にドキドキ…。(これが中学生以降のカップル同士になると、もっともっと距離が近く、高校生くらいになると平気でキスをしていたりするので、友情のハグか、カップルのハグかはすぐ分かる。まぁこれは欧米のスクールではよくある事か)
娘も1年目は先生やクラスメイト、すれ違う子たちにハグを求められ銅像のように固まってされるがままになってたけど、今では自分から友達に突進するようにハグをしてる。他人との物理的距離がめちゃくちゃ近くなったと思う。
そして自己肯定感を爆上げしてくれる先生の存在。
叱ることはもちろんあるけど、基本的に子どもに対しては全身全霊の愛情表現を持って接してくれる。かけてくれる言葉も、「プリンセス!」「素敵なレディ」「素晴らしい子!」「Mi amor! (マイラブ!と言ったところかな)」に始まり、とにかくポジティブな言葉攻め。廊下で会ったら少し遠くからでも両手を広げて娘を待ち構え、娘はその先生の腕に飛び込む。ギューっと抱きしめ、ほっぺにチューをして、頭を撫で撫で。「今日も素敵なレディーが来たわね!!」と全力で迎えられる。こんな風に声をかけてもらっていたら、そりゃあ自己肯定感上がるよね。
子どもは存在自体が尊いのであり、かけがえのないものだと大人たちが思っていることが言葉と態度で伝わってくるから、私も安心できる。そしてスペイン語が全く話せない状態からスクールに放り込まれた娘にとっては、この、すべて「愛」をもって接してくれることがどんなに心強かっただろうなと思う。
それにラテン特有の気質というか、国民性というか。
風邪をひいても、遅刻しても、何か忘れ物しても、親が(私が)スペイン語の解釈ちゃんと出来ていなくてトンチンカンな間違いしても、「そんなの、大した問題じゃないわ!Tranquira! (リラックスして〜)」の決まり文句で片付けてくれるから、親のこちらとしても非常にリラックスした状態でいることができる。
そしてとにかくすぐ踊る。
朝礼の後、朝礼からクラスに向かう時、休み時間、クラスメイトの誕生日会、何かのイベントがあってもなくても。クラブでかかるようなジャンルの音楽(クラブ行ったことないけど)が鳴り響き、子どもたちも先生たちも、送迎中の親たちも、すぐにお尻フリフリ、腰をくねくね、素晴らしいリズム感で踊る。踊ることが大大大好きなこの国の住人たちは、子どもの頃からそのDNAに刷り込まれた抜群のリズム感で、踊りがめちゃくちゃ上手い。
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娘のスクールしか知らないし、他の私立インターなんかだとまたガラッと雰囲気は違うんだろう。小学生にもなると勉強が始まってまた別の悩みも出てくるんだろうな。今は娘も私たちも、このローカルスクールに満足満足、お腹いっぱいの大満足!
もうすぐこちらへ来て3回目ののクリスマスシーズン。国中でお祭り気分が最高潮になる時期。ラテンのクリスマスソングに合わせて、お尻フリフリ踊り狂うみんなの姿を今年も観れるのが楽しみで仕方ない。
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