最近の記事

毒母に思うこと

毒親育ちの人が、その毒に気づいてなお「それでも私は母のことが大好きだったんだ!」って言う人多いけど、 うーんなんか違和感あるなと思っていた。 そして私は気がついた。 確かに私も母の愛を求めてはいたけれど、私は私で母を愛していたわけではなかったんだな、と。 子供が親に愛情を要求するのは、当然の生存戦略だ。それがなければ生き延びられる可能性が下がるからだ。 私が小学生の時に少ないお小遣いを貯めて母にプレゼントしたのも(ダメ出しされたけど)、アレもこれも、ホストにお金を注ぎ込むよ

    • 『大日本人』の松本人志

      まっちゃんの問題がひとしきり話題になっている。 私はあの才能が業界から消えるのはとても寂しいと思っている一人ではあるが、文春の一連のキャンペーン記事を読みながら、 松本人志の初監督映画『大日本人』を思い出していた。 哀しい映画だった。 ギャグ映画ではあるのだけど、やぶれかぶれな終わり方といい、 おもしろうてやがて哀しき…というやつだった。 「獣」(じゅう)と呼ばれる謎の巨大生物と戦うことを宿命づけられた「大日本人」の末裔である主人公(まっちゃん)が、誰にも感謝されず、笑わ

      • METライブビューイング「マルコムX」感想

        音楽も良かった。 舞台美術も良かった。 でも脚本が、、、 https://www.shochiku.co.jp/met/program/5442/ マルコムXをテーマにするなら、もっとセンセーショナルに描けたんじゃない?、と部外者の黄色人種は思ってしまうわけで。 第1幕は、黒人迫害の歴史をもっとガッツリ描いて欲しかった。 少年マルコムがマルコムXになる過程で、重要なシーンになるはずなのに、 お母さんの嘆きのアリアで終わっちゃう。 活動家で牧師の父親が殺されるシーンを、

        • エーリッヒ・フロム「愛するということ」

          今更ながら読んで、感銘を受けた。 1956年に書かれてる本に、「マインドフルネス」が出てくるとは思わなかった。 その前に、「スキーマ療法」についての本を何冊か読んで、 自分自身のスキーマに気づいてうわーーーーっ!!!となって感情の濁流に飲み込まれそうになって、ある人物にネガティブな思いをぶつけてしまったりして、、 あ、これ、地獄の窯の蓋が開いたな、と。 一旦落ち着こう、と。 で、「共感性」についての本を2冊読んだ後で、エーリッヒ・フロムを読んでみたという次第。 Th

          「共感性」の毒

          「共感性」というものについて考えている。 共感力とは、他者の痛みを自分のもののように感じる(感じてしまう)能力のことで、優しさの大前提だし、社会にとっても大切なものだとは思う。 ただし、共感性は毒にも薬にもなる。 辛い経験をした者が、同じく辛い経験を今している人間に対して共感力を発揮し、優しくするかと言えばむしろその逆のケースがあるということだ。 例えば、姑から苛烈な嫁イビリを受けてきた人が、自分が姑になった時、同じように嫁を苛めるというのはよくある話。 曰く、 「

          「共感性」の毒

          「贈り物」という暴力

          樹木希林が生前、「物をもらうのもあげるのも大嫌いだから全部お断りしている」と言っているのを聞いて、本当に賢くてカッコいい人だなあ〜と思っていた。 一方、なんとなく美食家を自認する某クリスタルな作家さんが、雑誌連載コラムで 「どこそこのなんとか(知る人ぞ知る名店のお菓子か何か)を、ある人へのお土産として持参したものの、受け取った秘書だか事務員さんだかが、その商品のなんたるかを全然理解していない感じで受け取りやがった。価値もわからない人たちが食い散らかして終わるのかと思ったら、

          「贈り物」という暴力

          「妖怪男ウォッチ」いまさら感想文

          今更ながら 「妖怪男ウォッチ」 と 「なぜ幸せな恋愛・結婚につながらないのか」 の両方読んだ。 面白かった。 しかしこのタイトルの差はなんだ。 編集部の意向? 女子の食いつきを良くしようとした結果?外で読むとき「妖怪男」は堂々と読めたけど、 「なぜ幸せな…」はなんか恥ずかしくてカバーかけたよね。 しかしなんだな。 男も女も妖怪だとしたら、あとはマッチングの問題だけなのかもな。 そして結局、「女の幸せは結婚」って価値観は根深くあるんだな…と暗い気持ちになった。 妖怪男の定

          「妖怪男ウォッチ」いまさら感想文

          「いじめ」の構造

          「友達だから言うんだけど」とか言いながらわざわざ私を傷つけるような言葉を投げつけてくる人がいる。 非常に不愉快だがしかし、その彼女は私に対してなんらかのコンプレックスを抱いているのだと理解している。 わざわざバカにしたり貶めたりしてマウントを取る事によって、ほんの一瞬でも私に勝った気になれるからだ。 そんなに私が気に入らないなら、友達をやめて距離を置けば良いだけなのに、そうしないのはなぜか。 もちろん、彼女「が」私を必要としているからだ。 これが「いじめ」の構造だ。 おそ

          「いじめ」の構造