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信用を稼ぐ時代 | 地方のママ友付き合いから学んだ、信用時代の生きかた

「これからの時代、最も価値がある個人資産は「信用」だ。」
「お金よりも「信用」を稼げ。」

最近よく耳にする言葉だ。

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わたしは、こどもが2歳のとき、東京から地方に移住した。地方のママ友の世界は「信用」が重要な世界だった。そして、信用を大切にする地方での子そだてから、個人の信用が重要になる時代の生きかたを学んだ。

お金か、信用か。東京と地方のちがい

◻️「他人の労働力」を「お金」で買う東京

両親が近くに住んでいない核家族の夫婦にとって、子どものサポートで必要なものは労働力(マンパワー)だ。

東京は、ヒトも、モノも、サービスも溢れている。他人の労働力は商品化され、「サービス」というカタチで提供されている。

子そだてをサポートするためのサービスもまた、自治体や民間から、あらゆるサービスが商品化されてたくさん提供されている。

さまざまなサービスが溢れる世界では、なんでも買うことのできる「お金」は、万能のツールだ。

二十世紀まではある意味不思議な世界でした。

それは人々が欲しがるものがお金であり、それをやり取りするツールがお金だったということです。

山口揚平「新しい時代のお金の教科書」

◻️「他人からの協力」を「信用」で得る地方

ところが、地方ではお金は万能ツールではない。東京に比べ、ヒトもモノもサービスも少なく、お金で買いたくても買うことができないこともある。

子そだてサポートのサービスもまた、地方では種類が少なく、需要に比べて供給量が圧倒的に足りていない。

それゆえ、ママ友同士で助け合ったり協力する文化が、東京よりも深く根付いているように感じる。

個人の信用があれば、お金を媒介しなくても他人の労働力に換えることができる地方のママ友の社会は、まさに信用経済そのものだと気づいた。

◻️参加条件は「信用を貯める」「信頼関係を築く」こと

この地方の助け合いのママ友コミュニティは、誰でも繋がれるわけではなく、信用や信頼関係によってつながるコミュニティだと、最近ある出来事をきっかけに気づいた。

その出来事は、あるママ友から「助け合える人を紹介して欲しい」と頼まれたことから始まった。彼女は赤ちゃんから年長さんまでの小さなこども3人をワンオペで育てていて、公共や民間のサポートサービスばかり利用するのは経済的にきついため、助け合える人を探していたのだ。

そこで、わたしは知り合いのママ友の何人かに彼女について相談した。すると、ママ友コミュニティのみんなが口を揃えて言ったのが、「その人が長期的な信頼関係を築ける相手かによる」「信用できる人かどうかが大事」と言われたのだ。

わたしはそれまで、ママ友同士の助け合いコミュニティは、地域の誰もが参加できる、無償の、開放的な助け合いのようなものかと勘違いしていた。しかし、この出来事をきっかけに、信用でのつながり、信頼関係を築く重要性に気づいた。

信用の世界で大切なこと

これから個人の信用がますます重要になる世界で、わたしたちはどう振る舞えばいいのだろう。

ここからは、ママ友コミュニティでの人づきあいから学んだ、信用経済を生きるヒントを紹介したい。

✔︎ 個人の信用を得るには「価値」を提供する

信用とは、価値の積み重ねだ。

個人が信用を得るためには、価値あるものを提供し続ける必要がある。

価値あるものとは、相手のそのときの状況によって違うけれど、じぶんの時間や労力だったり、情報を提供すること、言葉を尽くすことだったりする。

堀江貴文氏は著書「信用2.0 自分と世界を変える「最重要資産」」で、信用されるものは、目に見える有形資産による信用から、目に見えない無形資産へと変化していると語っている。

貨幣経済では有形資産(カネ、モノ、肩書き、学歴など)で他人の信用を得られたが、信用経済では無形資産(知識、言葉、人間性など)こそが相手の信用を得る上で重要だとわたしも痛感している。

◼️貨幣経済(東京、会社など)
欲しいもの:商品化された他人の労働力(サービス、コト)
コミュニケーションの軸:お金、数字
お金の稼ぎ方:仕事、投資など
価値あるもの:目に見える有形資産(カネ、モノ、肩書き、学歴など)

◼️信用経済(地方、ママ友コミュニティなど)
欲しいもの:商品化されていない他人の労働力(協力、援助)
コミュニケーションの軸:言葉、信用
信用の稼ぎ方:価値あるものを、相手に提供し続ける
価値あるもの:目に見えない無形資産(知識、言葉、経験、人間性など)

✔︎ コミュニケーションの軸は「心」

信用経済の世界では、「心」「言葉」が大切な要素だ。

地方のママ友と話をしていると、「何か困ったことがあれば遠慮なくいってね」というような声掛けが日常的のやり取りの中にとても多いと感じる。「もし何かあったときには、いつでも相談にのりますよ」「力になりますよ」といった相手への思いやりや意思表示を日々のコミュニケーションから感じるのだ。

日常的なやり取りの中で、思いやりを持ったコミュニケーションをとることは、信頼関係を築くうえで非常に重要なのだと学んだ。

山口揚平氏は、著書「新しい時代のお金の教科書」のなかで、貨幣経済は「金でつながる男のタテ社会」、信用経済は「信用でつながる女のヨコ社会」だと説明している。

貨幣経済ではコミュニケーション(交渉、契約)の軸は「カネ」や「数字」だった。信用経済では、コミュニケーション(共感、思いやり)の軸は「ココロ」や「コトバ」になる。

だから、信用経済の世界では、共感や思いやり、感性を働かせて、言葉を尽くすコミュニケーションをすることが、一層重要になる。

✔︎信用経済ではハブになる人が強い

ママ友同士のつながりの中で、信用を集めやすく、いろんな人とのつながりの架け橋になってくれる「ハブ」のような人がいる。彼女のもとに集まった人や情報を彼女はまた周りの人に提供する。それによって、彼女の信用がさらに高まる、という好循環が生まれている。

山口揚平氏も、著書「新しい時代のお金の教科書」のなかで「信用経済ではハブが圧倒的に強い」と語っている。

貨幣経済(男のタテ社会)では、上(支配層側)にいくほど強い。信用経済(女のヨコ社会)では、複数の人と繋がる中継点(ハブ)になれる人ほど強い。

これからは、本業と副業で「お金」と「信用」を稼ぐ

いま、副業ブームでお金を稼ぐ方法はいくらでもある。

「お金」を稼ぐための副業ももちろん大切だけれど、それ以上に、オンライン上やリアルな社会で「信用」を稼ぐための副業にも力を入れていきたいと、わたしは考えている。

会社員の場合、信用は社内や業界の中でしか溜まっていかない。だから会社員こそ、副業では信用経済に片足を置いて、業界を超えた色んな人と信用でつながる関係を築くことがこれからの時代は大切だと思う。

わたしは今、かつて仕事でご一緒した外国人研究者の方やその知り合いの方たちの仕事やプライベートのことを通訳や翻訳などをして無償で手伝っている。この「お手伝い」も、わたしにとっては「信用」や「実績」を積むための副業だと捉えている。

地方のママ友コミュニティも、会社員であるわたしが本業では出会えなかった人たちと出会い、信用を稼ぐことのできる「副業」として楽しみたい。

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