ミクロ経済学におけるゲーム理論
ゲーム理論は、ミクロ経済学を中心とした経済現象を解明するための有益な分析ツールとして用いられてます。
ゲーム理論の基本的な考え方は、
あるプレーヤーが意思決定をする際、
他のプレーヤーが自分の行動にどう対応してくるか予想した上で、
自分にとって最も有利となる行動を決定するというものです。
プレーヤー同士がお互い影響し合う環境では、
戦略的思考が重要です。
ミクロ経済学でこの状況に最もよく当てはまるのが、
寡占市場です。
お互いの戦略を前提に、
双方のプレーヤーが最適な戦略を選択している状態をナッシュ均衡と呼びます。
ゲーム理論で有名な話に囚人のジレンマがあります。
囚人のジレンマは、
お互いが協力しあえば双方に利益となるにもかかわかず、
損することを恐れてお互いが裏切り合い、
結果として双方が損をするという状況を論理的に説明したものです。
囚人のジレンマのゲームでは、
相手の取り得る戦略のそれぞれについて、
自分の戦略のペイオフ(利益)が協力戦略よりも非協力戦略のほうが高くなります。
したがって、各プレーヤーは、合理的に行動するのであれば非協力の戦略を選びます。
結果、お互い協力したほうが結果はベストになりますが、
お互い非協力がナッシュ均衡になってしまいます。
このナッシュ均衡を打破する手段があります。
結論からいうと、
たった一回のゲームなら非協力しか考えないプレーヤーであっても、
何度も同じゲームを同じ相手と繰り返す場合、
お互い協力しあって、相手と利益を分かち合おうとする誘因が生まれます。
無限回の繰り返しゲーム下では、損して得をとるプレーヤーが優位に立ちます。
将来における協力の利得を重視すると、
信頼と信用を獲得できるからです。
この場合、お互いにずっと協力し続けるのが最適戦略になります。
なぜなら、相手を裏切れば、それ以降のゲームは利益を得られないからです。
よって、ナッシュ均衡は、協力しつづけるとなります。
これがフォーク定理と呼ばれている命題です。