論語~里仁(りじん)第四
論語は、孔子が弟子と問答した内容を、
孔子の死後に弟子が書物(20編512文)として残したものです。
20編毎に解説をしていきます。
第4編の里仁(りじん)とは、仁徳に関する記述が多い編です。
孔子は、心の棲む里を仁徳とする考え方を説いています。
1.仁に里るを美しと為す。
家庭における振る舞いがそのまま社会生活に出る。
2.不仁者は道理に反る。
道理を貫く人が仁者。
3.仁者のみ能く人を好み、能く人を憎む。
人の真価は立派な人間であるかではなく、立派な人間になろうと努めているかどうか。
4.仁を志せば悪しきこと無き也。
5.君子は仁あっての君子。
6.能く一日も其の力を仁に用いること有らん。
7.人の過ちや各おのその党においてす。過ちを見て仁を知る。
8.朝に道を聞かば、夕に死すとも可なり。
命ある限り自分の存在意義を追求する。
道、その答えが垣間見えたらその日のうちに死んだっていいくらいの気持ちになる。
9.道に志すものは衣食を気にせず。
外面志向から内面志向により人生を好転する。
10.君子の天下におけるや義にのみこれ与に比す。
リーダーは義を指針とし、考え、行動する。
11.君子は徳や刑を慎む。
自然と仁を志す社会システムをつくる。
12.利によりて行えば恨み多し。
人は理念で集める。
13.礼譲を以って国を為す。
14.位なきを憂えず。立つ所以を憂う。己れを知ること莫きをを憂えず、知らるべきことを為さんことを求む。
社会的地位が低いことを嘆かず、なぜ地位が得られないのかを考える。
自分を認める人がいないことを嘆かず、認められることをしようと考える。
15.吾が道は一以ってこれをなす。夫子の道は忠恕のみ。
16.君子は義に悟り、小人は理に悟る。
17.賢を見ては斉しからんことを思い、不賢を見ては内に自ら省みる。
18.父母に争うるにはいさめる。
19.父母在ませば遠く遊ばす。
20.3年父の道を改むる無きは孝。
父の死後、3年は父の教えに従うことが親孝行である。
21.父母の齢は知らざる可からざる也。
父母の年齢は知っておくこと。
22.言を慎む。
23.役を以ってこれを失する者は鮮し。
昇り詰めたら下るしかない。
陰陽のバランスをとる。
24.君子は軽々しいことを言わず、やるべきことを素早くする。
25.徳は孤ならず、必ず隣有。
徳のある人の周りには多くの人が寄り添う。
26.付き合いには適度な距離感が大切。
まとめ
第4編の里仁とは、
心の棲む里を仁徳とする考え方を説いています。
仁とは思いやりのことです。
「義と礼を持って仁者を志し、より良い社会を創りましょう」
と論語の里仁第四は説いています。