スタートアップ企業の資金調達方法
スタートアップ企業のラウンド毎の資金調達方法と投資家へ説明する内容をまとめました。
① 家族・友人
小額の資金が必要なときに、家族・友人から資金調達することがある。
② クラウド・ファンディング
不特定多数のユーザー(ファン)から資金調達する新しい資金調達モデル。
③ エンジェル投資家
起業間もないスタートアップに資金提供する富裕層。エンジェル投資家は業界に精通しているため、アドバイスしてもらったり、ベンチャー・キャピタルを紹介してもらえる点もメリットである。
④ インキュベーター(アクセラレーター)
スタートアップが成功するためのプログラムやオフィスを提供する組織。インキュベーターと関われば、他の投資家に一定の評価や信頼を与える。
⑤ ベンチャー・キャピタル
エグジットの可能性が高いスタートアップに投資して株式を得て、将来株式を売却することにより利益を得る投資家。業界の知識や人脈が提供されるメリットがある。
⑥ 戦略的提携先
M&Aにおける潜在的買収先など、企業とパートナーシップを組む戦略的提携。株式を発行することがある。
ラウンドごとの資金調達戦略
1. シード・ラウンド 9カ月2021年7月まで
一般的にプロトタイプが完成していないアイデアの段階。プロトタイプもしくはアルファバージョンの完成までの運転資金獲得が目的。すなわち、コンセプトレベルのスタートアップ。
1万~100万ドルのスタートアップコスト(会社設立費用、会計士費用、オフィス代、オフィス用品代等)、営業・マーケティングコスト、給料。
調達先は、友達、家族、エンジェル投資家が良い。
2. シリーズA 3年2023年7月まで
アルファバージョンからベータバージョンが完成しており、すでに一定数の顧客がいる段階。一定の売上高があり、赤字でも良い。ベータバージョンからファイナルプロダクトを完成させる時期。
100万~300万ドルの開発資金、マーケティング費用。
調達先は、エンジェル投資家、ベンチャー・キャピタル、戦略的提携先が良い。
3. シリーズB 2023年8月から
ファイナルプロダクトがリリースされ、一定の顧客を獲得し、収益も得られている段階。
200万~600万ドルのマーケットの拡大のために資金調達が必要。
調達先は、ベンチャー・キャピタル、戦略的提携先が良い。シリーズAで評価が高いベンチャー・キャピタルから資金調達していれば、資金調達も容易になる。
4. ファイナル・ラウンド
マーケットの拡大やエグジット費用のために資金調達する。
調達先は、ベンチャー・キャピタル、投資銀行、プライベート・エクイティファンド、ヘッジファンド等。スタートアップは、資金+サポートのスマートマネーを手に入れる。サポートのない資金は、Dumb Moneyと呼ばれている。
資金調達方法
投資家が何を知りたがっているのか?
1. どのような問題意識を持ち、どのように解決するのか
2. 市場規模はどれくらいなのか、100億円以上あること。
3. プロダクトを作るためになぜこのチームが適切なのか
4. 競合に勝っている点は何か
5. プロダクトの開発状況、顧客の獲得状況、収益の状態
6. 成長のため、調達資金の今後の計画
何が問題で、どうやって解決するか、市場規模は十分か?、チームは?を簡潔に答える。
プロダクト、ビジネスモデル、収益モデル、市場規模、マーケティングの効率性と届け方、競合、半年後、1年後、3年後のプラン、財政状態、エグジットプランを内容に入れる。